つれづれな日々のつぶやき♪

ドラマや映画、展覧会や写真展の感想をぽつぽつと
日々の暮らしの中でふと感じたことなども

『あの日、欲望の大地で』

2012-04-02 | 映画/DVD

ザ・シネマHDチャンネルで放映された、『あの日、欲望の大地で』を観ました。

2008年作品
<監督>
監督 ギジェルモ・アリアガ 
脚本 ギジェルモ・アリアガ

<出演>
シャーリーズ・セロン (Sylvia)
キム・ベイシンガー (Gina)
ジェニファー・ローレンス (Mariana)
ホセ・マリア・ヤスピク (Carlos)
ジョアキム・デ・アルメイダ (Nick)
テッサ・イア (Maria)
ディエゴ・J・トレス (Cristobal)
J.D. パルド (Young Santiago)
ダニー・ピノ (Santiago)
ジョン・コーベット (John)
ブレット・カレン (Robert)
グレイ・ユーバンクス (Lawrence)
ラファエル・エルナンデス (Doctor Armendariz)
ショーン・マッグラス (Scott)
TJ・プランケット (Pat)

<あらすじ>
シルヴィア(シャーリーズ・セロン)は、ポートランドの海辺に建つ高級レストランのマネージャーとして働いている。だが、ひとたび職場を離れると、行きずりの男と安易に関係を持ち、自傷行為に走るような生活をしている。
そんな彼女の前に、カルロス(ホセ・マリア・ヤスピク)と名乗るメキシコ人男性が現れる。彼の傍らに立つ少女マリア(テッサ・イア)の姿に動揺し、思わず逃げ出すシルヴィア。
彼女の胸には、故郷の砂漠の中で燃え上がるトレーラーハウスの幻影が浮かび上がる‥
シルヴィアがマリアーナと呼ばれていた10代の頃、彼女の一家はニューメキシコ州の国境の町で暮らしていた。
病気を克服したばかりの母親ジーナ(キム・ベイシンガー)に代わって、父親ロバート(ブレット・カレン)と3人の幼い兄弟の面倒を見るのは、マリアーナ(ジェニファー・ローレンス)の役目だった。
そんな中、ジーナは隣町に住むメキシコ人のニック(ヨアキム・デ・アルメイダ)と情事を重ねていた。お互いに家庭を持つ二人は、中間地点のトレーラーハウスを忍び逢いの場所に選び、貪るように愛を交わすが、その情事は唐突に終わりを告げる。
二人が密会中にトレーラーハウスが炎上、二人は帰らぬ人となった。母の事故死は、多感なマリアーナの心に大きな傷跡を残したが、それはニックの息子・サンティアゴ(J・D・パルド)にとっても同様だった。
やがて、両親を真似るように密会を重ねるようになった二人は、本気で恋に落ちていく。
しかし、それは決して周囲に受け入れられない禁断の恋だった。その交際は互いの家族に知られ、激しく糾弾され、マリアーナは「一緒に逃げて」とサンティアゴを誘うのだった。
それから12年の時が経ち‥シルヴィアは、マリアーナの名前と共に、生後間もなく置き去りにした娘と過去と向き合うべき時が来たことを悟る。
母の過ちと、それ以上に重い自分自身の秘密。二重の十字架を背負った彼女の魂に、希望の光は訪れるのだろうか‥・


切なくやるせなく‥でも絶望的でもない、不思議な余韻の残る作品でした。
シルヴィア(マリアーナ)の母親ジーナの情事は不倫なわけで、どう理由をつけようとも間違っていること。
それでも‥乳癌で女性として、大切な体の一部である乳房を失ったジーナの気持ちがやるせなく辛いですね。。
夫とのセックスレス、思春期に入った子供たち、そんなさまざまな彼女を取り巻く環境の中で、自分を一人の「女」として見てくれる男性にどうしようもなく惹かれていくのは、いい悪いではなく、どうしようもなかったことなのかもしれません。
キム・ベイシンガーの熱演に胸を打たれました。

そんな母の情事を見てしまい、少し脅かすつもりでトレーラーハウスのガス管に細工をしてしまった、娘のマリアーナ。
思春期真っ只中の10代の女の子には、さぞかし衝撃的なことだったでしょう。。
でも、あの細工はいけない‥よく考えれば、大惨事に繋がることくらいわかりそうなものだから。意識していない確信犯というところでしょうか‥?
導火線に火が走るのを見ながら、「にかっ」と笑う彼女は本当に怖かったです。。
やがて、シルヴィアと名を変えてメキシコで生活し始めても、心の中は穏やかではなかったのでしょう。平然としていられるほど悪人でもサイコなわけでもない彼女は、生まれたばかりの娘に自分を投影してしまうのですね。。
あの恐ろしいことをした自分に似てしまったらどうしよう‥?と。そして、夫と娘を捨てて逃げてしまうのです。
悲しくやるせない気持ちになるシーンでした。

故郷に残されたふたつの家族たちは、あれからどうしていたのでしょう‥?
これからシルヴィアと娘は本当の親子になっていけるのでしょうか‥?
ひとつの情事からふたつの家庭が崩壊し、その次の世代へと連鎖していくさまは、悲しくも怖いとしみじ思いました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする