まちづくりはFeel-Do Work!考えるより感じよう、みずから動き、汗をかこう!(旧“まちづくり”便利帳)

まちづくりの支援者から当事者へ。立ち位置の変化に応じて、実践で培った学びの記録。もう一人の自分へのメッセージ。

何故その地域には人が集まるのか?その共通点とは?

2014-09-20 13:02:12 | Personal Views
「消滅自治体」の余波が必要以上にローカルの不安を煽っている。

あれは単なる仮説、このままの傾向が続くとこうなりますよ、というシナリオであって、実は同様の推計は何年も前から国や人口問題を扱う研究所でも出してきた。
そのような警鐘がありながら、あまり話題にならなかったのは、どこかよその話だろうと、当事者意識がなかったからにほかならない。その意味で増田レポートが、名指しで「この自治体が危険信号出ているよ、気をつけてね」と警報を鳴らしたことは、非常に意味のあることと感じる。

しかしながら、その後「空き家率」や「75才以上高齢者人口」の統計が発表された前後に、『地方消滅』と題する本まで出して、その言葉が一人歩きするようになると、「これは霊感商法か!?」と違和感を抱かざるを得ない。
まちづくりに関わる人間の一人として、必要以上に不安を煽るのはやめて欲しい。
また、そのことに踊らされる必要もない。

「ローカルは限りなく面白い」

そう言い続けてきた鈴木輝隆先生と、この想いに共感する仲間と一緒に「ローカルデザイン研究会」の活動を行ってきた。私自身も、大企業で働くサラリーマンよりも、ローカルな現場で悪戦苦闘する方々に魅了された一人だ。
2008年3月、仕切り直しをしようということでまとめた同研究会の「新・趣意書」には、次のような言葉が並ぶ。同じ年の9月にリーマンショックが起こり、この想いは増している。

「いかなる時代にも社会の課題はあり、厳しい現実に逃げないで、新たな価値を創造し立ち向かう勇気をもった人は魅力的です。この視点に立てば、ローカルは限りなく力強く面白く、興味深いのです。」

鈴木先生の本ろーかるでざいんのおと 田舎意匠帳には、このように書かれている。

「将来を考えると不安の多い日本の田舎社会だが、現場を歩いてみると、未来に向けて真に活力ある地域社会を築いている姿を発見できる。あるべき条件を受け入れ、僻みのない寛容な精神と謙虚な人間性、思いやりのある人情をもって、安らぎの時間と空間を存在させている。
 自然の中では人は弱いからこそ、助け合っていかねば暮らしていけない。人工物が少ない田舎社会は人間を謙虚にする。これが実感できることが田舎暮らしの幸せの一つである。相互扶助や相互依存はわずらわしいと思うところに現代人の思い上がりと精神の孤立がある。明日は何が起こるか分からないのが自然現象であり、そこに積み重ねられた陰影のある地域の伝統や文化は、だからこそ確かなものに映る。」


震災後に読むと一層感慨深い。
ここにはローカルに生きる人々への深い愛情と尊敬が根底にある。
でもローカルを数字で見た途端、ローカルは見えなくなる。

今は亡き筑紫哲也さんは、本書に寄せた「推薦のことば」にこう書いた。

「「おもしろい」ことをやっている、「おもしろい人」がいる所は、小さな町、村、そして困難や課題を抱えている所が多い。」
「歴史的に見ても、地方(田舎)の支えなしに、それを収奪する都市の繁栄なぞ長続きしたためしはない」
「深まる危機はチャンスでもあり、挑戦の機会でもある。それにどう立ち向かうかを考える時、本書の中にたくさんの実例とヒントがある。」


2005年に出た本ながら、先行きの見えない今だからこそ、地に足をつけた生き方、身の丈にあった暮らしの魅力を教えてくれる。
統計の数字からは、生きる上での智恵や喜怒哀楽、ワクワクするような驚きや発見は見つからない。

人が集まる地域、人が去る地域には、それぞれ共通点がある。
自分が暮らす地域に不平不満を言っている人ばかりの地域は、人が去っていく。誰が好んでそんな地域に移住しようと思うのか。
逆に、人が集まる地域は、この街が好きだと語る人が多い。暮らす人の表情が明るい。そしてそのような地域は、地域が人を育て、人が地域を育てている。

自分の街に愛着を持っているか?自分の街に誇りを持っているか?
地域の生き残りを考える時、この問いは最も重要な基準になる。

▼ろーかるでざいんのおと 田舎意匠帳
 ―あのひとが面白い あのまちが面白い  鈴木 輝隆 著
http://www.amazon.co.jp/dp/488138161X
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