悦

先日の稽古のとき、年末という事もありほぼ全員が欠席（笑）
タケチンの息子の悦だけがちゃんと来た。
なので、みっちり二人で稽古をしたのだが、みっちり男同士の話もした。
その話の中で、
「冬休みの宿題、やってんのか？」
「・・・。まだ全然やってない。」
「どうせ遊び狂ってんだろう？ちゃんとやれよお前。パパ頑張ってんだぞ？」
「うん。」
「年末までに全部終らせろ。」
「ええ？？？？無理無理無理無理。」
「無理じゃねぇよ。嫌なこと全部終ったら、あと楽しいことしか残ってねぇべよ。」
「無理だよ！」
「学校に行ったつもりで、朝8：30から宿題。終るのは14：30まで。普段出来てるべよ。それから遊べ。」
「えええええ？？」
「え～じゃない。やれよ。」
「わかった。」
「約束だぜ？」
「うん。やる。」
「その位やんねぇと、応援団に入れねぇよ。たとえ入っても、くだらねぇ理由つけて辞めるだろうよ。」
「辞めないよ！」
「まず結果だ。頑張れ。」
彼とは、彼が俺と同じ高校に行って応援団に入るという約束をしている。
その時は俺からは何の見返りも無いけど、シゴキが待ってるだけ。
それでも悦は、
「超、勉強する！」
と目を輝かせてた。
俺は彼と「タケチンの息子」という訳じゃなく、悦という友達として付き合ってるつもり。
だから、しっかり芯を持って根性の入った男になってもらいたい。
そんで、俺の息子ともつるんで貰いたい。
目標が俺であれ、何であれ、切欠が俺であれ、何であれ、結果が出てりゃ誰も文句は言わない。
いつまでも彼の目にかなう男でありてぇと、俺は自分を戒める。
そんな彼からさっき電話が来て、
「先生、あのね全部終ったよ！」
と誇らしげな声を出してた。
「おばあちゃん家に行って、遊び狂うんだ！」
「おう、大いにやれ。俺も嬉しいよ。皆に、「宿題？終ったよ？」って言えよ？み～んな喜ぶよ。お前、偉いな。俺も負けねぇように頑張るから。」
「うん。頑張ってね～。」
初めて悦に優しい言葉をかけたと思う。
しかし、よくやったなぁ！
今日はタケチンと二人きりで遊びに行くんだってさ。
がっちり甘えさせてやってよね、タケチン！
俺たちも負けてられんな。
彼等に恥じぬように、男アクセル全開で行こうじゃねぇか。
ガルルルルルル！！！