まちづくりはFeel-Do Work!考えるより感じよう、みずから動き、汗をかこう!(旧“まちづくり”便利帳)

まちづくりの支援者から当事者へ。立ち位置の変化に応じて、実践で培った学びの記録。もう一人の自分へのメッセージ。

活用歓迎! 地域コミュニティ再生(案)

2005-08-03 00:00:00 | Personal Views
8月2日、内閣府の「平成17年度市民活動団体等支援総合事業」の第一次実施事業が公表された。この事業は、地域再生本部(首相官邸)の地域再生計画「地域再生推進のためのプログラム2005(最長5年、省庁横断的な地域再生計画を認める画期的な支援プログラム)」の一部だ。

「地域再生推進のためのプログラム2005」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiikisaisei/dai6/6siryou.html
「平成17年度市民活動団体等支援総合事業」
http://www.npo-homepage.go.jp/shiensougou/20050802shien_gaiyou.html

さすがに上記の実施事業概要だけでは、それぞれが意図する活動の素晴らしさを測り知ることができなかったが、個人的には物足りなさを感じてしまった。
第2次募集が8月17日まで受け付けているので、ここぞと思う方は地元自治体や地域の仲間と相談の上、提出して欲しい。是非とも波及効果の大きいプランを期待したい。

そこで、以前考えた(案)があるので、勝手に紹介する。
全国各地で活用でき、しかも全国で一斉に取り組んでも、地域の個性が保障されるアイデアだと考えている。
もし、「使えそうだ」と思われた方は、堂々と活用していただけたら発案者として嬉しく思う。逆に、採用されなかったとしても、激怒してもらって構わない。もちろん、私にじゃなくて審査員に…。

(案)というのは、次のとおり。現在国をあげて取り組んでいるビジット・ジャパン・キャンペーンに関係する、外国人の訪日誘致活動である。なぜ外国人を誘致するのかについては、別項で書いた。これはその実践方法に該当する。

旅行対象期間は、春・夏・冬の学生が長期間の休暇をしている時期。
日本に行ってみたいという外国人(姉妹都市でも何でもいい。休止状態の姉妹都市は腐るほど転がっている)に、

「地域の子供たちが、あなたの要望を叶えます」

と宣伝をする。
外国人旅行者は数ヶ月前に、日本滞在中に何を望むのか要望を提出する。それを受け取った地元の小学生や中学生が数人のグループ(できれば有志のみ)を結成し、来日までに相手の国について調べ、旅行者の要望を満たすべく地元を調査し、万全の受け入れ準備を整える(これは総合的な学習の時間を活用するのもいいかもしれない)。
準備をする子供たちは、地域のことや世間のこと、日本文化や宗教の違いなど、様々なことを学ばねばならず、地元の大人に聞いて回ることになる。それはインターネットや本などでは決してわからない情報だ。昨今の地域社会が失った世代間交流が、自然と要求される。ここで、最も地域を知るお年寄りにご活躍いただく。この世代間交流が、地域の魅力を発見し、愛着を持つことに繋がっていく。

旅行期間中は、受け入れ準備をした子供たちに、旅行者のお世話係を担ってもらう。観光スポットのガイドだけでなく、生活ガイドも担う。大胆かもしれないが、外国人と一緒にルームシェアして寝泊りする。アパートなどで構わない。旅先の日本では、靴を脱いで上がることや、風呂の入り方など、ごくごく普通の生活で困ることが多いので、あらゆる世話をしてくれるのは助かるはずである。アパートの大家さんは、日本人が世話をすることで安心して貸すことができる。世話係にとっては、異国の生活様式の一端に生で触れることになる。
また、外国語は勉強するものではなく、コミュニケーションの道具だということをこの時に学ぶ。旅行者の要望に具体的な地名がなければ、できるだけ要件を満たす手近なスポットを案内する。もし、どうしても遠く(生活圏外)に行く必要がある場合は、世話係は見送るだけとし、旅行者の責任において通常の旅行をしてもらう。世話係の交通費は旅行者負担、人件費はボランティア。電車の乗り方から、入場券の買い方、食事の頼み方など、ありとあらゆる場面で旅行者は助けられ、一方の世話係は自分が社会の役に立つことを知る。人の役に立ちたいという願望が比較的強い、と言われる日本ならではの旅行となる。
中には、もちろん子供だけでは解決できない言葉の問題や難問も出るだろう。必要な時にいつでもヘルプできる地域の大人を配置し、サポート体制も整備しておく。また、地域には、財団法人自治体国際化協会(CLAIR)のJETプログラムという事業を活用しているところもあり、県や市町村の役場には国際交流員(CIR)として勤務している外国人や、学校では外国人語学教師補助(ALT)を配置しているところもある。この人たちの力を借りることもできるかもしれない。
さらに、旅行者には滞在条件として、必ず滞在地域のボランティア活動に加わっていただく。できれば形に残るまちづくり活動(植林や景観整備)などが望ましい。たまたま訪れた旅先で、旅行者である自分が地域の役に立つということは、案外嬉しいもの。それが形として残る、記録や記憶に残るのは、素直に嬉しい。家族や友達に自慢したくなる。もう一度あそこに行こう、あの時に世話になった人に会おうということになる。交流した相手が子供なら、成長した姿を見るのが楽しみかもしれない。
旅行者の要望は、全てを満たす必要はない。大事なことは地域でベストを尽くすことだ。
「地域全体で一生懸命準備し、対応してくれた」という印象が残れば、これは感動につながる。あなたの旅行を振り返って欲しい。今までこのような旅行があったろうか。仮にあったとしても、地域のシステムとして機能しているものは稀だと思う。例えばブータンのように、入国時に滞在費の全てを支払う形式にし、域内滞在中は全て無料(もしくは地域通貨)とするのもいいかもしれない。この入域滞在料金を、ニセコ町や泰阜村がやっているような”地域づくり基金”に充てれば外から入ってくるお金が地域内循環する。
期間限定で取り組み、その経済効果や経済面以外の地域への波及効果を検証してみると、興味深い結果が出るのではないだろうか。
最終的に目指すところは、訪日旅行ではなく、国内旅行と地域の再生にあることは忘れて欲しくない。

<参考>
ふるさと学習『知っちょる!?やまぐち』
http://www.ysn21.jp/furusato/main.html
↑こういうの大賛成です。
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