音楽とアートと詩と……。 いつか見た懐かしい世界へ

忙しく過ぎる時間の中で貴方のそして私の
心のやすらぎとなりますように……。 空野くらし

詩集 山村新一「まっすぐないのち」2017年

2017年08月11日 | 詩人
詩集 山村新一「まっすぐないのち」2017年
とYouTubeにupされている「ハートの形の水たまり」2013年

 命の誕生は人間の営みの中で
一番の喜びかもしれません。
長い間、山村新一さんがあたためていた作品が
小さな詩集になりました。
「 まっすぐないのちは
抱きしめるしかないじゃないか 」
と帯で呼びかけています。

山村さんとはお互いが 20代の頃
今ほど賑やかではなかった六本木の
とある会社で知り合いました。
プロフィールにもあるように、
山村さんのたくさんの作品に触発されて
曲を作り、若い頃に歌わせて貰いました。
懐かしい想い出の歌たちなので
今でも YouTube 上で新旧問わず up させて頂いています。
また、詩集の中には次のような作品もあります。

「 お呼びになったでしょうか? 」

居酒屋で追加の注文をしようと
弟がボタンを押したのだが
やってくるはずの店員が 来ない
また押したが 来ない
しばらくして今度は僕が ピーッと少し長めに押してみた

ほどなく店員がやってきた
「お呼びになったでしょうか?」
呼んだことを伝え 注文したのだが

その前の二度の控えめなベルの音は
注文のための本気の合図とは思われなかったのだろうか
ピーッと短く押して
店員がやってくると
「呼んでないよ」と言って いたずらをする
酔っぱらいがいて それも混み合った時間帯の忙しいときに
だから 短めのピーッだかプーッだかの音を耳にしても
ああ もしかすると また
と思って なかなか来なかったのかも知れない

「お呼びになったでしょうか?」は
本当は僕らに向けられた言葉ではなかったのだ
いたずらの呼び出しの度に
いつも胸の内にとどめていた思いが言葉になって
つい彼女は
「お呼びになったでしょうか?」
と言ってしまったのだろう

誰もが感じる人間の機微を言葉を飾らず紡いでくれているのが嬉しいです。
興味を持たれた方はぜひ、ご一読ください。
アマゾンで取り扱いがあります。
そして若き日の詩を元に私が曲と映像をつけた「ハートの形の水たまり」2013年
YAMAMURA & KURASHINO「 Heart-Shaped puddle 」2013( inst.)



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。