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マハロ船長の航海日誌2

マハロ船長は
ミニチュア・シュナウザーの船乗り犬です。
毎日たべものの匂いをたよりに
大海原を航海しています。

久々のシングルハンドセーリング

2021-03-30 21:48:15 | ヨット
曇り空ですが、風は5〜7mの絶好のセーリング日和。あちこち整備したいところはありましたが、まずはセーリング練習を。

ということでシングルにて出航します。


このリベッチオには、インナーフォアステイがあって、タッキングのたびに引っ掛かりがあるのが悩みだったのですが、ステイに水道ホースを通し(当初エンビパイプの予定だったのですが、径が合わずやむなく水道ホースにしましたが、材質は一考の余地あります)で、多少引っ掛かりが改善したようです。


エクステンション・ティラーは普段はあまり使わないのですが、今日は使ってみました。しかし、取手のゴムが劣化していたのか、ゴムが当たったFRPの箇所が黒く汚れる結果に。これはなんとかせにゃいかんですね。


デッドランの観音開きは、ワイルド・ジャイブが怖いですね。ハンターのときはブームが高くて安全でしたが、リベッチオは立った時は頭にブームパンチの可能性があるので、よほど注意が必要です。風のある時はクォーターまでとしましょう。(この時は、本船を避けるためやむなく観音開きとした瞬間なのです。)


32f艇のときはなかなか出来なかったシングルハンドでの出航でしたが、
26fにダウンサイズしたおかげで、気軽に出航できるようになりました。
少なくとも還暦過ぎの私的にはダウンサイジング成功かな?と思っています。


『とかくフジツボは群れたがる』・・・・・らしい

2021-03-24 15:38:33 | ヨット
船の大敵「フジツボ」について、調べてみました。

海水に浮かべた状態で保管(係留)しておくと、海藻や貝類が付着し、船のスピードが落ちてしまいます。だから、そんなものはなるべく付いてない方が良いのです。

海藻は、比較的水質の良いところで育つ気がします。
水質の悪い所では、蠣(カキ)やイガイ(ムール貝)が多い気がします。
フジツボはその中間といったところでしょうか?
取り除き難い点では、フジツボが一番手強いです。

取り除いても、フジツボ の”根”(白いポツポツ)が残ってしまうのが厄介なのです。


ところで「フジツボ」はではないのだそうです。エビやカニと同じ甲殻類なのだそうです。

関東圏ではフジツボは1~2cmくらいのものですが、青森の方に行くともっと大き
くなって、食べる習慣もあるのだそうです。
味はカニのようで、甲殻類であることが実感できるようです。

フジツボの生態というのは、なかなか面白いもので、甲殻類ですから卵から孵化します。
孵化すると、:ノウプリウス幼生 というミジンコ大の生き物として海中を浮遊して5回ほど脱皮を繰り返すそうです。
ノウプリウス幼生が大きくなると、今度はキプリス幼生という2本の触角と6本の脚をもつ姿に変わるのだそうです。
このキプリス幼生の寿命は2カ月で、その間に「くっつく場所」を探し回るのだそうです。
くっついたら最後、もう二度と動き回ることはできないので、安住の地を探し回り、「ここだ!」と決めたら、触角でしっかりとくっつき、小さいとはいえ、あのフジツボの姿になります。6本の脚は「蔓脚」と呼ばれるプランクトンを捕まえる網になり、次第に成長していきます。


フジツボは動物ですから子孫繁栄のために生殖活動をしなければなりませんが、その場を動けないので、近くに仲間が多いほうが生殖活動には便利ですよね。だから、フジツボはある種のたんぱく質を分泌して仲間を「おいでおいで」しているらしいです。フジツボがついた船底は、仲間を呼び寄せるので、ますますフジツボが付くのです。

とかくフジツボは群れたがる。」・・・うーむ、やはり私の嫌いなタイプだなぁ!


ビューフォート風力階級

2021-03-17 21:31:06 | ヨット
久しぶりに日曜日が良い天気になりました。
マリーナの様子が、なんとなく春めいているように感じます。

なお、ヨット乗りが「良い天気」という時は、「雨が降っていない時プラス風が強すぎす弱すぎずの時」を意味します。

もっとも、「強すぎず弱すぎず」の尺度は人によって違い、

ビューフォート風力階級(Beaufort Scale)によれば・・・


風力3~5の「○○breeze」あたりが「強すぎず弱すぎず」の範疇に入りそうですが、私は風力階級「3」あたりを出航基準としています。
人によっては「4」あるいは「5」でも平気に出航していく場合もありますが、軟弱(軟派ではない)なセーラーである私は軟風なんです。gentle breeze というくらいですから、Gentlemanはこれで良いのです。

ところで、ビューフォート風力階級とは、Wikipediaによれば「イギリス海軍の、後に提督となったフランシス・ボーフォートが1805年に提唱した。ボーフォートは武装帆船での航海において、海上の風の強さを表現するため、自らの経験に基づいて風力を0から12までの13段階に区分、各段階における海の状況(波浪など)を記した表を作成した。」とのことで、英国海軍の武装帆船での航海における基準なので、当然小型ヨットの感覚とは異なりますよね。

それと「breeze」に4段階あるんですが、
2 軽風 light breeze
3 軟風 gentle breeze
4 和風 moderate breeze
5 疾風 fresh breeze
6 雄風 strong breeze

でも、日本語表現と英語表現に微妙にニュアンスの違いを感じるのは私だけでしょうか?
軽風:light breeze、軟風:gentle breeze は納得できますが、
和風:moderate breeze は「海上では白波がかなり多くなり、陸上では砂埃がたち紙片が舞い上がる。」ということで、「和」も「moderate」もちょっと違う感じがするんですよねえ。
さらに、はやてとも読む「疾風」が「fresh breeze(爽やかな風)」というのは、違うと思います。風速としては、8.0-10.7m/sですから、我がホームポートの横浜ベイサイドマリーナでは出航注意の黄色い旗が揚がります。

もっとも、そのあたりの違和感は多くの日本人が感じているのかどうか知れませんが、日本では「風力5」のように数字で表し、「疾風」のような名称は公式には使用しない。とのことで、確かに初耳の表現が多いです。

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2021/3/14 
この日は、gentle breeze というより moderate breezeの風が吹きましたが、4月から共同オーナーとなるT島さんとのお手合わせを兼ねて、出航してみました。


船底塗装以後初めての帆走なので、楽しみです。
船底塗装の効果は、セーリング中よりも着岸時のスピードに顕著にあらわれ、少々スピードがつきすぎてしまいました。


我が艇は、メインセイルの揚げ降ろしはマストの根元で行う方式にしているのですが、T島さんも『コックピットにハリヤードをリードしても、途中で引っかかったりして、結局マスト根元まで行かなくちゃならないことが多く、この方式の方がかえって楽かも。』と賛成してくれました。

服装も、トレーナーでも寒くないほどの陽気。ありがたいことです。


同型艇とすれ違ったのでパチリ。

今週末はまたも雨の予報。
でも、春は雨が降るたびに温かくなってくるものです。

ホンダワラ類の流れ藻

2021-03-14 21:41:20 | ヨット
ヨット乗りによるSNSへの投稿記事を読んでいると、海藻の巻き込みについて書かれ
ているのをたまに目にすることがあります。

これはホンダワラ類の流れ藻が海上を固まって流れているのに気づかず、プロペラに巻き込んでしまう事故で、小馬力でペラの位置が比較的水面近くにあるヨットの場合は、表層に浮いている藻を巻き込みやすく、少しの量でも巻き込むとスピードが落ちてしまいますし、大量に巻き込んでしまったらそれこそ大事故につながってしまうかもしれません。

ちなみに、少量なら前後進にギヤを入れ替えればとれるようですが、しっかりと巻き込んでしまったときは潜って手作業で取り除くしかないようです。

私は、機走で流れ藻を突っ切らなければならないときは、ペラの回転を止めて惰性で横切るようにしています。

この船型なら、巻き込みにくい。


この船型は、巻き込み易そうです。



漁船やプレジャーボートに嫌われる流れ藻ですが、これは流れ藻の正体であるホンダワラ類の生態によるもので、生態系の維持のためには仕方のないことのようです。

ホンダワラ類は、岩礁で育ち、春に成熟して幼胚を散布すると、岩から剥がれて流れ出し、流れ着いた場所で残っていた幼胚を更に散布するため、藻場の拡大に大変重要な役割を果たしているのだそうです。(てっきり、海が荒れて海藻が剥がれるのだと思っていました。)
藻場の減少は「磯焼け」と言われ、近年の漁獲量の減少の原因にもなっているそうです。
そのため、人口岩礁に流れ藻を集めて、人工的な藻場づくりの取り組みをしているところもあるようです。

海藻類のCO2吸収効果を熱帯雨林と比べた結果、ホンダワラやワカメは約2倍以上のCO2吸収効果があるそうです。
また、流れ藻はやがて枯れて海底に沈んでしまいますが、CO2を吸着して海底に運ぶ機能もあるらしく、厄介者扱いしちゃいけないのです。

ホンダワラ類には食べられるものもあり、アカモクなどは、最近は地元でも商品化されて売られているのを目にすることが多くなりました。


ところで、ホンダワラ類は、英語でSargassum。そう、バミューダトライアングル(魔の三角海域)にある"魔の海"サルガッソー海とは、流れ藻が大きな渦のような海流の関係でこの海域に溜まったものなのです。


伝説では、---無風のサルガッソー海で帆船が何週間も動けずにいる間に船体に海藻が絡みつき、船が航行できず、船乗り達は水と食糧の不足でしばしば全滅し、幽霊船となって長い間この海域を彷徨うが、やがて帆が腐り、マストが倒れ、最後には脱出できぬまま沈んでいったとされる。---

コロンブスも航海記の中で、海藻が多く浮遊し、凪が多い海域として記録していますが、魔の海伝説は、どうやら都市伝説のようです。

この海域は世界有数の透明度を誇るきれいな海でもあるそうです。


大正〜昭和初期の和船

2021-03-05 21:44:58 | ヨット
上野の東京都美術館で「没後70年 吉田博展」という展覧会が開かれているそうです。
福岡県久留米市に生まれた吉田博(1876-1950)は、若き日から洋画に取り組み、幾度もの海外体験を通じて東西の芸術に触れながら、独自の表現と技法を確立しました。画家として才能を発揮した吉田は、画業後期にはじめて木版画に挑戦し、新たな境地を切り開きます。深山幽谷に分け入り自ら体得した自然観と、欧米の専門家をも驚嘆させた高い技術をもって、水の流れや光の移ろいを繊細に描き出しました。
とのことですが、
私が興味を覚えたのは、帆船の木版画です。大正15~昭和16年の作品なのですが、この頃の帆装形式にとても興味を覚えたのです。


一見して分かることは、江戸時代の横帆(いわゆる帆掛け船)ではないということ。

マストは2本であること。


帆は、中国のジャンク船に用いられた伸子帆(Junk rig、Chinese lugsail)と、


西洋式のスクーナー・リグの二種類あること。

ただし、船体は和船そのものであること。

鎖国体制の江戸時代においては、船の建造に対する規制(マストは1本、竜骨禁止)により、弁才船(いわゆる大型の帆掛け船)が発達しましたが、明治期に入ると一気に洋式化(咸臨丸みたいな帆船ですね。)が進んだということでしたが、庶民の船は、昭和初期まではこんな格好をしていたんですね。和洋折衷(俗に合いの子船)の帆船は、エンジンが普及した戦後はほとんど見ることができませんが、明治~大正~昭和初期の時代には、活躍していたのでしょう。

伸子帆(Junk rig、Chinese lugsail)というのは意外に高性能(上り性能は劣るものの、風下航や、操作の容易さでメリットがある)で、今の日本では全く見られませんが、欧米では真面目にこの帆装形式を取り入れたヨットが今でもあるのです。


今の日本で見ることができるのは、沖縄の帆走サバニのみですね。


吉田画伯の没後70年という節目に開催される展示会は、3月28日まで
上野の東京都美術館で開催されているそうです。ご興味ある方はお早めに。
https://www.tobikan.jp/exhibition/2020_yoshidahiroshi.html

(今回の写真はお借り画像です。)