今オフにBoras Corp.からExcel Sports Managementにエージェントを変更したCal Raleigh。
Borasと言えばFAで大型契約を狙う代理人として有名なのでFA前の長期契約は難しいと思っていたファンも多いはず。そんな中での突然の報道で、これは長期契約来るかと思いましたが今のところ発表はありません。ファン心理としては早く延長しておくべきという気持ちはわかるし安心したいところですがFAまで3シーズンあるのも事実で急ぐ必要もないのかもしれません。
今回は今オフ~開幕直後に契約延長をした場合、どんな契約になるのだろうということで具体的に考えてみました。
まずRaleighの実績をあらためて見てみます。
プラチナグラブ(2024)、ゴールドグラブ(2024)、MVP投票18位(2023)、MVP投票12位(2024)
過去3年(2022~2024)の合計成績は417試合、13.9fWAR、118OPS+、.222/.303/.457。
年齢とサービスタイム、年俸は
1996年11月26日生まれの28歳でサービスタイムは3.085。FAまで残り3シーズンとなっています。
初めて調停権を得た2025年俸は$5.6Mとなりました。
長期契約の前段階としてこれからの調停期間3年の年俸を予想してみます(2025年は上記の通り$5.6Mに決まっています)。
1年目の調停権で$5M前後だった選手が4年、5年超えたときどんな年俸になっているか確認してみようと思いましたが野手で安定した活躍する選手は1年ずつ契約というのがかなり少ないですね。2,3年の短期も含めた複数年契約をしているか、なかなか好結果が続かないという事です。一応数名あげておくと、
Ty France (2023:$4.1M、2024:$6.775M)
Randy Arozarena (2023:$4.15M、2024:$8.1M、2025:$11.3M)
Arozarenaはスーパー2なので4回の調停がありますが、参考まで。
もちろん成績によって年俸が変動するので2人の選手を出しましたが参考にならないのも事実。仮にこれまでと同じような成績を残せば年$4~5Mずつ上がるのではと予想されるという事だと思います。ちなみに過去2年およそ$4.3Mずつ上がっているのが現在FAとなっているAnthony Santanderです。$4.3Mずつ上がった2年間のOPS+は120程度であり、Raleighとほぼ同じ数値です。fWARではこの期間の2年は2.3、2.6となっていて、ポジションの関係もありRaleighよりもかなり低いですね。ということでプラチナグラブのRaleighは守備面での評価もプラスにはなるはずです。2024年は628打席で全選手中58位、捕手では4位となっています。捕手での先発出場試合数は125試合、出場イニング数1122.0でどちらも全捕手中1位です。
ということで調停の3年は2025年の確定年俸が$5.6M。2026、2027年はそれぞれ$10M、$14.5Mと予想します。
ここで、最近の捕手の契約を振り返ってみます。
J.T.Realmuto
2020年短縮シーズン後FAとなり、PHIに戻るかたちで5年$115.5M(30~34歳のシーズン)で契約。単純に5で割って1年あたり$23.1Mは捕手史上最高額です。
短縮シーズンを含むFA前3シーズンの合計成績は317試合、12.5fWAR、118OPS+、.274/.336/.489。
契約延長までの実績は、オールスター2回(2018、2019)、ゴールドグラブ賞1回(2019)、シルバースラッガー賞2回(2018、2019)、MVP投票14位(2019)。
Willson Contreras
2022年シーズン後CHCからFAとなり、STLと5年$87.5M(31~35歳のシーズン)+球団オプション1年で契約。単純に5で割って1年あたり$17.5M
短縮シーズンを含むFA前3シーズンの合計成績は298試合、7.9fWAR、115OPS+、.241/.346/.444。
契約延長までの実績は、オールスター2回(2018、2019、2022)。
Will Smith+
2023年シーズン終了後、サービスタイム4年超(調停2回目で$8.55Mに決まっていたところ)10年$140M(29~38歳のシーズン)で契約延長。なお契約金が$30M、各年後払い$5Mが含まれ、1年あたりでは$12.24M程度の計算となるようです。
FA前3シーズンの合計成績は393試合、12.8fWAR、122OPS+、.260/.355/.465。
契約延長までの実績は、オールスター1回(2023)。
契約総額では天才打者Joe Mauerの8年$184M、SFの編成トップとなったBuster Poseyの9年$167Mなどがありますがさすがにそこまでいくことはありえませんね(まだRaleighはFAまで3年もありますので)。両契約とも10年以上前のものになりますからそろそろこの2人を超える契約が出てきてもいい頃だと思いますけど、まだ数年は出てこないかなというところです。少しずつ若手が出てきているので活躍を続けてFAまでいけるかどうか。William ContrerasやAdley RutschmanあたりがFAになれば1年あたりの最高額は更新が期待されますし、総額でも超える可能性はあると思います。
もし、Raleighが今オフ~2025開幕直後に契約延長するならということでいけば5~7年契約になると思います。7年はリスク高いかなというところで6年でしょうか。FA前の調停3年+FA後の3年の6年(28~33歳のシーズン)となります。パターンとしてはFA前の契約延長なので上にあげた3選手のうちでSmithのパターンが一番近いわけですけど、10年という特殊な契約は1年あたりが安い契約であり、後払いもあったりするので比較が難しいところです。
上で予想した調停3年間の年俸は
2024: $5.6M、2026: $10M、2027: $14.5Mでした。
その後のFA後年俸はRealmutoを参考にほぼ同額の$23M×3年で計算すると6年総額$99.1Mとなります。
あくまでも過去数年のRaleighの成績と過去の契約例から考えてこのくらいなのではという予想金額です。Raleighの守備力とパワーをさらに評価して、年齢を考えてまだ伸びるとするならば$100Mを超えてくると思いますし、逆にFA前に長期契約でまとまった金額を保障される安心感+ホームディスカウントという考え方でいけば$90Mを下回る可能性もあると思います。過去データと個人的な予想を合わせて最終的な予想としては6年90~95M程度になるのではと思います。例えば以下のようなかたちです。
6年$93M(2025: $5M、2026: $10M、2027: $15M、2028: $21M、2029: $21M、2030: $21M)
貢献者にはもっと大きな金額をあげたい気がしますけど、FA前の契約という事でこのくらいを予想します。