早々に種明かししますけど
「あの店」ってのは、川端道喜、です。
試みの餅、で見事に振られたお店です。
聚光院(大徳寺)からそれほど遠くないようだったので
これはぜひ何か買って帰らねば、と前日に電話をかけました。
「明日はゆき餅があります」とのことで、それを3つ。
そう、こちらからお菓子を指定することはできません。
その日作っておられるものを譲っていただくのです。
って皮肉ぽく言ってますが、そういうの大好きです。
予約の時間は13:00、としました。
12:30ごろ大徳寺を出発。
道なりに北上して、北山通りを東へ。
時間的には余裕があり過ぎるぐらい。
でも、これまでのことがあるので、油断はできません。
案の定、迷走いたしました。詳細は割愛。
で、またもや汗だくになりつつ到着したのが12:55。
あまりのタイミングのよさに、ちょっとゾワっとしまして
これはきっと、利休さまが導いてくださったのだと思いました(?)。
さて、川端道喜ですが
店構えは、老舗の和菓子店、とは言い難く。
アルミサッシの引戸の向こうに暖簾がかかっているので、ようやくここだと認識できるほどです。
建付けが悪いのか、重すぎる引戸を開けて中に入ると、そこには
―田舎のバスの待合室―
みたいな空間があって、その向こうにもうひとつ引戸があり、どうも作業場らしい。
恐る恐るのぞくと、おば・・・じゃなくて女性が3人
楽しそうに仕事をされていました。
「13:00に予約した者です」って声を掛けると
キレイに包まれたゆき餅が出てきました。
ラベルが手書き!
このお店
店構えやらの見てくれは悪いし、様々メンドクサイけど
中で仕事をされている方たちの雰囲気がすごく良くて
いわゆる「良い気」が流れていて(またそんなこと言って、って言われそう)
ほんのり幸せな気分に。ぜひまた来よう、と思いました。
お店の入り口には、こんな貼り紙。
さあ、一目散に出町柳へ。
途中、良さげなカフェや、行列の出来てるみたらしやさんやらを横目に
ひたすら帰路を急ぎました。
自転車を返却して、京阪の駅に着くと
ちょうど13:30発淀屋橋行きの特急が発車するところ。すかさず飛び乗り
早くゆき餅が食べたい一心で、電車の中でも走りました。
はい、そんなゆき餅のお姿です。
ちっちゃ。しかもなんの変哲もない。と思いきや
一口食べて、お、おいしい・・・とココロを打ち抜かれました。
中はこし餡です。
単に上品な、ってわけではなく
とても小豆の香りがします。甘すぎず、うす甘くもない、よい塩梅の甘味。
これは一年に一回ぐらいは食べたいわあ。
うちの母は
「あと2,3個いけちゃう。また買ってきて。」と、のたまいましたが
それは聞こえないふり。