Rスズキの毎日が大食い

おいしいものと食べることが好き。マンガもね。

赤マルジャンプ2008SPRING号感想

2008年05月11日 | マンガ
「秘蜜のヤミー」(西 義之)ヒミツのミツが蜜の字になってます。何の意味なんでしょう?
地中に住む人の世界で、機関師(カラクリシ)は魔法使いか錬金術師かといった位置づけですかね。たにし谷がまさにおとぎ話のような風景で、絵は相変わらずきれいに作られています。ムヒョに良く似た男の子がヤミーといって主人公のようです。明るいムヒョ。登場そうそう爆発してしまいました。爆発したと理解するのに3回読み直しましたが、ええ。
伝熱機関術、変形機関術、機械化機関術と矢継ぎ早にいろんな術が出てくるので読んでもよくわからないです。機関術って何でもありだね。転生まであるんなら機械関係ないじゃないですか。
どうしても前作のムヒョとかぶるところが気になるけれど、絵はかわいいし、まあまあ面白く読めました。

「銀魂洞爺湖サミット2008」まただらだらと長い銀魂座談会。上京してきた大石浩二と前担当大西編集までやってきて、銀魂に新しいキャラクターを投入しようと試みるもようです。「絵がうまくならない」「普通、多かれ少なかれ、たいていはうまくなるもんだけどね」と座談会にあるまじき発言でいきなり空知先生にダメージを与える大西編集。それは私も感じていました。大石氏も一緒に反省することしきり。空知君も少しは努力するように。

「フー ファイター フジ」(三代川 将)赤マル3作目です。ペイソルジャーもガラアクタも私は好きだったので今回も期待大。前作にくらべて絵が格段に上手になっていて、もうこれ連載してもええんちゃう?ってなレベルです。アイシルのアシスタントでもしたのかという気がします。マンガも読みやすいし、ハッピーエンドなのもよし。口は悪いけど乙女ちっくでかわいい宇宙人のお姫様もいいキャラクターです。女の子がメカ担当っていいよね。今回最高点。

「6月の魔物」(丸山 貴之)水泳マンガですね、オリンピックに向けてこの時期、ひとつふたつあってもいいんじゃないでしょうか。「2個メ」「ノーブレ」とか専門用語が出てきていい感じです。水着もそうそう、そんな感じ、リアルです。しかし新人ゆえかバタフライの描写があまり泳いでいるように見えないです。なにが原因なんだろう。水しぶきか。泳いでいる時の顔も描いた方がもっと読者にアピールするでしょう。表情で感情移入できるように工夫するともっと読み応えのあるものになるでしょう。

「透明少年」(板倉 雄一)本誌連載「ハンズ」では打ち切りとなったものの、赤マルで再びお目見えです。絵柄変わったみたいです。で、透明になって万引きや覗きですか。最後に更正したからって、ちゃらになるものかどうか、そのあたりの倫理観にいささか疑問を感じますが、読み切りとしてはまとまってました。元に戻れるのか?このまま消えるのか?とドキドキする場面もあっておもしろかったです。このあたりの心理描写が高得点。

「マジコロ~マジックコロシアム~」(片山 陽介)いきなり天下一武道会にやってきた悟空みたいな話ですね。とくに読みたくなるような絵柄ではなかったです。兄貴がじつはマジックコロシアムの黒幕だとか亀仙人だったとか大物ではないかと想像しましたがそんなこともなかったですね。ただの進行役かい。がっかりだよ。おまけに不細工だし。序盤で思わせぶりに出てきた通行人が伏線でもなんでもなくてびっくりです。話の作り方から考え直した方がいいんじゃないでしょうか。

「なまくら」(春日 真)前作は赤マル2007夏号の「アバカストレーダー」です。人身御供の女の子を助ける主人公と言う基本的ストーリが一緒です。もうちょっと変わったものにチャレンジしてみましょう。
主人公が顔をはじめ全身刺青なのですね。終始顔が暗すぎでいまいちはいりこめません。顔の血と眉間のしわをとったらどうですか。コマ割りが見にくいのと、線が細すぎで、描き込みがごちゃごちゃしてるのとで見る気がうせます。

「喰王オメガ」(山本 貴也)大食いバトルで一旗あげるという主人公、このブログにぴったりのマンガじゃありませんか。本格大食いマンガとして推薦させていただます。
絵は気持ち悪さがぎりぎりでセーフというかアウトというか、微妙な線です。
賞金1000万がリアルなのに対して、寿司2050皿完食というのがありえなさ杉でマンガチックでございます。ついたキャッチフレーズが「音速喰(サウンドショック)」となかなかいいセンスです。次は光かと言う期待を持たせますからね。メインはけれん味たっぷりの大食いバトル、宇宙人まで参加する大風呂敷です。敵はブラックホールストマック、すっごいですねえ。奇想天外なストーリーに惹きつけるものがあります。次回作が見たいです。

「アンフィスバエナ」(渡辺 一平)瞬間視と判断力も兼ね備えた元ヒッキーが野球をするという奇跡のような野球マンガです。正確なコントロールと対人恐怖症がどうしても「おおきく振りかぶって」とだぶります。
野球を二人だけでやってるかのような錯覚に陥りそうになりますが、ほかのメンバーの反感買うこと間違いなしでこれからチームプレーなんてできるんでしょうか。また、キャッチャーには頭脳だけでなく並外れた体力もあわせもつことが必要な気がするのですが、どうなんでしょう。
ところで、「アンフィスバエナ」とは「ギリシャ語で『両方に進める』」という意味を持つ言葉で、前後に頭のある龍のことだそうであります。前にも後にも進めるって。知ってました?あ、そう。

「Dr.DEAD」(榊ショウタ)初掲載とは思えない画力です。コマ運びがスムーズですらすら読めてストレスがない。深刻な世界観なのに随所にギャグを挟んでいるので救われます。エドが人造人間だというのはすぐにわかりましたが、心臓がDr.リンのものだというところは感心しました。バトルは普通。科学者だったら肉体で破壊するのでなくて、科学力とか頭で勝負したらとか思わないでもなかったです。

「クォンタム・ツイン」(中島 諭宇樹)水泳部の鼓宵ちゃんの競泳水着がサービスになってないです。色気は相変わらずないなー。科学部の部長はスーパーミルクチャンみたいだし、女性キャラの見た目にもうすこし気を配ってほしいです。
同じ人間が二人いる状況を、自分を客観視できると言う視点で描いているのが新鮮でその点は評価できます。日常生活のどたばたも愉快です。先輩は二人いたという展開も伏線が効いてました。ファンタジー路線を封印して描いたと言ってますが、双子を作る過程がすでにしてファンタジーですって。

「アロマ」(平 健史)読むのがつらくなってきた最後の一編。鼻にテープで豚鼻にしている少年が謎です。ええと、もしかして豚=ヒーローで、自分もその姿を似せたいということでしょうか?アロマもキモチワルイ。ボスもありきたりでうすっぺらい。説明セリフがうっとおしい。突然アロマはいいひとだと言い出すシューくん、あなたは何を根拠に言っているのだ。匂いフェチの変態としか思えないアロマが「オレは大切なものを守るため ギャングになった!!」というセリフでジョジョが好きなのはよーくわかりました。「覚悟だ」までいくとやりすぎです。