ユーティリティータイプの選手(複数ポジション守れる選手)が多すぎる気がするマリナーズ。現状では2B、3B、OFをユーティリティータイプの選手たちでまかなうことになると考えられます。もちろん、これから補強が進んで、ユーティリティー選手は本来の仕事に戻ることを期待しますが、整理しておこうと思います。
まず今のマリナーズにいる複数ポジション守るタイプの選手を見ると、以下の選手があがると思います。
Dylan Moore(31歳・右投・右打)
Sam Haggerty(29歳・右投・両打)
Jose Caballero(27歳・右投・右打)
Josh Rojas(29歳・右投・左打)
Luis Urias(26歳・右投・右打)
Ryan Bliss(24歳・右投・右打)
※年齢は2024.4.1時点
AAAにいるBlissまで含めても右打の選手が多いです。
2022-23年の2年合計出場ポジションイニング数
Dylan Moore(1B:39.2、2B:172.2、3B:4.0、SS:231.0、LF:222.0、CF:72.0、RF:229.2)
どこでも守れるイメージでまさにユーティリティーという感じ。SSではマイナスが出てはいるものの、多く出場機会のある2B, LF, RFでは平均か少しだけプラスの守備成績が期待できます。
Sam Haggerty(1B:27.0、2B:61.0、LF:284.2、CF:37.0、RF:243.0)
主戦場はOFとなっていてわずかにプラスの守備成績が残っています。2Bでは出場が少ないのでなんともいえませんが大きなマイナスを出しているわけではなさそうです。
Jose Caballero(2B:467.0、3B:43.0、SS:132.1、LF:2.0)
1年だけのデータになりますが2Bとしては大きなプラス、SSとしてもプラスであり、今季マリナーズのユーティリティータイプの選手の中では一番守備でプラスを生み出しています。
Josh Rojas(P:2.0、2B:592.0、3B:1103.0、LF:3.0)
2Bではプラス、3Bでは少しマイナスの守備成績となっています。
Luis Urias(2B:559.0、3B:637.0、SS:736.1)
2Bと3Bでは年によってプラスとマイナスがあり平均程度といえそうです。SSしてはマイナス。
Ryan Bliss(2B:857.0、SS:1168.1)
MLBでの出場なし。
※MLBでの出場数です(Blissのみマイナーでの数字)。
打撃成績(MLB通算)
Dylan Moore
対右 .197/.301/.372、91wRC+、.175ISO、9.4BB%、33.6K%
対左 .224/.335/.416、113wRC+、.192ISO、11.9BB%、26.2K%
右打者のMooreは当然対左の方が成績が上がります。そしてパワー系の数値が一般的なユーティリティータイプの選手に比べて上になっているのが特徴です。打率は低いですが長打力があるのでwRC+は2年続けて100を超えています。
Sam Haggerty
対右 .211/.278/.276、61wRC+、.065ISO、7.1BB%、29.8K%
対左 .274/.369/.474、141wRC+、.200ISO、12.2BB%、20.0K%
Haggertyはスイッチヒッターですが御覧の通り対左(右打席)の方が数字は圧倒的に良くて、特に長打力は明らかな差があります。左投手相手にはぜひスタメンで使いたい選手という気がします。左打席は捨てて右投手相手にも右打席に立ってみたらどうかというレベルです。もう一つの特徴がスピードで今季マリナーズ内でのスプリントスピードランキングではJulioに次ぐ2位の29.2ft/sを記録しています。
Jose Caballero
対右 .186/.297/.287、71wRC+、.101ISO、9.0BB%、23.7K%
対左 .265/.395/.363、126wRC+、.098ISO、10.5BB%、23.4K%
Caballeroは今季左投手を打って四球も選べていますがパワーはほとんど見られません。ルーキーで26盗塁というのも話題になったようにスピードはかなりありHaggertyとほぼ同じスプリントスピード29.0ft/sでした。
Josh Rojas
対右 .253/.326/.375、93wRC+、.122ISO、9.9BB%、21.0K%
対左 .256/.336/.353、93wRC+、.098ISO、10.4BB%、28.3K%
唯一の左打者Rojasは左右で差がほとんどないタイプであることがわかります。パワーもあまりありません。マリナーズ移籍後はやや積極的になって四球は少し減り打率は.272まで上がりました。8月以降マリナーズでのOPSは.721でした。
Luis Urias(26歳・右投・右打)
対右 .219/.326/.365、93wRC+、.145ISO、11.3BB%、21.6K%
対左 .276/.353/.442、118wRC+、.166ISO、8.2BB%、21.4K%
Uriasはこのメンバーの中ではMooreと同じかそれ以上の打撃成績を残していると思います。スピードはあまりありませんが年齢を考えてもポテンシャルからも現時点では彼が3Bのレギュラー候補というのは正しい選択だと思いますし、もし3Bを補強した場合は2Bのレギュラー候補一番手にあがってくるはずです。
Ryan Bliss
対右 .318/.398/.552、.234ISO、10.2BB%、18.9K%
対左 .250/.298/.422、.172ISO、6.4BB%、21.8K%
Blissの数字は2023年のマイナー成績になります。右打者のBlissはドラフト直後の2021年は対左投手の方が成績が良かったけどここ2年フルシーズン対戦していく中では右投手の方を打っています。特に今季はその特徴が顕著で上記のような成績差がありました。これが今後も続いていくようであれば現在のマリナーズ内では貴重な右投手に強い内野手という事になっていくのかもしれません。三振が多いわけでもないのでMLBでも活躍してほしいと思っています。2024シーズンどこかの時点でマリナーズで彼を見ることが出来るでしょう。
オフの間にどんな動きがあって、役割に変更があるのかはわかりませんので単純に比べてみたいと思います。
まず守備で大きなアドバンテージを持っているのがCaballeroになります。なんといってもSSをプラスの守備力で守れるのが大きく、他の選手にはない特徴という事になります。MLBデビューが目前と思われるBlissがどのくらいSS守れるのかというのはありますけど現状ではCrawfordが長期欠場する場面が出てくるのならばCaballeroの存在価値は非常に大きいと思わせらえることになるでしょう。もちろんCrawfordに休養を与えるために1試合スタメンから外すといった場合であればCaballeroでなくてもMooreなどSSの経験がある選手を起用してどうにかできると思います。
他のポジションを考えると2B、3Bを平均レベルで守れる選手は多いので大きな差にはなってこないと思いますがOFも含めて多くのポジションを守れ、SS以外ではどこを守っても守備力は平均程度あるMooreは有用だと思います。いちおうSSも出来ますしね。
この2人が守備面ではアドバンテージがある選手になると思います。
攻撃面に関しては右打者が多いので仕方ありませんが左投手に強い選手は多いですね。
逆に右投手を打ってる選手がマイナーのBlissしかいません。これだけ候補者がいて右投手を打てる選手がいないのはかなりつらいです。プロ野球を見ていると左打者が多く右打者を探すチームもあるくらいですが、MLBでは右打者が多いです。右利きの選手が多いんですから自然なことです。ということで投手は右打者の多いMLBでは右投手が有利であり、逆に打者から見ると左打者が貴重で右投手と多く対戦できるので有利なはずです。
なのに唯一の左打者であるRojasは左右関係なく同じくらいの成績を残すタイプのようですし、スイッチヒッターのHaggertyは右投手を打てません。。。
右打者の中で特徴があるのがMooreのパワーかと思います。Uriasも平均程度のパワーがあり対左には.276とこのメンバーの中では一番良い打率が残っています。
スピードがあり盗塁も出来るのがHaggertyとCaballeroです。Mooreも5シーズンで72盗塁と平均以上のスピードはあります。Rojasはスピードが落ちていて今季のスプリントスピードは27ft/sを切って平均を下回る数値です。Uriasはまだ26歳ですが年々落ちて今季は26ft/sと平均を大きく下回っています。
いかがだってでしょうか。
もちろん私の一押しはMooreであって、彼がいる間に勝ちたいという私の気持ちに何も変わりはありません。しっかり足りないところを補強して90勝以上、ワールドシリーズを目指せるチームになって欲しいものです。
トレードがなければ数年後には期待のプロスペクトたちが続々と昇格してくることになるはずと期待していますが、今オフは2Bや3Bの補強があるのか、補強した場合この中の何人が開幕ロスターに残るのか。おもしろい争いが起こるかもしれませんね。
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