花は桜木・山は富士

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「日本への憧れ」(アラブ諸国)

2006-04-05 16:59:59 | 良い話(アラブ諸国)
パート3・547 :文責:名無しさん :02/04/05 19:25 ID:+jB14tfi

 親日感情の沿源と日本への求愛の言葉 筆者は1956年頃、
東大教授の小掘巌氏から「アラブ諸国にみなぎるのは明治維新以後の
日本への憧れは『まだ見ぬフィアンセ』の思慕にも似た感情だった」という言葉や、
アラブに関心を寄せ始めていた小生に深い刻み込まれたが、
アラブ連盟駐日代表部副所長であったス-ダンの外交官の
アブデル・ラ-マン・マ-リ氏の「アラブは親日感情の沁みとおった肥沃な大地だ。
ここに種を撒き育てることは、われわれの義務ではないか」と言う言葉も忘れがたい。

また、アラブの代表的ジャーナリストのモハッメド・ヘイカル氏も
「日本とアラブ世界の間にはプラトニック・ラブとも言うべき感情がある」と
言葉があった。

さて、近代の国際社会、とりわけ、アジア、アラブなど発展途上国の中で
日本の存在を大きくクローズアップしたのは、日露戦争における日本の勝利であった。
当時、アラブの世界で、「日本の乙女」というロマンティックな題名を持つ
日露戦争を歌った有名な詩がエジプトであり、
大詩人ハーフェズ・イブラヒームによって作られた。
この詩はつい半世紀前までは、多くの知識人の間で暗唱されるくらい記憶されていたが、
いまでも、エジプトやアラブの教科書に使われてたり、
時としてラジオなどで朗読されることがあるという。

詩 日本の乙女
ハ-フェズ・イブラヒ-ム作
『(前略)
砲火飛び散る戦いの最中にて
傷つきし兵士たちを看護せんと
うら若き日本の乙女、立ち働けり、

牝鹿(めじか)にも似て美しき汝(
な)れ、危うきかな!
いくさの庭に死の影満てるを、
『われは、日本の乙女、銃もて戦う
能わずも、               
身を挺(てい)して傷病兵に尽すは
わがつとめ、
ミカドは祖国の勝利のため
死をさえ教えたまわりき。
ミカドによりて祖国は大国となり、
西の国ぐにも目をみはりたり。
わが民こぞりて力を合わせ、
世界の雄国たらんと力尽すなり。
(後略)
以上大意 』

一九世紀末から今世紀初頭にかけて『ナイルの詩人』とうたわれた
ハ-フェズ・イブラヒ-ムの流麗なこの詩の一節は、その後長く多くの
アラブ人によって愛唱された。
とりわけ、この詩にこもる大国ロシアに大勝し、近代国家建設にばく進している
極東の島国日本の姿は、当時すでにイギリスの支配に組込まれていた
エジプト人の心に大きな灯をともしたのである。

当時、ロンドンでの留学を終えた若き孫文が、帰国の途中スエズ運河を通過するため
ポ-トサイドに下船した時、駆け寄ってきた現地のエジプト人から
「バルチック艦隊を全滅させた日本の勝利を知った。共に喜んでほしい」と
聞かされた、という逸話を、1924年に来日し、
神戸で「大アジア主義」という講演をした際に語っている。

その日露戦争での日本兵士の戦いぶりを描いた桜井忠温『肉弾』は、
アラビア語に翻訳された最初の日本の小説で、当時、アラブ諸国に広く読まれている。

これ以後、戦前戦後を通じて、日本人に対する期待や敬愛の感情は根強くあるが、
日本へのこうした期待と親日感情は、日本にとって”貴重な財産”と思う。

もしアラブ諸国をはじめ発展途上国からの期待、情熱を一種のエネルギーとして
計算することができるのなら、日本は世界一の”期待エネルギー保有国”といえると思う。

日本の中東外交がこうした伝統的な親日感情に応え、
かつその発展に努めて欲しいものである。

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