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立原 道造「 風が…… 」1933年

2017年09月12日 | 詩人
立原 道造「 風が…… 」1933年

 私が詩に目覚めたのは、
小学5年の国語の時間でした。
宮沢賢治さんの余りに有名な
「雨ニモ負ケズ」は自分にとっては
衝撃的でした。
「世の中にはこんなに優しいことを
言える人がいるんだ。自分もこんなことを
言える人になりたい」と思ったものでした。
今でこそ、仏教思想に裏打ちされた
インテリジェンスな人が書いたからと解るものの
当時は詳細も経歴もツユほども知らない私ですから、
無理もありません。
ややあって思春期になり、恋にに目覚めた頃に
目にしたのが、叙情派詩人で知られた
立原 道造さんの処女作と言っても過言では
ないと思いますが、詩集「日曜日」の
冒頭にあったこの詩でした。


「 風が…… 」( 詩集 日曜日より )

《郵便局で 日が暮れる

《果物屋の店で 灯がともる

 
風が時間を知らせて歩く 方々(ほうぼう)に



たった 3行の詩の中に静かな映像が
次々と感じられ、思春期の私は
物思いに耽るのでした。
道造さんが高校最後の年を迎えた
1933年(昭和8年)、上記の詩が収められた
詩集『日曜日』と『散歩詩集』を手製で製作しました。

以下、敬称略
立原 道造(たちはら みちぞう)
1914年(大正3年)7月30日 東京・日本橋生まれ
1939年(昭和14年)3月29日)24歳で急逝した詩人。
学歴は東京帝国大学工学部建築学科卒業。
1937年(昭和12年)、石本建築事務所に入所。
賞歴は、辰野賞3年連続受賞、中原中也賞受賞。
また建築家としても足跡を残していて、
立原が構想した図面に基づき、
2004年に「ヒアシンスハウス」が
さいたま市の別所沼公園に竣工されました。
(下記の拙いスケッチは私が若かりし頃に、
詩に感動して描いたものです。)



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