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遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

高麗青磁茶碗(発掘品)

2021年08月04日 | 古陶磁ー高麗・李朝

高麗青磁の茶碗です。

発掘品です。

非常に薄造りで、軽い品です。

径 17.2㎝、高台径 5.8㎝、高 6.6㎝。重 232g。高麗時代。

 

全体に肌がカセています。

 

大きな釉剥がれがあります。日本ではお目にかかれないような土が見えています。景色といえなくもない(^^;

 

あちこちに、表面が不自然な所があります。上の写真では、丁度6時の所がざらついています。すわ、巧妙な直しか!?

爪で根気に擦っていると、少しずつ削れてくるではありませんか。その下は、カセたなりにも釉薬が。どうやら、発掘時の土錆がまだ残っているようです。

 

重ね焼きの跡もダイナミックです。

肌はあれていても、細かいジカンはそれなりに美しい。

育て甲斐のある茶碗とみました(^.^)

これから毎日お茶をたてれば一年後には・・・・・・・それまで、根気がもつかどうか(^^;

それにしても、朝鮮陶工の轆轤の技は凄いですね。

茶碗とはいえ、元々は雑器。こんな物を、人々が日用に使っていたとは驚きです。さらに、この華奢な器が土の中から無事な姿で日の目をみたのも驚きです(^^;

やはり、育ててやらねば(^.^)

 

 

 

 

 

 

 

 


高麗青磁連弁紋刻筒碗

2021年08月03日 | 古陶磁ー高麗・李朝

高麗青磁の筒碗です。

口径6.8㎝、胴径7.2㎝、高台径5.4㎝。高麗時代(?)

この品も、相当昔、先回の白磁台皿と同じく、骨董屋の顔つなぎに入手した物です(^^;

今出来の品でないことは確かですが、正確な時代は不明です。

透明感のあるモスグリーンの青磁です。写真では見ずらいですが、全面にジカンがあります。

底には、ガッチリとした目跡が3個。以前紹介した高麗青磁油壷と非常によく似ています。石目跡といわれる目跡です。これ位の大きさの器には、3個が定番です。ただ、油壷より、今回の筒碗の胎土は鉄分が多く、青磁釉の薄いエッジ部には、胎土が透けて見えます。大げさに言えば、紫口鉄足(底は全面施釉で、畳付は見えません)(^.^)

今回はじめて気が付いたのですが(^^; 側面は細かい面取りになっています。20枚の面にまたがって、10枚の連弁紋が刻み出されています。

連弁紋の中央には、蔓草のような模様が陰刻されています。

口も少しだけ絞られていて、なかなか芸が細かい。

手に馴染む形と大きさなので、私専用の湯飲み茶碗にしました。

半年ほど使用しました。が、元の普段使いの湯飲みにカムバック。

少々、重かった(^^;

 


李朝白磁台皿

2021年08月02日 | 古陶磁ー高麗・李朝

しばらく、木や紙物の紹介が続いたので、土物、特に、李朝・高麗の陶磁器を紹介していきます。

言い訳になりますが、この分野の時代の見極めは非常に難しく、私の能力を越えています。この点に関しては、私的な参考意見としてご理解ください(^^;

李朝の白磁台鉢、5個です。

微妙に、形と大きさが違います。

皿上部には、焼成時、重ね焼きでくっつきを防ぐために撒かれた砂が丸く残っています。

 

径 12.4-14.0 ㎝、底径 7.2-9.2 ㎝、高 5.5-6.6㎝。李朝後期。

 

がっしりとした造りで重いです。

磁器というより、陶器と言った方が良いでしょう。

ぬめっとした肌触りの粘土質の感じは、東南アジアの日用雑器に似ています。

 

撒かれた砂が、結構手のひらに当たるので、グラインダーで磨って、少し滑らかにしました(^^;

 

安定感は抜群。いくらでも積めそうです(^.^)

精白された素地に「祭」などの文字が書かれている台皿は、お値段が一桁違います。いきおい、贋物も多い。その点、今回の品なら大丈夫。李朝後期の雑器で間違いはないでしょう。

人々は、この台皿に食べ物を満載して、先祖に供えたとか。

せっかくですから、ありあわせの物を載せてみました。

台皿には、普段、それらしいことに無縁の人間を、少しだけ、殊勝な心持へと誘う不思議な力がありますね(^.^)