今回の品は、私には初めて見るタイプの器です。
胴径 16.6㎝、高 14.2㎝。重 770g。大正時代。
上に把手がついた中型の陶器です。
外側は無釉で、底以外は、焼締陶のように茶色くなっています。
これは一体何??
パカっと二つに分かれます。
下側の器にはスリットが入っています。内部はがらんどうで、土玉が入っています。振るとカラカラ鳴ります。
これは、土鈴ですね。
土鈴といえば、これ。
この土鈴は、美江寺土鈴とよばれているもので、かつて、岐阜、美江寺の境内で売られていた品です。
街を興すため、斎藤道三が故玩館の美江寺宿から現在の地に移した乾漆十一面観音立像。岐阜市の始まりを象徴する美江寺観音です。その美江寺の名物になっていたのが、美江寺土鈴です。
正体不明の焼物は、美江寺土鈴を模した金華山焼だったのですね。
下部側面には「金華山」の銘があります。
では、二つに分かれるのは何のため?
もう少し内側を見てみると・・・・
上の蓋も、
下の器も、
綺麗に釉薬が掛かっています。
これは、食べ物を入れる器、おそらく菓子器でしょう。
ならば、お客さんに、さりげなく・・・「どうぞ」
把手の紐をもって器を持ち上げようとすると、
フワッと蓋がとれて・・・
アッと驚く客人!(^.^)
ビックリ、餅(^^;