シーラカンスの憂鬱

照る日もあれば、曇る日もあるんだし…

『末弥純画集 ウィザードリィ』

2006年05月22日 | 本・画集・図鑑
剣と魔法の暗くて美しいファンタジーの世界を
リアリティ溢れる絵画で表現する末弥純(すえみ じゅん)氏。
『蘇る地下迷宮のモンスター』というエントリーを書いた後、
そそくさと予約していた『末弥純画集 ウィザードリィ』が、
ようやく僕の手元に届けられました。



ゲームのパッケージやポスター。
マニュアル本のカバーや小説の挿絵。
CDドラマのジャケットやフィギュア製作用のイメージ画。
そして、多くの冒険者たちを恐怖の虜にした奇怪な怪物の姿。
末弥純氏が描いた数々の名画が、僕の心を惹き付けてくれます。

総ページ数131ページ。
◆冒険者◆怪物◆迷宮◆
…3つのカテゴリで構成されたウィザードリィの世界は、
内容の濃い作品で紡がれ、貴重な画集に仕上がっています。
贅沢を言わせて貰えるなら、4200円(税込)という定価からも、
ソフトカバーよりもハードカバーで装丁して欲しかったですね。

 末弥純画集 ウィザードリィ

 新紀元社

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この画集のカバーとして描き下ろされた作品『炎の呪文』は、
怪物に向けられた炎の熱気が凄まじい程伝わって来る気さえし、
末弥純氏のウィザードリィへの熱い想いと情熱を感じてしまいます。

◆関連リンク◆
   Wikipedia:末弥純
   シーラカンスの憂鬱:『蘇る地下迷宮のモンスター』

『深海に沈みゆくものに光を… -その3-』

2006年05月03日 | 本・画集・図鑑
暗黒の闇と沈黙に閉ざされている世界 … 深海。
静寂が時間の流れを永遠に感じさせる … 深海。
陽の光の届かない深海底で、今も目覚めの瞬間を待つものよ。
いつの日か陽の光を浴びて、再び眩い輝きを取り戻すものよ。

このエントリーで記している、
『深海に沈みゆくもの』や『目覚めの瞬間を待つもの』とは、
過去には刊行されていたが、現在では絶版になった書籍を示しています。
『再び眩い輝きを取り戻す』は、『再び刊行される』事を指しています。

売れる時には、数万部・数十万部などと増刷して、
殆ど売れなくなると、増刷を中止してしまうのが出版業界です。
これは出版業界に限らず、一企業の経営方針としては当然ですし、
売れないものを特に意味も無く生産し続ける企業には疑問を感じます。

しかし、書籍に関して言えば、

   「古本屋さんに売ってしまったあの小説をもう一度読みたい。」
   「子供の頃よく読んでたあのマンガ、また読んでみたいなあ。」
   「最近、好きになったあの作者。よし!全作品を読破しよう!」
   「えっ!あの作者がこんな作品を書いてたの?読みた~い!」

…と言うような想いを誰もが抱く事があるものだと思います。

でも、その時に読みたい作品を簡単に読めない事の方が多いのです。
一生懸命、古本屋さんを片っ端から巡って探してみても見つからない。
やっと見つけたその一冊に、驚くほどの高値が付いていて手が出ない。
ネットオークションでも価格の高騰は限り無し…。

書籍の絶版。
それは、著者にも読者にも不幸な出来事です。
読みたい作品があれば、読みたい時に早く手にして、
ずっと大切に保管しておくのが一番なのかも知れません。

また、絶版になった書籍が再び刊行される事もあります。
多くの読者の熱い要望が、著者や出版社に寄せられたりすると、
その出版社としても、一定数の売上げの見込みが立つのと同時に、
消費者に対する企業イメージの向上と業務活性化を望めるからです。

そうした個人の要望をまとめ上げて、
出版社側と絶版になった書籍の復刊交渉
実際に行ってくれるサイトが、『復刊ドットコム』様です。

絶版本を投票で復刊!
   
絶版になってしまった書籍への個人の想い。
一人一人の力は弱くても、熱い想いを寄せ合えば大きな力になります。
僕は、そう信じて投票しています。(僕の投票情報は、こちらです。)

暗黒の闇と沈黙に閉ざされている世界 … 深海。
静寂が時間の流れを永遠に感じさせる … 深海。
陽の光の届かない深海底で、今も目覚めの瞬間を待つものよ。
いつの日か陽の光を浴びて、再び眩い輝きを取り戻すものよ。

   『をあきらめないで待っているから…。』

◆関連リンク◆
   シーラカンスの憂鬱:『深海に沈みゆくものに光を… -その1-』
   シーラカンスの憂鬱:『深海に沈みゆくものに光を… -その2-』
   シーラカンスの憂鬱:『蘇る地下迷宮のモンスター』

『蘇る地下迷宮のモンスター』

2006年03月27日 | 本・画集・図鑑
多くのファンタジー小説などの表紙を飾る絵画を描き、
コンピューターゲームの世界では、登場するキャラクターたちの姿を
リアリティ溢れるデザインで描くイラストレーターの末弥純(すえみ じゅん)氏。

時には、優しげな色彩とマチエール
時には、激しく荒ぶる色彩とマチエール。

キャラクターの背負っている過去と未来を
また、感情の奥底に秘められた憂いや悲哀を
絵筆という"剣"に、情熱という"呪文"を注いで描かれる絵画。

僕が、初めて末弥純氏の描く作品に触れたのは17歳の冬でした。
ファミコン版RPG『ウィザードリィ -狂王の試練場-』で冒険者たちが出会う、
圧倒的な恐怖と存在感で襲い掛かる奇怪なモンスターたちの姿がそうでした。

   真っ赤な血にまみれた"宝箱"
   ドロドロに溶けた"バブリースライム"
   妖しく光り輝く"ウィルオーウィスプ"
   破壊と殺戮の象徴"グレーターデーモン"

1987年12月22日に発売された
ファミコン版RPG『ウィザードリィ -狂王の試練場-』は、
3Dの地下迷宮を冒険者の視点で進んで行くゲームシステムでした。
目の前に見える景色は壁と床のみ。
その数歩先は恐怖に満ちた暗黒の世界。
一歩だけ前に進んでは、左右の壁の存在を確認し、
それを方眼紙に書き込んでは、また一歩だけ進む。
シンプルすぎる程の壁と線描画だけのグラフィックと、
オートマッピング機能の無いシステムが生んだ独特の緊張感

そして、突如現れる異形のモンスターへの恐怖。

異様な緊張感の中で研ぎ澄まされた想像力が、
末弥純氏のモンスターたちをさらに魅力的な存在に変貌させました。

末弥純氏 と出会った ウィザードリィ。
ウィザードリィ と出会った 末弥純氏。
お互いの魅力を余す事無く惹き立て合う奇跡の関係が、
今なお根強いウィザードリィファンと末弥純ファンを生んだのかも知れません。
僕もその中の一人です。

そんな、ウィザードリィと末弥純氏をこよなく愛する方々に朗報です!
1993年にアスキーから発刊されて以来、10年以上もの間絶版とされていた
末弥純氏の幻の画集と呼ばれている『ウィザードリィ・ワークス』が、
4月下旬に新紀元社から、装いも新たにページ数も増大され復刊されるそうです。
ウィザードリィの地下迷宮のモンスターたちが、もうすぐ蘇ろうとしています!

   末弥純画集 ウィザードリィ

この『末弥純画集 ウィザードリィ』のカバー用イラストは、
新たに描き下ろされた作品になるそうで、今から非常に楽しみです。

玄―末弥純画集 198511‐199806 魄―末弥純画集 199010-200101 末弥純 グイン・サーガ画集 末弥純画集 烈妖月

◆関連リンク◆
  Wikipedia:末弥純
  シーラカンスの憂鬱:『末弥純画集 ウィザードリィ』
  不倒城: レトロゲーム万里を往く その44 〜Wizardry〜
  CURRY DIARY (・x・):【長文】Wizardly 狂王の試練場(FC)
  復刊ドットコム:『末弥純ウィザードリィ・ワークス』の投票者の復刊コメント

『BLOOD LINE -恐竜の図鑑-』

2005年10月11日 | 本・画集・図鑑
幼い頃の僕は、
『恐竜の図鑑』を眺めるのが大好きな少年でした。

   「一番好きな恐竜は何?」

そんな風に母や友達に尋ねられると、
きまって同じ恐竜の名前を答えていました。

数多くの『恐竜の図鑑』に、
必ずと言える程載っていたその恐竜の
巨体と威厳のある三本の角に魅了されていた僕。
図工の時間に作ったオルゴールの木の蓋に、
その恐竜の勇姿を彫刻刀で彫っていた僕の心は、
不思議な満足感に満ちていました。

   「一番好きな恐竜?
    もちろん、トリケラトプス (Triceratops)

血は争えないものです。
3歳の息子が、恐竜に魅了されつつあります。
つい最近買い与えた学研の『はっけんずかん きょうりゅう』
毎日毎日、目をキラキラと輝かせながら眺めては、
恐竜の名前を覚える事に、3歳の情熱を燃やしています。

   

   「一番好きな恐竜は何?」

僕が息子に尋ねると、
きまって同じ恐竜の名前をハイテンションで答える息子。

   「ちぃらのさうるすぅ

   
   ※この画像は、動くGIF素材集様よりお借りしています。

有名すぎる程の恐竜。
ティラノサウルス (Tyrannosaurus)とは、我が息子ながら何と単純
ちょうど一年前に観せた『のび太の恐竜』は、
今では息子のフェイバリット・アニメーションになった模様です。

はっけんずかん きょうりゅう
はっけんずかん きょうりゅう小畠 郁生 荒木 一成 山口 まさよし

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starsとっても見やすいです

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◆関連リンク◆
  恐竜のしっぽ
  ホントのところ。。。:眠くないので。。。
  シーラカンスの憂鬱:『のび太の恐竜』
  シーラカンスの憂鬱:『ウォーキング with ダイナソー 驚異の恐竜王国』
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