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マハロ船長の航海日誌2

ホンダワラ類の流れ藻

ヨット乗りによるSNSへの投稿記事を読んでいると、海藻の巻き込みについて書かれ
ているのをたまに目にすることがあります。

これはホンダワラ類の流れ藻が海上を固まって流れているのに気づかず、プロペラに巻き込んでしまう事故で、小馬力でペラの位置が比較的水面近くにあるヨットの場合は、表層に浮いている藻を巻き込みやすく、少しの量でも巻き込むとスピードが落ちてしまいますし、大量に巻き込んでしまったらそれこそ大事故につながってしまうかもしれません。

ちなみに、少量なら前後進にギヤを入れ替えればとれるようですが、しっかりと巻き込んでしまったときは潜って手作業で取り除くしかないようです。

私は、機走で流れ藻を突っ切らなければならないときは、ペラの回転を止めて惰性で横切るようにしています。

この船型なら、巻き込みにくい。


この船型は、巻き込み易そうです。



漁船やプレジャーボートに嫌われる流れ藻ですが、これは流れ藻の正体であるホンダワラ類の生態によるもので、生態系の維持のためには仕方のないことのようです。

ホンダワラ類は、岩礁で育ち、春に成熟して幼胚を散布すると、岩から剥がれて流れ出し、流れ着いた場所で残っていた幼胚を更に散布するため、藻場の拡大に大変重要な役割を果たしているのだそうです。(てっきり、海が荒れて海藻が剥がれるのだと思っていました。)
藻場の減少は「磯焼け」と言われ、近年の漁獲量の減少の原因にもなっているそうです。
そのため、人口岩礁に流れ藻を集めて、人工的な藻場づくりの取り組みをしているところもあるようです。

海藻類のCO2吸収効果を熱帯雨林と比べた結果、ホンダワラやワカメは約2倍以上のCO2吸収効果があるそうです。
また、流れ藻はやがて枯れて海底に沈んでしまいますが、CO2を吸着して海底に運ぶ機能もあるらしく、厄介者扱いしちゃいけないのです。

ホンダワラ類には食べられるものもあり、アカモクなどは、最近は地元でも商品化されて売られているのを目にすることが多くなりました。


ところで、ホンダワラ類は、英語でSargassum。そう、バミューダトライアングル(魔の三角海域)にある"魔の海"サルガッソー海とは、流れ藻が大きな渦のような海流の関係でこの海域に溜まったものなのです。


伝説では、---無風のサルガッソー海で帆船が何週間も動けずにいる間に船体に海藻が絡みつき、船が航行できず、船乗り達は水と食糧の不足でしばしば全滅し、幽霊船となって長い間この海域を彷徨うが、やがて帆が腐り、マストが倒れ、最後には脱出できぬまま沈んでいったとされる。---

コロンブスも航海記の中で、海藻が多く浮遊し、凪が多い海域として記録していますが、魔の海伝説は、どうやら都市伝説のようです。

この海域は世界有数の透明度を誇るきれいな海でもあるそうです。


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コメント一覧

マハロパパ
Hiloさん
アカモクもホンダワラも、見た目はほとんど一緒らしいです。
でも、ホンダワラの食感は「シャキシャキ」
アカモクは「ネバネバ」なんですね。
アカモクの方が健康に良さそうですね。
マハロパパ
船乗り言葉で「ワッチ」・・・すなわち「見張り」・・・が大切です。

船舶同士の衝突事故のほとんどが「見張り不十分」です。

ホンダワラ対策も「見張り」に尽きますね。
Hilo
「あかもく」はホンダワラの仲間なんですね。
先日「あかもく」が販売されているのを見てどんな味がするんだろうと思っていたところでした。
行燈入道
たかが海藻と馬鹿にしていると、命すら落とし
かねないのですね。でも地球環境に優しいから、
無下にもできない・・
早い話が充分注意して、進むしか無いのですね。
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