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マハロ船長の航海日誌2

ヨットのトイレ考

トイレには神様がいると信じられているくらい神聖な場所です。
だから、トイレはいつもキレイに掃除しておかなければならないのです。そうすれば病気にならなかったり、安産だったり、美人になれたりと良いことずくめなんです。(私はウォシュレットから出る”聖水”のおかげで痔が治りました。)

ところで、ヨットのトイレ(マリントイレ)はどうなんでしょう?使用頻度が少ない割に、場所をとる!故障しやすい!臭う!使いにくい!・・・とあまり良い評判は聞きませんね。
でも、ヤマハ25マイレディはこのサイズでもちゃんと個室トイレを設置したお陰で、日本で最も売れたヨット(クルーザー)となったくらいで、やはりトイレを大切にしたご利益が大いにあったようです。


船のトイレに関する記述を、たまたま屎尿・下水研究会という団体のホームページ
で発見したので、抜粋して紹介させていただきます。(詳しくは→ココをクリック
・漁船は近年まで便所の設備のないのが一般的で、艫からロープや船舷に掴まり排泄し、海水が尻を洗ってくれた。
・海で働く人達の、船内で発生する屎尿の排泄の場を水中(海中)とすることを穢れとしない観念は、陸で屎尿を川屋から川に流して浄める手続きと合致している。
・江戸時代、千石船の船乗りは、多くて14、5人程度で船内に竃(かまど)は設けてあるが、便所は直接海に排泄した。
・江戸時代、西国大名が参勤交代に使用した御座船で、殿様やお姫様は船内の一間を排泄専用の部屋で、「おまる」、「樋筥」で用をたした。それ以外の人は船尾の後ろ左舷甲板に長方形の穴が水面に向けて開けてあった。
・川越ヒラタ船は、川船には珍しく艫の甲板に長方形の穴が貫いて川に直接排泄出来るようになっていた。しかし、穴の場所は、船頭が櫓を使い舵を扱うので、女性の用便は勇気が必要であった。
・玉川上水にも一時期船の運航があり、多摩川の羽村堰から四谷内藤新宿間に、明治3年から通船した。乗船者の屎尿が上水を汚さない配慮として、「便桶」を用意した。
(屎尿・下水研究会報告「船のトイレ」より抜粋)

まあ要するに船のトイレは今も昔も「垂れ流し」ですね。さすがに「玉川上水」だ
けは垂れ流し禁止だったようです。個室トイレは殿様とお姫様だけ。現代のヨット乗りは殿様・お姫様並みというわけです。

ヨット界では、男性の””はスターンから放出するケースが多かったですが、「
水死亡者の内なんと80%の人のズボンのチャックが開いているという恐ろしい統計結果がある。
」という話があり、私はそれを聞いて以降恐くて放水は絶対しません。

我らが愛艇リベッチオ26は、専用個室ではないものの、扉を閉めて個室化して済ませることができます。しかし、マリントイレの排水パイプの先は海。垂れ流しであることには変わりありません。(さすがにマリーナ内では使用禁止、港外のみ利用可)
アメリカでは汚水はリザーブタンクに貯めておいて、マリーナのバキューム施設で処理しなければならないようです。日本ではそういう話は皆無です。ホームポートの横浜ベイサイドマリーナにはバキューム施設はありますが、そもそも汚水リザーブタンクを備えているヨットは寡聞にして知りませんから、ほとんど利用されていないのではないかと想像します。
ウォシュレットを発明した日本ですが、海洋汚染対策についてはまだまだ遅れてますね。


(追記)
こちらは、ハワイで見学した伝統的な帆走カタマランカヌーのトイレ。
こちらもクラシカルな水洗トイレですが、個室になるよう工夫されていました。




参考:屎尿・下水研究会→ココをクリック


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コメント一覧

マハロパパ
行燈入道さん
乗合船では良く見かける設備ですね。一番邪魔にならない場所ですからね。
プレジャーボートでは、操縦席下あたりのスペースに個室を設けているのが主流のようです。それにしても流れた○○○を食べた魚を釣ってしまうと考えるとイヤですよねー。
マハロパパ
ちょっと太めのジイさん様
戦後、肥料としての需要がなくなり、東京は大島沖にタンカーで運んで捨てていたそうです。海が真っ黄色に変色したそうです。
関西では高知の沖合のカツオの漁場あたりに捨てられて大問題になったようです。
夢の島マリーナは、隣が汚水処理場で、大雨が降るとあふれてアレがプカプカ浮いていたというのは有名な話だそうです。
今度は核の汚染物質まで海に流そうとしてますから、日本の漁業の未来は残念ながら明るくないです。
ヨットについては、デイセーリング派は実際のところポータブルで十分だと思います。
行燈入道
今はどうか知りませんが、私が若いころ利用していた
釣船(乗合船)には、艫に囲われたトイレがりました。
でも便器の下は海でした、昨今は若い女性の釣ファンも
増えましたが、でも多分今も変わって無いじゃないかなぁ
と思います。
ちょっと太めのジイさん
日本はこの点では海外よりはるかに遅れているというより糞尿を再利用していたから、処理する概念が漁業者にありませんからね。
時々、海苔からo-157 が出て首を傾げる漁業者がいますが、自分らや釣り筏のうんちでしょう!と言いたくなります。
牡蠣のノロウィルスもしかり。
湾内の釣り筏のトイレを点検してくれ、と三重県の衛生局に要請しましたが、無視されましたね。漁業者が怖いのでしょう。
さて、私の船は、ホールディングタンクがありますが、バキューム装置が有りません。汲み取りの小型軽トラ見たことがありますが、行政を呼ばなくてはいけません。桟橋まで入って来られないし。
まえのベネトウはホールディングタンクスペースが有りますが日本仕様は外して直結で来ます。
マリナデルレイやアンティーブみたいに3000隻くらいから放出されたらいかんでしょう!
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