まちづくりはFeel-Do Work!考えるより感じよう、みずから動き、汗をかこう!(旧“まちづくり”便利帳)

まちづくりの支援者から当事者へ。立ち位置の変化に応じて、実践で培った学びの記録。もう一人の自分へのメッセージ。

【共助】人はどのような時に結束するのか?

2015-11-18 12:50:03 | まちづくりのキーワード
【共助】という言葉をご存知でしょうか?
阪神大震災の後に浸透したキーワードなので、防災関係の人は詳しいと思いますが、そうでない人も多いと思います。
自力で己を助けるのが「自助」、行政機関が助けるのが「公助」で、その中間でお互いに助け合うのが「共助」です。考え方としては昔からあるので、今さらどうした感もあるのですが、地域のコミュニティ機能が衰退する中、益々重要な事柄として国(内閣府)も力を入れているところです。

そして、全国の都道府県の中でも、埼玉は「日本一の共助県」をめざすと宣言しております。
そんな中、去る11月9日(月)、地元の埼玉県庁共助社会づくり課からの依頼があり、「共助の担い手を育てる!」というテーマの分科会でファシリテーターを務めさせていただきました。全体の会合には120名以上が来場し、4つある分科会のうち、私が担当した分科会が一番参加者が多く38名参加。全体会、分科会の様子は下の画像のとおりです。

話題提供者は、地域の実践者として下記のお三方にお越しいただき、それぞれ事例発表いただきました。

・NPO法人すぎとSOHOクラブ(矢口真紀 氏)
http://www.sugito.com/
・北本市観光協会 観光情報発信館(館長:時田隆佑 氏)
http://www.sugito.com/
・NPO法人さいたまNPOセンター(事務局長:生越康治 氏)
http://www.sa-npo.org/

このうち、特にローカルエリアで活動する杉戸町と北本市は、県内でも非常に元気がよく、今後ますます注目の地域です。
当初は、この3事例に対して質疑応答を行うというのが事務局側が用意したスケジュールだったのですが、事例の内容が魅力的であれば魅力的であるほど、枝葉末節に話がそれてしまうのが常です。また、参加者が非常に多いため、一人ひとりの質問や意見に応えきれなくなることが懸念されたので、本来のテーマ「担い手を育てる」からそれないよう、最初に分科会参加者自身のみずからの問いを考えてもらう時間を冒頭に持ちました。
そして、私も2つの問いを用意。

問1)共助の担い手を育てるのに必要なことは何か?
問2)どんな時に共助が生まれるか?共助の沸点とは?

埼玉県では、プロボノができる専門家の人材バンクと、その専門家と地域のお悩み事をマッチングさせる共助仕掛人なる人がいるのですが、いかんせん、共助仕掛人は県内にわずか4人しかいないので、対応しきれるわけがない。そこで、このようなイベントを開くことで、マッチングを進めようという意図なんですが、どんなに良いシステムをつくったところで、そのシステムが回りだすようなスイッチが入らなければ意味がない。だからこそ、参加者全員に考えてもらう機会としました。
私自身も3つの事例を聞いて感じたのが、次の共通点でした。

⇒当事者:弱み(苦手)と強み(得意)の自覚、みずから飛び込む行動力(⇔胸襟を開き、受け留め、応援する度量)。
⇒仕掛人:弱み(苦手)を持つ人に相性のよい強み(得意)を持つ人を見つける鳥の眼、両者の縁を結ぶ世話焼き魂。
⇒失敗するリスクが少ない条件(借金と固定費はゼロ)で、小さく始めて、小さな成功体験を重ねる。

さらに、問いの2つ目をもう少し深く考え、それを表にしてみたところ、次のようになりました。
このフレームの基になったのは、SWOT分析の枠組みなんですが、共助の場合は、弱みと強みが手を組む、もう一つの形があると感じたので、6象限に分けました。こうすることで、3つの事例の位置づけも納まりよく、納得感を感じます。



これらのことを言葉で整理すると、下記の6点に集約されます。

・外圧(脅威)から生まれる共助は持続せず、内発的動機が必要。逆に、内発(機会)的理由だけでも動機が弱く、脅威(危機感)の共有が必要。仕掛人は内発的動機や脅威が何かを見極め、お見合いを仕向ける世話焼きおばさんの如く働きかける能力が不可欠。
・共助には、3種類のタイプが存在。弱み(苦手)を持つ人を強み(得意)を持つ人が助ける「弱+強」の組合せだけでなく、福祉のようなセルフヘルプグループ等の「弱+弱」や、税務や法律の専門家集団のような「強+強」の共助もある。
・陳情型活動が不毛なことを考えると、「弱+弱」の共助は非常に重要。その一方で、組織の脆弱性から、社会を変える大きな力にはなりにくい。また、一見よさそうな「強+強」の共助も、機会や課題を与えないと機能せず、周囲からの働きかけが必要。⇒仕掛人の出番。
・凸凹を埋め合う「弱+強」の共助は、上手くはまれば自律的に機能し、地域社会を変える潜在力を持つ。ただし、一方的な支援関係は長続きせず、持ちつ持たれつのお互い様の状況をつくることが肝要。
・しかしながら、すぎと~のようにみずから共助のパートナーを見つけられるケースは稀で、この解決にこそ、分野横断的な中間支援組織や共助仕掛人的人材が必要である。
・ただし、共助仕掛人は、共助を必要とする人と同じ目線ではダメで、その両者が繋がることによってどのような展望が開けるのか、半歩先行くプロデューサー目線が必要。これが機能すると、地域の中の小さな活動を拾い、繋ぎ、束ねて、放つことができるようになり、地域社会に大きなインパクトを与えることが可能となる。

【共助】は単なる手段であって、目標ではない。
でも意識しないと生まれないのも事実です。そのことに留意しながら、結果として生まれる共助を推進できればと思います。
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