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シーラカンスの憂鬱

照る日もあれば、曇る日もあるんだし…

『ドラえもんに休日を ! ! 』

2005年03月25日 | マンガ
友情信頼仲間
信念情熱自立

たった9ページのマンガのエピソードの中に
散りばめられた少年のひたむきな姿。
コマとコマの小さな隙間にも垣間見える
自分自身を奮い立たせる勇気。

少年の心の成長物語。

先週の金曜日。
3月18日のテレビアニメ『ドラえもん』。
多くの掲示板やブログで《怒り》と《嘆き》が飽和しています。
『ドラえもんに休日を ? ! 』は、
素晴らしい原作を汚す様な改悪ぶりを晒してしまいました。

原作の解釈とあまりにも食い違う脚本は、
全く別の物語へと変貌させたばかりか
原作者の想いを込めたメッセージを濁してしまいました。
安易にお笑いギャグを連発する描写は空回りして、
虚しさだけが残るアニメーションでした。

放映から一週間が過ぎ、
何故今日この記事を書いたのかは、僕にもよく解りません。
この記事にいったいどんな意味があるというのかも…。
ただ、
原作を知らずにあのアニメーションだけを観た人に
故藤子・F・不二雄先生が描きたかった事を
少しだけでも理解して欲しかったのだと思います。

ドラえもん (35)

『ドラえもんに休日を ! ! 』
てんとう虫コミックス第35巻に収録。
※原作のタイトルに【?】マークはありません!

◆ストーリー◆

  いつも面倒を掛けるのび太に
    「日曜も祝日も夜も昼も、
     気の休まる時がない。」と漏らすドラえもん。
  ドラえもんのそんな苦労に気付いたのび太は、
    「よし! 明日の日曜は、
     まる一日ドラえもんの休日にしよう ! ! 」と提案する。

  タマちゃん(ネコ友達)とハイキングに行ける事を喜ぶ反面、
  やはりのび太の事が心配なドラえもんは、
    「どこにいてもとんで来る。」と【呼びつけブザー】を渡す。
  意地でもブザーを使いたくないのび太は、
  ジャイアンやスネ夫たちの前で一大決心してみせる。
    「何事が起きようと、
     ぼく自身の力で切り抜けてみせる!」

  あの手この手を使って
  ブザーを使わせようとするジャイアンとスネ夫。
  降りかかる災難に負けそうになり、
  何度もブザーを使いそうになるのび太でしたが、
    「だめ ! !
     ドラえもんには今日一日、
     ゆっくり休日を楽しんでもらうんだ!」
    「どんな事があってもこれだけは……。」と歯を食いしばる。

  災難に遭うのび太を追いかけながら
  ジャイアンとスネ夫は、
  のび太の強情さに感心するやら呆れるやら。
   
  そしてまた、
  家に帰ろうとしたのび太を襲う新たな恐怖。
  見知らぬ二人の悪ガキたちに捕まってしまったのび太は、
    「もうだめだ。ドラえもんを……。」とブザーをグッと握り締める。
  その時脳裏に浮かんだ、休日を楽しむドラえもんの笑顔。
    「絶対に使わないぞ ! !
     さあ~、やるならやれ ! ! 」
  なんと!
  のび太はブザーを踏み潰して壊してしまう。
  その一部始終を陰から見ていたジャイアンとスネ夫は、
    「あいつにあんな根性があったとはな……。」
    「のび太、力を貸すぜ!」と助太刀する二人。

    「いやあ、楽しい一日だったよ。」
  休日を満喫して戻ったドラえもんはのび太に尋ねた。
    「大丈夫だった?」
  座布団を枕にいつものスタイルで寝転ぶのび太。
    「あたりまえさ!
     平和な一日だったよ。」

誇らし気に語らない少年が手にした勲章。
それは、自分すら気が付いていない《心の財産》。
少年の心の成長物語



   今夜放映された映画『のび太のワンニャン時空伝』を最後に、
   1979年4月から2005年3月までの26年間、
   『ドラえもん』を支え続けて来た声優さんたちの声は、
   ブラウン管から流れて来なくなります。
   僕が9歳の頃から観ていた
   大山のぶ代さんたちが奏でるハーモニーは、
   もうブラウン管から流れて来なくなります。
   やはり心に空いた穴は決して小さくはありませんでした。
   


◆『藤子不二雄』関連のエントリー◆

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは。 (チャミー)
2005-03-27 13:08:01
ドラえもんとは認めたくない改悪でしたね。

指摘したいところはたくさんありますが、

せめてブザーだけは押してほしくなかったです…。



もう今までのドラえもんたちの声は聞けないんですね。

まだ実感がわきません…。
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☆こんにちは☆ (coelacanth0707)
2005-03-27 14:41:23
チャミー様♪

コメントありがとうございます。



降りかかる災難に歯を食いしばりながら

乗り越えたのび太の姿を想うと、

あのアニメーションの中で《ブザーを押す》という事が

一番変えてはいけない事っだったはずなのに…。

悲しい最後のエピソードになりました。



4月始まる新しい『ドラえもん』は、

原作を素晴らしさを意識して製作される様ですので、

期待して待ちたいと思います。

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