猫のCOCOとヒゲじいさんのなっからさくい生活

なっからさくいは「めっちゃ気軽な」って感じ、ちっとんばいデブなシャム系猫といい歳こいたじいさんの自楽な生活記録です

ユキ子さんの父さん、定方英作が、2月18日に98歳の人生の幕を閉じました…

2024-03-02 07:18:23 | なっからさくい生活

    木の葉髪 くぐりぬけきし 修羅いくつ 

ユキ子さんの両親の家のさほど広くない庭に小さな句碑があります。作句はユキ子さんの父さんの定方英作、書は母さんの玲子です。特になんかの記念ということでもなく、二人で建立したんです。

 句碑の脇にはスイセンの花が咲いていました。ユキ子さんの両親が暮らす家はわが家と広瀬川を挟んで南、歩いても5分ほどの所です。2月18日の朝でした。義母から「お父さんが起きてくれない…」との電話で、ユキ子さんとともに駆け付けたんです。

 

 義父はベットに静かに寝ていました。救急車を手配して、救急隊が来るまでの間、私が心臓マッサージを続けていました。98歳の義父はパソコンが使える人でした。ひ孫とテレビ電話もしていました。

 到着した救急隊員が計測装置を使って義父の状態を調べて、小さな声で「死亡確認」と他の隊員に伝えるのが聴こえました。パソコンのおいてあるデスクの脇の壁には義父が描いたアジサイの絵がかけられていました。

 義父のかかりつけ医の生方医師も駆けつけてくれました。検視結果は、未明から朝にかけて、寝ている間に亡くなられたという見立てでした。お顔にも、身体にも、苦しんだ跡は一つもありませんでした。優しい顔で、ただ寝ておられていました。書棚には、ひ孫が描いた絵が飾られていました。

 

 翌日訪ねると、金曜俳句会の「十周年記念作品集 俳句とエッセイ」が届いていました。昨年の晩秋に義父も原稿を書き送っていたようです。俳句は、義父の晩年の何よりもの楽しみでした。

     
「帰る雁」という名付けた義父の投稿には、80句の作品がありました。その最後の句は

      枯れつくすことも人生悟らねば

という作品でした。そして、1926年(大正15年)生まれの義父は、福島高等商業学校に在籍中に学徒動員で兵役についていました。

      還らざる兵のたましひ虎落笛

虎落笛(もがりぶえ)は、柵や竹垣に冬の烈風が吹き当たって発する笛のような音です。風の日には、若き日に思いを馳せていたのかもしれません。

     
エッセイは「趣味を持とう」という表題でした。98歳を迎えるまで豊かに暮らすことを追い求めてきた義父でした。

 

     
2月8日は98歳の誕生日でした。「鮨いわまる」で握ってもらった寿司をおいしく食べてもらうことができました。昨年末には食事が少し細くなっていたのですが、正月明けからしっかり召し上がれるようになってきていました。

     
この3年ほど、夕食のおかずをお届けしてきました。3月17日の夕食には、マグロ、アジ、オオミゾガイ、ヤリイカの刺身の盛り合わせをお届けしました。写真が一人前、残さず召し上がっていただけました。

 

     
夜来の雨があがった昨日、NiiSへトレーニングへ行くときに見た赤城山です。

    山茶花や 赤城峰過ぎる 雲速し

義父の句です。50年近く一緒させてもらいました。感謝しています。私が何をしでかしても一言も何も言われませんでした。迷惑もかけてきました。ただ、ただ、感謝しかありません。

     
喪主を勤めた長男・伸行さんの意向で、家族だけでお見送りし、しばらくは他言無用ということで過ごして来ました。そんなことで、作り話や訳の分からぬことを申し上げた向きには、心からお詫び申しあけます。ブログもCOCO任せにしてまいりましたが、COCOを褒めてやってください。

今日からは従来のスタイルで書き続けたいと存じます。まずは雛ずし作りからです。

 <COCOです。2月19日から29日までお付き合いいただき感謝です。この12日間のCOCO中心の方が面白いよ、ヒゲじいさんよかCOCOの方がいいよとお思いの方は、どんどこコメント入れてくださいな。やりたくないから引っ込むわけじゃなくて、ヒゲに引っ込まされちまっただけ、みなさんのお力添えを待ってるんだいね>

 

 ヒゲじいさんの連れ合いの三代目若柳吉駒でございます。
1937年(昭和12年)に祖母の初代吉駒が始め、伯母の二代目吉駒が受け継いでまいりました直派若柳流美登利会、毎年春に公演会を開催しまいりまして本年4月の公演で79回目を迎えることができました。また、来春4月7日には第80回美登利会公演を予定しております。会員一同これからも精進を重ねてまいりますので、宜しくお願い申し上げます。

《最近の美登利会と吉駒リサイタルの舞台をご覧になりたい方は…》
第79回美登利会と第4回三代目吉駒リサイタルはこちらでご覧ください
第78回美登利会と第3回三代目吉駒リサイタルはこちらでご覧下さい
第77回美登利会と第2回三代目吉駒リサイタルはこちらでご覧下さい
第76回美登利会と三代目吉駒襲名リサイタルはこちらでご覧下さい
お稽古場は前橋市城東町、詳しくはこちらをご覧下さい


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2 コメント

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Unknown (シム)
2024-03-04 08:42:38
謹んでお悔やみ申し上げます。お誕生日のお写真とても良い写真ですね。すぐ近くにご家族が住まわれて、穏やかな最後とのことで、とてもお幸せなことだったのかと思われます。ご本人もお身体大切になさってください。
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義父のこと (ヒゲクマ)
2024-03-04 21:20:03
シムさん
ありがとうございます。何せ98歳ですから「天寿を全うした」部類に入るのだと思いますけど、本人は「もっと人生楽しむぞ!」みたいな先々への思いがあったみたいです。
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