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クチヒゲノムラガニの生態

退職し晴耕雨読的研究生活に入った元水族館屋の雑感ブログ

京都大学防災研究所流域災害研究センター流域圏観測研究領域白浜海象観測所

2018-04-11 | 雑感
 ある生物の動態調べのために和歌山県田辺湾の長期水温データが必要となり、京都大学防災研究所流域災害研究センター流域圏観測研究領域白浜海象観測所を訪れた。あくまでも厳密さにこだわり簡潔さを良しとしない長い名称が付けられているが、要は白浜海象観測所である。とれとれ市場の上の高台に位置し、建物は新しくて比較的大きい。来訪日は二人のみが駐在し(たぶん)、部外者の出入りはきちんと管理され、職員は外部との接触も少なく孤独にデータの収集・管理を営まれていた。そんな厳かな職場におじゃまし、たいへん親切に対応いただいた。本当にありがたかったので、ほとんどの国民に知られていないこの施設を紹介したい。

 

 京都大学防災研究所は白浜海象観測所の他に潮岬風力実験所、宇治川オープンラボラトリー、それに穂高砂防観測所を備える。白浜海象観測所は田辺湾の湾口中央に田辺中島高潮観測塔という大きな構造物を設置し、海中ならびに海上の様々な気象情報を長期にわたり観測している。これらの観測データはリアルタイムで提供されているのでぜひホームページ(http://rcfcd.dpri.kyoto-u.ac.jp/frs/shirahama/tower_data.html)を訪れてみて欲しい。



 海洋生物の分布は水温に大きな制限を受けており、生物の長期変動を捉えるためには定期的に観測された水温データと併せた解析が不可欠となる。しかしながら、長期にわたり観測された地域データは少なく、田辺湾のデータはたいへん貴重なものである。これからも観測が末永く継続し、そのデータが活用されることを願う。


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