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マハロ船長の航海日誌2

マハロ船長は
ミニチュア・シュナウザーの船乗り犬です。
毎日たべものの匂いをたよりに
大海原を航海しています。

「はじめてのおつかい」ならぬ「はじめての出航」

2022-09-27 17:47:02 | ヨット
2022/9/25
バンドフェットの共同オーナーになって初めて出航してみました。
できれば一番初めは無風もしくは微風下でダブルハンドで出入航の練習をしたかったのですが、そういう機会にはなかなか恵まれずウズウズするばかりだったのですが、諸磯の泊地に何度か通ううちに分かってきたことは、多少風があっても湾のドン詰まりのこの位置ではそれほど風は吹かない。特に北寄りの風の時は、地形の関係でマストトップの風見は北西を指していても、海面は逆方向に吹いたり、風が息をすることがあるので、風が止まった瞬間を狙う余裕は十分ある。・・・ということがだんだん分かってきました。

そして今日もまさにそういう風が吹いていました。
T島氏不在でシングルハンドとはなりますが、これからだってそういうケースは多いでしょうから、頭の中で何回もシミュレーションしてから、やや風が落ちてきたように思える12:00頃に思い切って出航してみました。


「案ずるより産むが易し」の諺どおりに、解らん(解纜)作業はうまく行きました。ホッ!

湾内から出ることなくUターンして、今度は入航。
重さ3トンのヨットはプロペラをニュートラルにしても十分に行き足がついて、何の問題もなくできました。
そして舫うことなくそのままもう一回出航。これも問題なし。
もう一回湾内をUターンし、・・・その後ちょっと問題発生したのですが、まもなく解決して、・・・入航(船掛り)も問題なし。


バウ側とスターン側のアンカーから伸びるロープの重さに手こずるも、力任せに引っ張って固定。筋肉痛なり。

初の出航をシングルハンドで出来ました。
一回でも成功体験があれば、次はもっと上手にできると思います。油断大敵ですが・・・。

ところで、>その後ちょっと問題発生したのですが、まもなく解決して
と書きましたが、
実は帰航時、急にエンジン停止してしまったのです!
湾内なので、ヨットクラブの管理人さんに電話してレスキュー頼もうと思ったら、スマホが熱をもって使えず!
もともとセーリングするつもりがなかったのでセールを揚げる準備をしていないので帆走もできず!
仕方なく一番近くのヨットまでボートフックを櫂にしてえっちらおっちら漕いで近づくことにしました。そのヨットの人には管理人さんへの連絡を頼み、もう一艇の人はテンダーで駆け付けてくれました。
結局、風で流され京急マリーナの桟橋に流れ着き、京急マリーナスタッフの人も駆け付けてくれました。
ヨットクラブの管理人さんもボートで来てくれました。
プロペラに何か絡めたかと疑ったのですが、それは大丈夫でした。

エンジンを再始動したところ、すぐにかかり、そのまま泊地に戻ったのでした。
管理人さんが伴走してくださり、万が一またエンジンが止まったとしても大丈夫な体制でしたが、お世話になることなく船掛りするまでエンジンは動いてくれました。

後刻、元オーナーに問い合わせたところ、以前ウォーターポンプからシリンダーヘッドに入る配管の詰まりによる加熱によりピストンが膨張してシリンダーとの隙間が小さくなり、その抵抗により回転数を下げるとエンジンが停止してしまうというトラブルがあったとのことで、今回も同じ原因ではないかとのことです。エンジンを停止してしばらくすると温度が下がり再スタートが可能になったという現象も一緒です。

予定はしていたことですが、やはり早期のオーバーホールが必要なのでしょう。

そういうことで、エンジントラブルという心配事はあるにせよ、ヨットにおける最大の難関と言っても過言ではない泊地からの出入航(解らん~船掛り)には自信がつきました。今後もロープをプロペラに巻きつけたり他のヨットにぶつけたりという事故は無いよう安全運航していきたいと思います。



VENT DE FETE ~祝祭の風~

2022-09-24 10:28:53 | ヨット
我らがヨットのVENT DE FETE(バンドフェット)について調べてみました。

単純な(外形的な)印象としては、リベッチオをひと回り大きくしたヨット。という程度の認識しかありませんでしたが、そう単純なものでもなかったです。


VENT DE FETE(バンドフェット)はフランスのヨットデザイナーGROUP FINOT設計による、ニュージャパンヨット株式会社(NJY)製造によるヨットです。
VENT DE FETE は英語でFESTIVE WIND、日本語にすると「祝祭の風」でしょうか?


ニュージャパンヨット(株)はクォータートンクラスに旋風を起こしたエクメドメール(Ecume de mer 海の泡)を1971年に販売、以降一貫してGROUP FINOTのヨットを造り続けています。
なかでも1978年(昭和53年)『SOLEIL LEVANT(ソレイユルボン26ft)』(朝に昇る太陽)発売
1981年(昭和56年)『VENT DE FETE(バンドフェット30ft)』発売。
1983年(昭和58年)『LIBECCIO(リベッチオ26ft)』(地中海に吹く南西風)発売。
1985年(昭和60年)バンドフェットの姉妹艇『Esprit du Vent(エスプリデュバン30ft)』(風の魂)発売。
この頃が最も多く進水させた時代だったのではないでしょうか?
結果的に我々が後年手に入れることができたヨットもこの時代のヨットになりました。
すなわち、1978年発売の『ソレイユルボン』と1983年発売の『リベッチオ』で、このたび手に入れたのが1981年発売の『バンドフェット』というわけです。サイズの違いはあれ、バンドフェットはソレイユルボンとリベッチオを足して2で割ったようなヨットである気がします。外観はリベッチオとの相似形のような感じですが、性格的にはソレイユルボンの安定感を備えている気がします。グループ・フィノのWebサイトには「A great classical boat」と注記されています。


日本の「A great classical boat」であるSK31(渡辺修治氏設計)のバラスト比が45%であるのに比し、バンドフェットは44%とほぼ同じ。フィノが同時期に設計したComet30で37%。オーソドックスなヨットの代表格パイオニア9が34%。強風に強いヨットで定評あったスカンピでも38%ですから、バンドフェットがいかに腰の強い(重くて安定性がある)ヨットか分かります。

なお、1985年には『エスプリデュバン30』が発売されましたが、この船はバンドフェットと同じ船型でセール面積を大きくして、船体・バラストを軽くしてパフォーマンスを向上させたヨットになっているようです。外観的にはドッグハウスが小さくなった分サイドデッキが広くなって動きやすいです。現在NJYが製造しているのはエスプリデュバンⅡとしてバージョンアップ版が販売されています。
NJYのヨットはいずれもクルージング向きの中庸な性格のヨットが多く、エクメドメールからNJY(そしてfinotデザイン)のヨットばかりを乗り継いでいるというヨット乗りが多い気がします。(前オーナーもそうです。)レースに興味のない私も意識したわけではないのですが、結果的にそうなったようです。



<Specifications>
Overall length   8,98 m
Waterline Length 7,50 m
Beam 3,10 m
Draft 1,75 m
Displacement 3,050 kg
Ballast 1,350 kg
Sail Surface 17.35+33.21m2
Spinnaker 74 m2
Berths 5




台風舫

2022-09-21 21:59:51 | ヨット
台風14号は、各地に被害を出しましたが、少なくとも三浦半島においてはほとんど
被害はなく、風も強めではあったけど暴風クラスではありませんでした。雨も一時
強く降りましたが大雨被害というものも聞いていません。(9月20日(火)午前9時に
日本の東で温帯低気圧に)

そんな台風14号ですが、18日には諸磯(MYOC)に台風に備えた養生(台風舫)に行ってきました。

本当にヤバイ時はクラブ員総出でロープを張り巡らせるそうですが、今回は心配な人だけが三々五々集まったのみ。
管理人のHさんからは『①デッキ上の風で飛びそうなものは片づけること。②フェンダーはしっかり縛っておくこと。③増しアンカーを勝手に打たないこと。』を注意されました。
そう言うHさんは、太いロープをテンダーに積んで最前列(一番西側)のヨットの増しもやい作業に出ていきました。

予報では南の風が吹くため、諸磯では陸の影となりますが、個々のヨットからすれば横風を受ける形になるため、隣のヨットとの接触だけは気をつけなければならないので、左右のヨットとの相互もやいをチェックして、等間隔となるよう調整しました。

ファーリングジブは常時降ろしているのでこれ以上やることはないのですが、メインセールのカバーのラッシングが少し甘い気がするので、今一度きつく巻きなおしました。
風上側の船体にマットフェンダーを下げ、万が一接触したときの予防措置としました。


帰りに車中から撮った油壷湾の様子。漁船がぎっしりと避難してますね。


諸磯へ

2022-09-18 15:04:16 | ヨット
先年LIBECCIO(リベッチオ)というお気に入りの26ft艇を手に入れ、T島氏という共同オーナーを迎え、ぼんやりと『後10年位は続けたいなあ。』と考えながら、現状のヨットライフには100%満足していたのですが・・・・


以前からのヨットの知り合いで、諸磯でVENT DE FATE(バンドフェット)を楽しまれていたS氏から、『まだまだヨットには乗っていたいと思っていたところ、急に体の具合が悪くなり、続けるのが困難になってしまったので、後継者になってほしい。』旨の連絡があり、LIBECCIOに後ろ髪引かれる思いではあるものの、相模湾でヨットに乗りたいという思いが勝ってしまったのです。LIBECCIOの兄貴分的なVENT DE FATEであっ
たことも決心を後押ししました。


LIBECCIOを売ろうと決心し、売りたし広告を出したとたんに買い手が現れあっという間に売れてしまいました。LIBECCIOの人気をあらためて思い知ることになりました。


いっぽう、VENT DE FATEについては、実際に乗ってみると、隅々まで気を使ってメンテナンスされていることがよくわかり、Sオーナーのヨットへの愛情を感じることができました。
中古品というのはヨットに限らず車でもなんでも、メンテナンスがしっかりしているかどうかは非常に大事で、今回信頼できる知人から購入できたのはほんとうにラッキーだったと思います。


Sオーナーの勧めでこの機会にエンジンを完全オーバーホールすることになり、本格的に乗るのはもう少し先になりそうですが、この艇の扱いに慣れるために色々触ってみることにしています。


その1 テンダーの扱い
諸磯のヨットハーバーは海上係留で、ポンツーンではなくテンダーを漕いで乗り移る必要があり、テンダーの扱いには習熟する必要があります。
幸い私は、初めてのクルーザーはテンダーで乗り移る方式で、新人クルー時代にたっぷりと練習したので技術的には大丈夫なのですが、体力は確実に落ちたし、ゲストを乗せる機会も多くなるので、安全安心の漕船ができるようにしないといけません。
共同オーナーのT島氏はディンギー経験があるけれど、このテのテンダーには慣れていせん。でも数回の練習ですっかり慣れたみたいです。
幸いにもテンダーを漕ぐ距離はごく短いので、常に慎重に漕船すれば問題ないと思ってます。

その2 入出航
前後のアンカーから伸びるもやいロープで係留している諸磯では、出航時はもやいロープを放して、十分に水中に沈んだことを確認して出航します。エンジンでプロペラを回すタイミングが早すぎるとペラにロープを巻き込む事故になります。
入港時は一つだけ浮いているブイを拾い上げて、そこにつながる全てのもやいロープをすみやかに引っ張り上げる必要がありますが、これも引き上げるタイミングが早すぎるとペラにロープを巻き込む事故になります。
要するに「習うより慣れよ。」ということに尽きるのですが、慣れる前にロープをプロペラに巻き込むトラブルには遭いたくないので、事前のシミュレーションをしっかりやっておくことと、風の弱い日を選んで練習することが大事かと思います。
あと、この艇の挙動を知ることも大事かと思います。つまり、北西の風のときと南西の風のときに、船がどう流されるのか?フォールディングプロペラは前進後進のときどんな動きの特徴があるのか?
(バース付け直前のバンドフェット)


その3 ジブ(前帆)を揚げる
諸磯ではファーリングジブが風で開く事故予防のため、ジブの巻きっぱなしが禁止です。
そのため、出航のたびに巨大なジェノアを揚げる必要があり、2人ならなんとかなりますが、シングルハンドではほぼ不可能です。
多少面積は減っても取扱いの楽なワーキングジブを工面してひとりでも揚げられるようにできないか検討中です。


その4 海面を知る
諸磯・油壷~小網代はヨットのメッカですが、漁業のメッカでもあり、観光のメッカでもあります。
そのため海岸線は複雑で美しいのですが、暗礁も多く、座礁には細心の注意が必要です。
定置網も、「漁師の嫌がらせか?」と勘ぐってしまうほど張り巡らされていて、これまた最新の注意が必要です。
それらをクリアーすれば、あとはどこまでも相模灘が広がっています。本船がほとんどいないのもこの海域の特徴です。


その4 ギャレーを活用する
恥ずかしながら、船内料理というのは今までほとんどしていなくて、コンビニで買ってきたものを食べるばかりで、クルージング先でも港近くの料理店で食べることが多いのですが、Sオーナーはギャレーを活用してまめに料理をされていることに驚きました。
船も大きくなったし、諸磯では出航回数はどうしても落ちる気がするので、少し本気で船内料理に取り組もうと意気込んでおりますが、・・・はてさてどうなることやら(笑)

その5 ヨット文庫開設
自宅には結構な数のヨット 関係の書籍があるのですが、この先どうしようかなあと思っていましたが、キャビン内に書棚にできるスペースを見つけました。(まだスペースの余裕あり!)
”この棚に収まる範囲内”でヨット文庫開設します(笑)


ビヤ缶レース(Beer can racing)

2022-09-10 07:59:40 | ヨット
アメリカにはビヤ缶レースBeer can racing)というカジュアルなヨットレースがあるそうです。
賞品は「缶ビールだけ」だからというのがその名の由来だそうです。


"wikipedia"の"Beer can racing"のページの"External links"に
「The Ten Commandments of Beercan Racing」という資料がリンクされています。ちょっと古風な英語が分かりにくいけど、これぞビヤ缶レースの真髄という十か条が書かれていて面白いですよ。(要するに、安全に、リラックスして、楽しもう!ということが書かれてます。)
ココ→をクリック

例えば、ハワイ・オアフ島にあるWaikiki yacht clubのFriday Night "Beer Can"Racesは、週末の”more competitive weekend regatta”とは別に行われる気楽なレースで、金曜日の夕方4時に集まって、Ala Wai Harbor沖とDiamond Head ブイ又はHonolulu Harborのマーク間の2~3海里程のショートコースで競うようです。むしろレース後のクラブで飲むビールのほうがお目当てなんでしょうね。



こんなレースが日本でもあったらいいねぇ・・・なんて思ってたら、日本にも「ビール」ならぬ「ウィスキーレース」というのがあったという情報を得たので、その話を紹介します。


小網代ヨットクラブで1970年代後半に、NORC主催のレースとは別に、もっと気楽なレースを楽しもうということで、通称「ウィスキーレース」という名前のレースを始めたそうです。
参加料はウィスキー一本、優勝艇がそのウィスキー取り切りとする。」がその語源。
スタート定時、フィニッシュ自己申告、小網代防波堤延長線上がスタート/フィニッシュライン、葉山定置網がマークという簡単なルールで、レース終了後は優勝艇に集まって酒盛り!そのウイスキーはほとんど空に!
・・・・・そんな時代があったのですね〜。


私はヨットレースには興味がなく。いわゆるクラブレースに年一回出るか出ないか程度のデイセイル派のヨット乗りですが、こんなレースならやりたいなぁって思いましたよ。