(▲横浜市保土ヶ谷区の地元の子ども達によるフィールドワークの成果発表風景)
民衆の知恵を発掘し、後世に伝えなければ…という強い使命感によって地球4周分を旅し、学問の枠に納まらない偉大な業績を残した稀代の民俗学者/宮本常一は、生涯の師と仰いだ渋沢敬三からフィールドワーカーの心得を学び、自分を戒める言葉として生涯を通じて以下の3つのことを忠実に守ってきたそうです。
1)他人(地域の住民)に迷惑をかけないこと。
(自分でいい気になっていると、思わぬことで相手に迷惑をかけることがある)
2)出しゃばらないこと。
(その場が自分を必要としなくなった時、そこにいることを周囲の人に意識させないほどにしているということ)
3)他人の喜びを心から喜びあえること。
この3つの心得の実践は、類まれなる傾聴力を持った宮本本人でさえも、「実に難しい」と述懐していますが、長年の経験によってその重要性を実感するからこそ、後に続くフィールドワーカー達に是非とも伝えたかった心得なのだと思います。
とりわけ3つ目に、地域の人と感情を共有する『共感』の要素が含まれているところが、他のフィールドワーク関連教書には見られない優れた知見ではないでしょうか。
上記の本は、現代のフィールドワーカーを対象とした作品ですが、研究のためのフィールド調査だけでなく、よそ者がまちづくりに関わる場合の心得書としても、読んでためになる本だと思います。本書をまとめた安渓遊地(あんけいゆうじ)氏は、本書を「「調査する側」「調査される側」という固定した対立関係を「ともに仲間となる」新しい地平へ向けて解き放つ道についての提案」だと位置づけ、"Better Together"の重要性を説いています。
民俗学などの社会学や国際協力におけるフィールドワークには、国内外の各地で試みられた失敗や反省から、数多くの知見が蓄積されています。
現代のまちづくりにおいても、先人達の教えを学ぶことにより、失敗を最小限に抑えることができるはずです。そのためにも情報発信や情報共有、まちづくり関係者のネットワークづくりに尽力したいと思います。
民衆の知恵を発掘し、後世に伝えなければ…という強い使命感によって地球4周分を旅し、学問の枠に納まらない偉大な業績を残した稀代の民俗学者/宮本常一は、生涯の師と仰いだ渋沢敬三からフィールドワーカーの心得を学び、自分を戒める言葉として生涯を通じて以下の3つのことを忠実に守ってきたそうです。
1)他人(地域の住民)に迷惑をかけないこと。
(自分でいい気になっていると、思わぬことで相手に迷惑をかけることがある)
2)出しゃばらないこと。
(その場が自分を必要としなくなった時、そこにいることを周囲の人に意識させないほどにしているということ)
3)他人の喜びを心から喜びあえること。
この3つの心得の実践は、類まれなる傾聴力を持った宮本本人でさえも、「実に難しい」と述懐していますが、長年の経験によってその重要性を実感するからこそ、後に続くフィールドワーカー達に是非とも伝えたかった心得なのだと思います。
とりわけ3つ目に、地域の人と感情を共有する『共感』の要素が含まれているところが、他のフィールドワーク関連教書には見られない優れた知見ではないでしょうか。
調査されるという迷惑―フィールドに出る前に読んでおく本宮本 常一,安渓 遊地みずのわ出版このアイテムの詳細を見る |
上記の本は、現代のフィールドワーカーを対象とした作品ですが、研究のためのフィールド調査だけでなく、よそ者がまちづくりに関わる場合の心得書としても、読んでためになる本だと思います。本書をまとめた安渓遊地(あんけいゆうじ)氏は、本書を「「調査する側」「調査される側」という固定した対立関係を「ともに仲間となる」新しい地平へ向けて解き放つ道についての提案」だと位置づけ、"Better Together"の重要性を説いています。
民俗学などの社会学や国際協力におけるフィールドワークには、国内外の各地で試みられた失敗や反省から、数多くの知見が蓄積されています。
現代のまちづくりにおいても、先人達の教えを学ぶことにより、失敗を最小限に抑えることができるはずです。そのためにも情報発信や情報共有、まちづくり関係者のネットワークづくりに尽力したいと思います。