■□ CANVAS F20 □■

サワノのお気に入りだけで構成するブログ

百万円と苦虫女

2009-09-15 | 文化・芸能
「百万円と苦虫女」を観ました。

「女優とは 女であることを売りにしない人」
美容院でなんとなく読んでいた雑誌のインタビューで
確かそんな風に答えていた蒼井優という女優さんは
ドラマや映画を見る度にいつも違う顔をしていて驚かされる。
何かにおびえていてとても脆かったり、
しなやかにひたむきに一つの道を歩いていたり、
華奢で繊細なのに芯の強いイマドキの人かと思いきや
あり得ないと思える様な元気を兼ね備えて
ある日突然 狂気だったりする。
こういう人って見ていて飽きない。
蒼井優が出ているなら見たいって思えてしまう。
この映画はそんな彼女の魅力満載。

衝撃のエンディング(?)は
森山未来よ、何故ホントの事を言わないっ?と賛否両論ある様ですが
いちお、女性らしい強さで前向きに終わっています。



ホントのことって、ただ伝えさえすればそれでいいのか?
自分の中にあるもどかしさから開放されたいだけのエゴではないのか?
相手を思いやる気持ちを欠いていないだろうか?



↓コチラも見る度に違う顔をする女優、上野樹里。
いや、いいね
こんな女性が増えると日本映画が楽しいね。

....って私、オッサンかよっ!





男 自転車 ふたり旅

2009-08-17 | 文化・芸能
「男 自転車 ふたり旅」。
チェコの風景を見たいという目的で見たTV番組。

名前も顔も よく知らなかったのだけど
(ゴメンナサイ。最近ドラマを見ても年齢層高めの方しか名前が分からない私デス)
狂言師の茂山宗彦サン、俳優の黄川田将也サンが
ウィーンからプラハまでの500キロをロードバイクで駆け抜けるという内容でした。
これが想像以上に面白かった!
ので、またこの番組をTV欄で見つけた時はとびついた。



今回見たのは 俳優の蟹江一平サンと猪野学サンが
北イタリア1200キロを 2週間かけて旅する話。
天候や体力、地形の影響も考えながら
一日だいたい100キロをメドに走っていくプランだったそうです。



最初からテンション高め、
無駄な体力を使いまくる漫才師の様なふたり。
宿泊先のせまい洗面所で ふたり並んで洗濯する姿は
見ている側には暑苦しいけど、仲の良さも伝わってくる。
優しさがココまで伝わってくる様な現地の人との 出会いと別れ。
笑顔と涙



彼らの目的は「観光」ではなく「完走」なので
観光地なんてほとんどスルー。
花の都 フィレンツェでさえスルー。
ストイックな、でも温泉と聞いてついつい寄り道しちゃう様な
実に男のコっぽい旅。





目的地のローマで ふたりが流した涙(と鼻水)には
達成したよろこびと同時に カメラには映らなかった旅の苦労が滲んでいました。
イタリアの美しい景色と、ふたり漫才と、カッコイイ ロードバイク。

今の所、ボヘミア街道編と北イタリア編しかないみたい。
久し振りに もっと見たいなーと思える番組でした。
こんな旅の仕方もあるんだなー







....TVの映像を写真に撮るって難しいなー。



CLASSICS

2009-07-20 | 文化・芸能
先日、乗せてもらった友人の車で
「iPod持ってるなら車で聴けるから どうぞ」と声を掛けてもらった。
確かに長時間のドライブともなると
知らない曲のオンパレードは退屈になってくるかもしれない。
気を使ってもらったわけ。
ありがとう



でも、少し慌ててお断りした。
だって私のiPod、今こんな↓状態なんですってば。



私は運転中に平気で聴きますが、興味が無ければ寝るでしょ、フツー

恥ずかしいことに今までの人生、芸術=美術のみだったので まずは入門編。
ベストクラシック200曲から厳選した100曲ほどを勉強中。
本当は芸術という一つの分野を
音楽と美術、並行して時代背景とともに学んで行くのが望ましいけれど
そんな機会がなかなかナイ気がする。
そしてココまで来るのに私自身、相当な時間が掛かっている。





春の音楽祭で有名な「スメタナホール」を持つ プラハ市民会館には

「プラハに栄光あれ!時代の流れをものともせず すべての紆余曲折に耐えてきた様に」

という文字が刻まれている(らしい)。
当時「プラハの春」から「ビロード革命」までの流れを
触りだけでも知りたいと思って調べ始めていた私は
これを知った後にスメタナの「我が祖国」から「モルダウ」を聴いて涙が出そうになりました。

ちなみに「Moldau モルダウ」はドイツ語。
現地チェコ語では「Vltava ヴルタヴァ」。
私がドレスデンで見てきたエルベ川の支流、大陸ってすごい。

いつかこのホールで(このホールでなくともプラハで)スメタナの曲が聴きたい。
たくさんの楽団が毎日観光客相手にコンサートを開いているプラハで
これはそれ程難しい夢ではないと思うけど。



やはり芸術を理解するには
いや芸術のみならず何事にも、直感的、感覚的な捉え方には限界がある。
タテとヨコの繋がりを知ることは必須。
まだまだだな、私がんばろー。

今日は気になっていたラヴェルのアルバムを買ってみました。



たからもの

2009-01-25 | 文化・芸能
驚いたことに、ごくごくつい最近まで「崖の上のポニョ」が上映されていました。
コレ、「夏休み映画」だったハズ。
まだやってるんだなぁと思ったのは12月冬休みでした。
いまやもう宮崎駿氏の名前を知らないヒトはいないくらい、
いや 宮崎さんを知らなくても子供ならみんなポニョを知ってる様な
日本のアニメ界を代表する方です。
このポニョの出現により記録は更に塗り替えられたかもしれませんが
日本で公開された映画の興行成績は1位 圧倒的に「千と千尋の神隠し」
2位「ハウルの動く城」3位「もののけ姫」と
1~3位を宮崎アニメが独占しています。



私が宮崎駿さんを知ったのは小学生の頃。
近所で「とっても良い映画」を上映するらしいと聞いて
幼なじみと出掛けた様なかすかな記憶があります。
それが1984年に公開され91万人を動員した「風の谷のナウシカ」です。
私はアニメーションよりもイラストの深く澄んだ色彩が好きでした。
こんな世界を描くにはどんな勉強が必要なのかと
宮崎さんの出身大学を調べたことも覚えています。
私は小学2年生で美大に行こうと勝手に決めていたので
こういうことは抜け目なかった、笑。
ところが学習院の政治経済学部卒でした。
当時の私は「セイジケイザイってなに?!」と聞いてその答えにガッカリ....でした。
それからしばらくして小学校で隣の席になったYちゃんにオススメされたのが
1986年公開、77万人を動員した「天空の城ラピュタ」。
当時は地の果てかと思う程遠いレンタルビデオ屋さんに行き
すっかり熱をあげたYちゃんと私は
一緒に熱烈ファンレターを書いてポストに投函しました。

そんなカワイイ小学生時代。
ある日 家に帰ってくると母が「たからものが届いたよ」と。
「たからもの?」
そう、たからもの。
今となってはこの表現がとってもしっくりくる。
なんだと思います?
























答えはコチラ↓



そう、すっかり忘れた頃になんとお返事が届いたのです!
てか、宮崎さんから直々のお返事です。
表面の差出人スペースにはご本人の住所まで書かれていました。
同じ日、同じモノがYちゃんにも届いていました。
翌日さっそく学校でYちゃんと見せっこ。
子供の私達がどんなに嬉しかったか、想像してみてください
子供の純粋な「すきーっ」という気持ちに
ちゃんと答えてくださったんです。
こういうこと、大人って分かっていてもなかなか出来ない。
しかも多忙な方です。

当時の私は子供心に キラリと光る熱烈ファンレターを書いたんだ!
という満足感でいっぱいでしたが
おそらくそうではなく 私がごくごく普通の何処にでもいる子供だったからでしょう。
↓シータUP



「すてきな少女時代が あなたにありますように」
とても良い言葉をいただきました。
その言葉を理解するには 私が少し大人になる必要がありましたが
非常に感受性豊かな少女時代だったことは間違いないと思います。

ポニョの制作過程を紹介するTV番組の中で 
5歳の子供にとって意味のあること、意味のある言葉、を
真剣に悩む宮崎さんの姿を見ました。
小学生の私にとって このハガキは意味のあること、意味のある言葉だった。
今も変わらず子供にとっての意味を探す方だな、という気がして嬉しかった。
私はこんな大人になりたい。



BLOOD DIAMOND

2009-01-18 | 文化・芸能
「洗脳すれば少年達は もっとも残虐な殺人マシンになる」
「彼等にとって暴力はファッション」

そんな衝撃的な言葉を聞いたのは数ヶ月前。
なんとなく見ていた「世界◯受けたい授業」というTV番組でした。
これは自らを「紛争屋」と称する伊勢崎賢治さんの言葉で
この方は国際連合平和維持活動(PKO)で世界の紛争地域に赴き、
武装勢力にそれを解除するよう働きかけてきたスゴイ人です。

「武装解除する」と表現してしまえばカンタンですが
伊勢崎さんの言葉を引用すれば
「武装解除の作業は、国連の多国籍軍を後ろに控え、
この盗賊集団のような現場の指揮官・隊長のところに出かけて行き、
投降するよう説得をする。
多国籍軍は、あくまでバックに。
僕たちは、素手で、完全武装している相手に立ち向かうわけです。
武装解除の説得は、朝から麻薬でラリって目の焦点が定まらない、
それも装填した小銃を目の前で弄んでいる連中を相手に、
こちらは非武装で話しかける。
これを辛抱強く繰り返すのです。」
と言うのですから そんなヒトが日本人で存在するの??という感じでした。

伊勢崎賢治さんについて調べているうちに
ブラッド・ダイヤモンドという映画が浮かび上がりました。
ダイヤモンドの採掘権を巡って政府と反政府勢力による
内戦が激化した頃の西アフリカ、シエラレオネという国が舞台で
国の天然資源であるはずのダイヤが
外国人によって国外に持ち去られていく状態が話のベースになっています。
この違法行為を見て見ぬ振りし続けたのは当時の腐敗した政府で
賄賂さえ支払えば警察も役人も税関も買収できた様です。
その紛争ダイヤが武器の購入資金、内戦の資源になりました。
「紛争ダイヤモンド」とは発掘される宝石のうちでも
紛争当事者の資金源になっているものを指す代表格で
実際のダイヤモンドに限定されていません。
それをブラッドダイヤモンド(血塗られたダイヤモンド)などと呼んだりするようです。
アフリカでは昔から 象牙、金、石油等の貴重な資源が見つかる度
常にそれとは無縁の人々が犠牲になってきました。

映画の中で「RUF」という組織が出てきます。
何も知らずに映画だけを見れば 村を襲撃して殺戮・略奪を繰り返し
村人を奴隷にしてダイヤを採掘させ
拉致した少年を少年兵に育成する反政府ゲリラ組織なのですが
RUFとは「Revolutionary United Front」、革命統一戦線の略で
もともとはこの腐敗した当時の政府に対する「革命戦士」だったのです。

最初に書いた「殺人マシン」や「暴力」という衝撃的な言葉は 
このRUFに洗脳されていった少年達のことでした。
少年の暴力に対する軽い憧れは(例えば戦闘ゲームやモデルガン)
兄の少年文化に色濃く影響されてきたので理解できます。
暴走したRUFゲリラはこの暴力をファッションにし
腐敗した政治に将来が見えない、希望が持てない子供達の革命思想を利用し
これ以上がナイ程の残酷な行為を繰り返していきました。
TV番組内で伊勢崎さんが「TVで言えるのはこの程度」と話してくださった
彼等の行為を私はココに書き残すことも出来ません。
分かりやすく解説しているブログを見つけました→コチラ

結局、アメリカの介入により
このRUFの指導者をシエラレオネの副大統領に就任させ
少年兵に至るまで内戦中の全ての犯罪を恩赦するという
理解し難い「取り引き」により内戦はカタチだけの終焉を迎えました。
伊勢崎さんの「武装解除」はこの「取り引き」の上で成功し内戦終結へ繋がりました。
「説得だけで収まるような内戦は、この世に存在しません。
戦った連中が、その殺戮行為を反省し、平和の価値を見出し、
戦いが終るなんてナイーブな状況は、絶対に存在しません。
戦いを終らせるのは、「取り引き」です。」
映画ばかり見て夢見がちな私には理解に時間が掛かる程 超現実的な厳しい話でした。
人々の痛みを全く無視した「取り引き」の上にやっと辿り着いた一筋の道なのです。
このアフリカの人々のやり場のない気持ちは何処へ向かうのでしょうか?


2003年、紛争ダイヤの売買を阻止するキンバリー・プロセスが導入されました。
しかしそれをかいくぐって売買されているのが実情です。
そしてアフリカにはまだ20万人もの少年兵がいるそうです。






ブラッド・ダイヤモンドに主演したレオナルド・ディカプリオ。
デカプーと言えばデ・ニーロを食ったとまで評価された「ボーイズライフ」
「ギルバートグレイプ」、人気を不動のものにした「タイタニック」。
大人になったよねー
でもこのテの映画は無理にオススメしません。
興味がなければ残虐シーンばかりの映画です。
もっと詳しく知りたい方にはコチラ→伊勢崎賢治の15歳からの平和学
非常に分かりやすく、映画とあわせるとより一層イメージが掴めます。

更にいろいろ検索してみると
ダイヤモンドという鉱物そのものの価値観は大手流通会社が作った神話であるという話、
宝石業界を敵にまわしかねないこの勇気ある映画への賞賛、
アメリカに次いでダイヤの消費国である日本にとっても他人事ではない、
宝石店の店員でも「紛争ダイヤ」の意味を知らない、など
複雑に絡み合った話が見えてきて興味深かったです。





今年もよろしくお願い致します

2009-01-04 | 文化・芸能
あけまして おめでとう ございます。

明けちゃいました、2009年。
私の年賀状はいい加減届きましたでしょうか?
「今度こそ元旦に届けてもらうぞ!」といつも思いはするものの
そのクリスマスの頃は新年の挨拶気分にほど遠く
毎年のことながら遅くなってしまって申し訳ないデス。
今年の年賀状は倉敷の大原美術館でした。

特別 今年の抱負なんて考えていません
今年も仕事を頑張って、よく学びます。
美味しいモノたくさん食べて、みんなと笑って
それから自分が納得できる様な旅行をします。
それだけ
あ、強いていえば仕事に負けない体力がほしいなー。



ところで ブルーレイがやって来て数ヶ月です。
地デジとかブルーレイとか私はさっぱり分からない(興味がナイ)のだけど
年末年始はよく映画観てました

冷静と情熱のあいだ
クワイエットルームにようこそ
プラダを着た悪魔
ザ・マジックアワー
かもめ食堂
大誘拐 Rainbow Kids
アーサーとミニモイの不思議な国
鉄コン筋クリート
武士の一分
WALL・E ウォーリー
明日への遺言

「明日への遺言」は良かったな。
裁判って何を裁かなければならないものなのか、
戦争とは、敗戦とはどういうことか、ちょっと考えさせられた。
個人的には今年も引き続き緒形拳さん追悼年です。



まだまだ遊んでいたいけれど 明日から仕事デス!
こんな時代ですが、今年も張り切っていきましょー




天城連峰太鼓

2008-10-30 | 文化・芸能
友達のイチオシ、天城連峰太鼓を見に行きました

実は夏にもお誘いを受けていたのに仕事で行けなかったのデス。
今回は20周年記念公演で友達がご招待してくれました
ありがとうー

この天城連峰太鼓は旦那さんが職場で見たのが最初だったそうです。
あまりの迫力に「涙が出そうになった」そうです。
そしてその意味を 開演数分後に知ることになります。

かっっっっっっこいい!!!
非常におとこっちぃ世界。
和太鼓というと男性的なイメージが強いのですが
その中に混じるひと回り小さな 華奢な女性達の勇ましさは感動すらしました。
男性陣のまっすぐ真剣な眼差しに対して
女性陣は笑顔
全身を使った連打は おそらく腕への負担が相当なもの、なのに笑顔。
楽しそうにも見えるのです。

一打一打、渾身の力。
バチの早さに目が追いつかない。
降ってくる音、残る余韻。
人を楽しませることが出来る芸を持っているというのはすごい。

いやー、学びました。
男性陣の真剣な眼差しに混ざっても 女性はやっぱり笑顔でないと!





ってなわけで?女子力低下対策委員会活動↓
2週連続irodoriさんデス



左 友達のマロンショートケーキとロイヤルミルクティ。
右 私のアップルパイ アイス添えとダージリンティ。



友達からお土産にカワイイお饅頭までいただいてほくほく。
んーー、大満足の一日でした


待ってましたっ、高麗屋っ!

2008-10-12 | 文化・芸能
   
   ※追記しました※


人生初の歌舞伎。
松本幸四郎さんの舞台は「オセロー」以来、二度目になります。
すっごく楽しかったぁ!

やっぱりね、歌舞伎の中でも「勧進帳」は一度は観てみたかったのです。
数年前のNHKの大河ドラマも 市川団十郎のパリ・オペラ座公演のTV放送
見ておいてよかった。
ちょうどいい予習になりました。
さて、何故 市川家のお家芸である「勧進帳」を松本家が公演できるのでしょうか?
ちょっと調べてみました。
松本幸四郎家は市川団十郎家と縁が深く弟子筋にあたるそうなんです。
だからかな???




緊迫する安宅の関所での富樫左衛門と武蔵坊弁慶の掛け合い。
もはや勢力を失い奥州に落ちて行く義経を必死に守ろうとする弁慶、
察した富樫は切腹を覚悟で彼等を見逃し、心を動かされて涙を拭う。
なんとか無事に関所越えした一行は静かな浜辺に身を隠し
義経は弁慶の手を取りその知恵に感謝するのです。
ここで終わると思いきや
義経一行の後を追い 酒を振る舞って先程の無礼を詫びる富樫。
気を良くした弁慶は酔っぱらい舞を踊りだします。
舞いながら義経達を先へ急がせ 富樫に礼をする所で
見ている側は 弁慶も又 富樫の情けを理解していることに気付くのです。
手をかざして弁慶を見送る富樫、ここで幕が下ります。
なんてカッコイイ ←....典型的日本人。


弁慶による弁慶のための歌舞伎十八番「勧進帳」で
人気を二分するこの富樫という人物は 富樫左衛門泰家がモデルなのですが
なんと、人名事典にその名前がありませんでした。
Wikipediaでもこの程度(会場で貸し出されたイヤホンガイドによると
これ以降、義経一行と富樫が再び会うことはなかったと言っていましたが
Wikipediaでは再会している様です。
それにしても切腹は免れた様でヨカッタ)。
しかも「初期の演出では、富樫は見事に欺かれた凡庸な男として描かれていた」らしい。
つまり、演じる側と観る側の双方の気持ちの高まりから生み出された
日本人の「情け」の美学であり 歌舞伎ならではのキャラクターなのでしょう。




歌舞伎の素晴らしさを全国に伝えていこうとする
幸四郎さんの「勧進帳」は なんと今日で999回目
そうそう、
富樫が警固する関所にさしかかった義経一行は
弁慶の機転によって「焼失した東大寺への寄付を募る勧進の僧」だとウソをつきます。
持っていた適当な巻物を勧進帳だと言い張り 
疑う富樫の前で さも有り難気に読んでみせる弁慶は 
前半の大きな見せ場になるわけですが
記念すべき1000回は15日、その東大寺で上演されるそうですヨ。



オペラ座de歌舞伎

2007-05-08 | 文化・芸能
写真はパリを走る観光バス、カールージュよりオペラ座。



3月、フランス・パリのオペラ座で
市川団十郎・市川海老蔵親子によるお家芸
「勧進帳」「紅葉狩り」の公演がありました。
当時その様子を一部ニュースで見たのですが
「口上」(役者さんが並んで一人ひと言づつ挨拶をすること)
でのフランス語の舞台挨拶にビックリしたことを覚えています。
歌舞伎役者がそのままの格好で話すフランス語、
なんか妙にハマってしまいました。

オペラ座で歌舞伎が公演されるのは初めてだったということです。
歌舞伎が、というより
「口上」でのフランス語にとても興味があったので(笑)
先日NHKの初日舞台の完全ノーカット放送を見てみました。
役者さんの中には 「オペラ座の怪人のファンなので
この舞台で歌舞伎が演じられるのは大変嬉しいのですが
いつシャンデリアが落ちてくるかと心配でならない」
という内容のコメントで(勿論フランス語)笑いも取っている方も!



いやー、興味深かったです。
普段、歌舞伎の放送なんて見たこと無いですけど。
速攻チャンネル変えてた派ですけど。
でもこれが海外の人が触れる
日本を代表する文化の1つなんだと思いました。
そう思うと知っておきたい気持ちになります。


いつかホンモノを見に行ける機会があるといいな




マリー・アントワネット

2007-02-03 | 文化・芸能
観てきました、ソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」。

っと言ってもソフィア・コッポラだから観に行ったワケではなく、
単純に映画のCMを見てその華やかな映像に目を奪われて
ロココな世界に浸ってみたくなったから デス。
お父様、フランシス・フォード・コッポラの作品と言えば
そりゃあもう「ゴットファーザー」三部作。コレ、本気で全部観てます。
三作目にソフィア、出てましたよね、確か。
主演のキルスティン・ダンストはスパイダーマンシリーズでおなじみです。

この映画の中のマリー・アントワネットは
教科書に出てくるような王妃では意味がないそうで、
パンフレットによると映画の中に効果的に出てくるマカロンなどのお菓子も
実はもっと後世になって作られた様です。
ストーリーとしても歴史に残っている暗い部分は殆ど描かれていません。
「バカみたい」なヴェルサイユでの宮殿生活が主で
彼女の生涯をこの映画で勉強しようとするならば ちょっと違う気がします。
しかしその分非常に解りやすく軽快で、それからまるで「香るような映画」でした。
色とりどりの靴、贅沢にレースが使われた衣装、美しい宝石の数々、
ファッショナブルな髪型、バラの香りのパヒューム、あまーいケーキとシャンパン!
コレ、女の子は誰でも好きでしょう。
この映画ならば浸れます!

詳しくはココ↓をチェック
映画「マリー・アントワネット」HP





マリー・アントワネットといえばウィーンのシェーンブルン宮殿と
パリ郊外にあるヴェルサイユ宮殿。
ヴェルサイユには行けていませんが、近くシェーンブルンには行く予定です。
先日 シェーンブルン宮殿のHPから見学の予約をしました(英語案内有り)。
日本から個人的にも予約出来るなんて
少し以前では全く考えられませんでした、便利な世の中です。
シェーンブルンからヴェルサイユへの婚礼街道

パリでは彼女が処刑される直前まで入れられていたという
コンシェルジュリー牢獄に行きました。
処刑を免れた彼女の子供達のその後も、厳しい人生でした。
現実は重く、華やかなイメージを持つパリの街の中でも「暗」の部分。
こういう場所はかなり苦手なので普段の旅行中はあまり行きません。
コンシェルジュリーという名前は 
その昔コンシェルジュ(門衛)の住居として建てられたことに由来しています。

ついでに勉強しちゃいましょ。→マリー・アントワネット Wikipedia



写真は映画のパンフレットより。





ruokala lokki

2006-12-09 | 文化・芸能
念願の「かもめ食堂」を観ました!
いつも世間の話題から一歩(一歩?)遅れている私ですが 
この映画、もうほんっと好き。
とにかくカワイイ。久し振りにハマってしまいました。
見終わった後もずっとかもめ食堂をのぞいていたい気分です。
というか こんな食堂があったら間違いなく相当の頻度で通っちゃいます。

凛とした小林聡美がカワイイ。
コミカルな片桐はいりがカワイイ。
トボケたもたいまさこがカワイイ。

舞台になっている「かもめ食堂」はフィンランドに実在する
「Kahvila Suomi(カハヴィラ スオミ。カフェ フィンランドの意味)」。
フィンランド人は国や国民を「スオミ」(湖)と自称する様です。
フィンランドといえばサンタクロース、ムーミン!
それからノキア、マリメッコ、イッタラ!
更にカイ・フランクやアールト!
この「かもめ食堂」、
家具や照明、キッチンのお鍋、フライパン、それにもちろん食器類も、
出演者達のブラウスやエプロン、カバンや窓際の植木鉢などの小物まで、
かなり行き届いた演出がされています。さすがです。
おまけに食べ物屋さんのお話だもの、出てくるもの全部オイシソウ

ゆったり流れる時間と、適度な緊張感。
あたたかい人達との交流の中に考えさせられるセリフがチラホラ。


コピーになっている「ハラゴシラエして歩くのだ。」にピンと来た人、
のんびりまったりほんわかしたい人にオススメします




「青魂」尽く

2006-06-28 | 文化・芸能
6月23日、朝日新聞に大きく取り上げられた中田英寿選手。
ブラジル戦で完敗。
残されたかすかな望みも叶わず 「青魂」日本代表は敗退しました。
試合後の10分弱もの間、ピッチに倒れ込んだままのヒデは非常に印象的でした。
これが一体何を示すのか、とても興味深いです。

ご多分にもれず にわかサッカーファン。
いや、日本代表が姿を消してから さっぱり興味が半減した事を考えると
にわかワールドカップ日本代表ファンです。
あれから肩の力を抜いて 世界の強豪のサッカーを楽しもうと思いましたが。
ベッカムもロナウドもジダンもトッティもフィーゴも、
すごいなぁぁ、とは思うものの どうも熱が入らない


翌24日の朝日新聞に 日本代表のワールドカップを見ながら
感じていたことが活字になって載っていたので書き留めてみようと思います。

「脳科学者 茂木健一郎さんの話
決勝トーナメント進出の夢が絶たれた試合を、私は出張先のイギリスのパブで見た。
熱狂はどこの国も同じ。
見知らぬ異国の人に慰められるという珍しい経験をした。

サッカーは個人の主張性や創意に依存する側面が多い。
その時々の状況で取るべき選択肢が変わり、
選手が仕掛けを工夫しなければならない。
昨今のサッカーブームの背後には、
自発的な発想に基づいて個人が活動しなければ発展が見られないという、
時代の要請がある様に思う。

負けて悔しいのは、サッカーには、
体力、精神力を含めた日本の「総合力」が反映されてしまうからではないか。

自由奔放なプレーをするブラジルを前に、根回をしたり、様子を見たり。
代表チームの戦いぶりに、
容易には変わらなぬ日本の自画像を見ている様な気分になったのは私だけだろうか」





 

ライオンキング

2006-06-05 | 文化・芸能
半年前からネットでチケットの予約をして
昨日、劇団四季の「ライオンキング」を見に行ってきました

そうそう、NYのブロードウェイで
英語が解らなくても何とかなりそうと選んだミュージカルも
ライオンキング。
これは正解。
ライオンキングは言葉の壁を越えます。
これが私にとっての初めてのミュージカルではないかな??
ブロードウェイのライオンキングは それはもうスゴかった!
始まって10分もしないうちに オープニングの段階で感動のあまり泣いてました
もう楽しくて楽しくて それ以外の表現が出来ませんでした。

今回の劇団四季は ブロードウェイと比較なんかしながら冷静に鑑賞出来るだろうと、
出来るだろうと・・・、・・・思っていました。
・・・でも同じ様にオープニングの段階で涙出てました
当たり前ですが ブロードウェイ同様、完璧です。
キャストは勿論、舞台装置、衣装、オーケストラ、照明、全て完璧。
細かいところも行き届いた 完璧なエンターテイメント。
アニメとは違い、生身の人間が演じる動物達ですが
人間の身体の美しさまで演出されています。

劇団四季とブロードウェイのライオンキングを観比べてて思ったのは、
黒人の存在。
もともとアフリカが舞台のお話だからかもしれませんが
彼らの声量、リズム感、息使いが伝わる様な躍動感は 
さすがの四季も敵わないかも。
しかし 見終わった時には何故劇団四季に子役から入らなかったのかと
悔やまれてなりなせんでした。←ばか。
また機会があるなら 今度は2階席の最前列で
舞台装置を主に鑑賞してみたい!!



何しろ初めて見たライオンキングのミュージカルが英語だったので
「日本語」だという事が嬉しかった!
NYではCDを購入して たまに聴いていましたが
その歌詞の意味を初めて理解しました・・・
ありがとう 劇団四季!