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シーラカンスの憂鬱

照る日もあれば、曇る日もあるんだし…

『奇妙な後頭部の恐竜』

2006年02月28日 | 絶滅動物
インターネットの大海原をゆらゆらと泳いでいたら、
恐竜が大好きな僕に打って付けの占いを見つけました。

   『恐竜占い』

   ジュラ紀のアイドル、恐竜に例えて占うよ!
   常に当たる上に、かわいいイラストも付いてます!
   『恐竜占い』の紹介文より引用。

添えられている恐竜のイラストが凄く可愛くて楽しい占いです。



僕の占い結果は、パラサウロロフスでした!

『パラサウロロフス』
   恐竜 - 鳥盤目 - 鳥脚亜目 - ハドロサウルス科 
   英名 / Parasaurolophus    
   学名 / Parasaurolophus walkeri
   生息年代 / 白亜紀後期(約7400万年前) 
   生息地域 / 北アメリカ、カナダ
   体長 / 10~13m
   体重 / 約4.5t
   食性 / 植物食

奇妙な後頭部の突起が最大の特徴のパラサウロロフス。
この突起は約1~2mもの長さがあり、頭骨の突起の内部は、
鼻腔から後頭部へと複雑に曲がりくねった骨の管が伸びていて、
突起の先端で折り返して頭骨内部に繋がっている構造なのだそうです。

トリケラトプス(Triceratops)の様な強靭な角を持つでもなく、
アンキロサウルス(Ankylosaurus)の様な強固な鎧を身に纏うでもなく、
パラサウロロフスが新化の過程で手に入れたのは、この突起の構造でした。
長い突起を通る管を持ち、鼻腔の表面積を拡大する事により発達した嗅覚。
突起内部の嗅覚細胞を最大限に活用して、外敵から逃れていたのでしょう。

また、この骨の管は鳴き声を大きく響かせる役目もあったそうです。
突起内部の構造をCTスキャンで分析した研究によると、
管の空洞が根元部は6本、先端部は2本に分かれていて、
管楽器トロンボーンやオーボエの様な音が出せる器官だったと言われています。
この特技は、仲間同士の会話や交流、求愛表現に重宝したのかも知れませんね。

奇妙な後頭部の突起は、
武器や鎧を持たないパラサウロロフスが生きる為に手入れた優しい器官
争いを好まぬ穏やかな性格の恐竜だったのではないかと僕は思います。
生物の新化の過程を覗いてみると、
僕たち"人間"が学ぶ事はまだまだ多いのではないでしょうか。

◆関連リンク◆
   A.E.G自然史博物館
   CG STAGE:パラサウロロフス
   恐竜のイメージ画像集:パラサウロロフスのギャラリー
   シーラカンスの憂鬱:『BLOOD LINE -恐竜の図鑑-』

『甲羅の恩恵』

2005年03月20日 | 絶滅動物
遥か太古の昔、地球上に繁栄した古代生物たち。
絶滅の歴史を辿るしか道が無かった過去の動物たち。
誰も見た事が無い様な
不思議な姿を描いた想像図や復元模型。
小学生の頃の僕の心を
驚愕の世界に導いてくれた図鑑の数々。

マンガ『ドラえもん』にも時々《絶滅動物》が登場しました。
故藤子・F・不二雄先生の深い想いが描かれた
恐竜や巨鳥モア・二ホンオオカミたち《絶滅動物》の
活き活きとした姿と物語に感動していた小学生の僕でした。

天変地異によって絶滅を余儀なくされた動物。
弱肉強食の自然界の掟によって自然淘汰された動物。
そして、
つらく悲しい歴史…。
絶滅と進化と繁栄の歴史の中で、
人間の手によって滅んでしまった動物。

外敵を攻撃する武器を持たずに、
身を守る事だけに専念する様にその姿を進化させた
草食性のこの動物も人間の狩りの餌食となりました。

『グリプトドン』
   哺乳類 - 貧歯目 - 異節亜目 - 被甲亜目 - グリプトドン科     
   学名 / Glyptodon
   生息年代 / 約160万年前~6000年前 
   生息地域 / 北アメリカ、南アメリカ
   体長 / 2~3.3m
   体高 / 1.3~1.5m
   体重 / 1.5~2t

現在のアルマジロの近縁種であるグリプトドン。
五角形の骨質の板が集まって形成された
ドーム状の硬く頑丈な甲羅に全身を覆われた姿は、
とてつもなく巨大な亀を連想してしまいます。
《フォルクスワーゲン程の巨大な亀》を
想い浮かべると解りやすいかも知れません。

頭頂部や尾の部分も甲板で保護されており、
外敵に襲われた時は、亀さながらに
手足や頭部を甲羅の中に収めて凌いだと言われています。

防御に関して、
これ程の重装備を身にまとっていたグリプトドン。
人間の狩りの標的にされたのも無理が無い事かも知れません。
彼らの大きくて頑丈な甲羅は、
小屋や倉庫などの家屋として、
また盾などの武具として広く利用されました。
その証拠となる化石がたくさん発見されています。

   「絶滅したグリプトドンたち。
    君たちの素晴らしい甲羅のおかげで、
    きっと、古代の人間たちの生活は助けられたはず…。」

甲羅の恩恵。
古代の人間たちの生活の一部を、
確実にグリプトドンが支えていたと思わずには居れません。


『悲しきベーリング海の人魚』

2005年01月10日 | 絶滅動物
アンデルセンの童話『人魚姫』に代表される
人魚にまつわる民話や伝説の数々。

この人魚のモデルとされる動物の存在を
ご存知の方もたくさんいらっしゃると思います。

水族館の人気者。
小さな頭にふくよかで艶やかな愛嬌たっぷりの体つき。
水棲哺乳類のジュゴンやマナティーがそうです。
一説によりますと、
前鰭で子供を抱きかかえて授乳をする様子が、
まるで人間の母子の様に見えるからだとか…。

ジュゴンやマナティーと同じ海牛類で、
約250年前に絶滅した幻のカイギュウがいました。

『ステラーカイギュウ』
   哺乳類 - 海牛目 - ジュゴン科     
   英名 / Steller's Sea Cow
   学名 / Hydrodamalis gigas
   体長 / 7.5~9m
   胴周り / 6~7m
   体重 / 5~12t

1741年、
ベーリング海峡に名を残したベーリングの探検に同行した
ドイツの医師で博物学者ゲオルグ・ヴィルヘルム・ステラーにより発見されました。

ステラーカイギュウは、
大人しい性格で動作も鈍重。
仲間が敵に襲われると救おうとする習性があったそうです。

瞼に浮かぶのは悲しい光景…。

銛を打ち込まれた傷付いた仲間をかばう為に
群り集まるステラーカイギュウたち。
その群れにも容赦の無い嵐の様なハンターの攻撃。
心優しい習性を逆手に取った人間の乱獲は、
1768年にステラーカイギュウが絶滅するまで続きました。

とても悲しい出来事です。

最初に発見されてから、
僅か27年という史上類を見ない短い期間で
絶滅に追い込まれたステラーカイギュウ。
悲しきベーリング海の人魚たち。
二度と繰り返してはならない悲劇…。

◆参考リンク◆
   戦え絶滅動物:ステラーカイギュウ
   巨大動物図鑑:ステラーカイギュウ
   THE ANIMALS:ステラーカイギュウ