遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

琉球漆器山水楼閣人物図箔絵丸盆(5枚)

2023年02月09日 | 漆器・木製品

今回も古箱に入った品です。

 

出てきたのは、琉球漆器の丸盆5枚です。

 

径 24.6㎝、高 2.5㎝。江戸時代後期。

豚血下地とよばれる朱色の地に、箔絵で太湖石、楼閣と人物、山などが描かれています。

この図柄は、以前に紹介した琉球漆器角盆とよく似ています。

また、縁が籐編みで作られ、裏底が黒漆塗りなのも同じです。

徳川美術館の図録に、今回の品とよく似た琉球漆器が載っていました。

『徳川美術館名品集2 唐物漆器』(平成9年)

琉球漆器類が、唐物漆器の図録の最後に載っています。その多くは、琉球王朝から幕府への献上品です。徳川家では、琉球漆器が、唐物に準ずる品として珍重されていたことが伺えます。

今回の品が入っていた箱にも、「唐盆五枚」と書かれています。江戸時代、日本では唐物への憧れが強く、この琉球漆器は唐物として扱われていたのだと思います。伊万里焼の初期色絵磁器に、「南京」の箱書きが見られる事があるのに似ていますね。

 


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
遅生さんへ (Dr.K)
2023-02-09 09:45:34
以前に紹介された琉球漆器角盆や『徳川美術館名品集2 唐物漆器』に掲載されている盆とほとんど同じですね。
当時の高級品だったのでしょうね。
上手の典型的な琉球漆器でもあったわけですね。
江戸時代であったら、このような物は、一般庶民は見ることもなかったわけですよね。陶磁器だったら、鍋島と同じですね。
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Dr.kさんへ (遅生)
2023-02-09 10:35:52
おそらくこの図柄が当時の絵手本か何かに載っていたのでしょうね。太湖石を描いた皿は時々見かけます。古染付でも伊万里でもいいですから、楼閣山水まで描いた大皿を見つけ出したいですね。
どの程度の階級までこういった品が行く渡っていたのか、興味がありますね。琉球漆器自体は相当数日本に入っていたようですから、案外、そこそこの家なら琉球唐物を備えていたのかもしれません。
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Unknown (1948219suisen)
2023-02-10 09:46:11
新しい頃は、ずいぶん華やかなお盆だったのでしょうね。旧くなっても、それなりの華やかさはありますが、新しい頃に見せていただきたかったと思わせる豪華さですね。当時の日本人には異国情緒豊かな逸品だったのでしょうね。
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1948219suisenさんへ (遅生)
2023-02-10 10:06:19
この品は、5枚とも、全く使われた形跡がありません。ずいぶん大切にされてきたのでしょう。というより、当時、こういう品を持っのがステータスだったのだと思います。琉球漆器は代替品ではありますが、唐物信仰ですね。
金は剥げやすいですが、光具合は年月を経てもあまり変わりません。ですから、昔人も、今の私たちと同じような感じでながめていたのではないでしょうか。
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Unknown (1948219suisen)
2023-02-10 13:20:17
>金は剥げやすいですが、光具合は年月を経てもあまり変わりません。ですから、昔人も、今の私たちと同じような感じでながめていたのではないでしょうか。

あ、そうでございましたか!

勝手に年代物のimageを膨らませて失礼いたしました。

それにしても素晴らしい宝物をたくさんお持ちでございますね。

これからも楽しまさせてくださいませ。
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おはようございます (siawasekun)
2023-02-11 01:31:36
素敵なショットと解説から様子、雰囲気などが伝わってきました。

ご紹介、ありがとうございました。

お互いに尊重し合い、認め合うブログ交流、いいものですね。
応援ポチ(全)。
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