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命のカウントダウン2(健康余命630日

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お盆休みについて

2024-08-07 22:25:17 | 外来診療
来週お盆ですよね。
皆さんはお盆の期間中どのように過ごされるのでしょうか?
一般的に8月13日から16日までの4日間を盆休みとする企業が多い様です。
土日が休みなら、今年は9連休!!
羨ましい限りです。

医療機関でも、開業医=診療所は、その4日間休診にするところが多いです(9連休にするところも結構あります)。ですが、病院特に公立病院は休みません。
病院というのは、病床19床以上あることが条件です。18床以下は病院ではなく診療所(有床診療所または無床診療所)。
病院であれば入院患者がおられるので、外来を休みにしても、入院患者を診なければいけないので、外来を休む意味が低いのかもしれません。18床から1床の有床診療所もありますが・・・・診療所の大多数は無床診療所です。有床診療所は、産婦人科が多いです。

そんな理由もあって、病院は休まないところが多く、診療所やクリニックは盆休みを取るところが多いです。ですが、決まりはありませんので、対応は個々でまちまちです。

我が坂根医院、年末年始、日曜祝日、木曜に加えて、奇数週の火曜日も休診と、普段の休みは多いのですが、平成10年:1998年の開業以来、お盆休みいただいたことないです。従業員からは顰蹙を買っていますが、その分、色々な面で他医療機関よりも待遇を良くしてマイナスを埋めております。そのせいか、ここ15年ほど、70歳以上の年齢が原因で辞めた方、辞めていただいた方はおられますが、それ以外の退職者はゼロです。すみません、一人、50前後で退職された方がおられました・・・癌での死亡退職でした。それだけです。その方以外、70歳以下では辞めた方いません。メンツが変わらないので安心感があると好評です。

話がそれてしまいました。坂根医院はお盆休みは取らないという話でした。勿論、今年もお盆は休みません。いつもの通り診療します。即ち、15日は木曜なので休診ですが、13日、14日、16日、17日(午前中のみ)しっかり診察させていただきます。周囲が休んでいるので混むだろうと思われるかもしれませんが・・・毎年ガラガラです。

盆休みを取ると思われているのでしょう、今週はとても混んでいます。先ほど言ったように、お盆期間中は、他の医療機関が休みなのに、混みません。そして、お盆期間の次の週に「お盆の期間、休日診療所も開いてなくて困りました。」と言われる方が多数来院され混みます。「近隣の病院で盆休みとる病院は無いですし、うちも開いてましたよ。」というと、「えーっつ知らなかった。それなら来ればよかった」と言われます。そんなことが25年間続いております。

お盆だからといって、銀行も公立施設(県庁、市町村庁など)、郵便局休まないじゃないですか。坂根医院も休みません。坂根医院には入院患者はおられませんが、在宅患者が36名おられます。なかなか遠出出来ない理由です。(隙を縫って、遊びに行ってますけどね!!留守番、友人医師たちに頼むこともありますが、何といっても一番頼りにしているのは訪問看護です!!いつもありがとう!!!勿論、訪問看護も盆休みとりませーン!!取れませーン!!)

ハリスの旋風は吹くのかなぁ。(吹いて欲しいけれど、多分・・・・)

2024-07-24 00:36:38 | 外来診療
海の向こうで、結構難儀な騒動が起きているらしいです。
色々な動きはあるのだろうけれど、残念なことに、現状ではほぼ確トラみたいですね。
シンゾー・アベの居ない日本国としては、びくびくして4年間過ぎるのを待つしかないのだろうか。

漫画から抜け出て来たとしか思えない、Shohei Ootaniみたいなアメイジングな「政治家」は出て来てくれないものか。石丸さん、分かりやすく演じてくれていて、結構好きだけれど、打球を140m以上かっ飛ばす化け物ではないですよね。

ドンガ ドンガラガッチャ♪と、ハリスの旋風で現実世界を吹き飛ばして生きてくれたのは、現実の人間ではないのでしょうね。

海の向こうの現実世界のハリスさんは現実に根を生やした堅実な方だそうだから・・・トランプの呪術をひっくり返すことは出来ない様に思えます。

私、トランプどうにも好きではないので、何とかならないのかなぁとは思うのですが・・・何とも難しそうですね。 あぁ、嫌だ嫌だ!!




[Harris no Kaze / ハリスの旋風] (1966) 第17話 「おれは決闘にいく!」

高血圧、なぜ治療するの?

2024-07-21 22:25:58 | 外来診療
高血圧、高脂血症(脂質代謝異常)、糖尿病、これら生活習慣病と呼ばれる疾患、基本的に自覚症状ありません。

血圧が高いと頭痛、肩こりなどが出現することもありますが、200mmHg を超える重症高血圧でも自覚症状ない方も多いです。糖尿病も喉が渇く、多飲多尿などの自覚症状が有名ですが、そんな症状が出る方は相当重症な方です。HbA1cが8%程度までなら、自覚症状ない方が殆どです。高脂血症(脂質代謝異常)で自覚症状のあるかた、私知らないです。総コレステロールが300以上だったり、中性脂肪が2,000異常だった方も自覚症状なんてありませんでした。

しんどくもないのに、何故治療が必要だと医者は口を揃えて言うのか?医師の生活のためにそんな事を言うのだという意地悪な見方をされる方もおられます。でも、それは違います。医者はそんなに食い詰めてはいません。

血圧が高いと死亡率が高くなる。以下のグラフは日本人が対象でしたが、世界中で確認されている事実です。

高脂血症(脂質代謝異常)、糖尿病でも同様に正常値から遠ざかると死亡率が高くなることが分かっています。死亡の原因はいずれも動脈硬化が進行悪化することによる血管疾患 すなわち、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞などです。


生活習慣病を是正すると、(そして禁煙すると)健康寿命が延びることが分かっているのです。
「長生きはしたくない。ある程度のところで、コロリと死にたい。」と言われる方、多いです。そんな方に「それならば、血圧を上げてコレステロール、中性脂肪も上昇させて、血糖もあげましょう,尿酸も上げて喫煙もすればperfect!!。そうすれば、長生き出来ないでしょうし、何かあった時に救急車を呼ばなければ、コロリと死ねる可能性が高いです。」
と、申し上げるのですが、この提案に乗って来られた方は今のところおられません。多分ですが、そんな方は医療機関を受診されないのでしょう。

結局のところ、自分の将来に対する考え方次第だと思います。健康寿命を延ばしたければ生活習慣病を治療すべきだと思いますし、そうでないのなら、放置する、あるいは悪化させるのも生き方の一つでしょう。

生活習慣病の治療は、生活の改善がその第一歩です。生活改善しても是正しきれない場合に服薬治療があります。
薬を飲むことに否定的な方多いです。でも、最近の薬は優秀です。昔の様に「強い効果のある薬は副作用も強い」なんてことが無い、非常によく効くのに副作用が少ない薬が多く出回るようになりました。平均寿命の延伸は、栄養状態の改善と生活習慣病に対する薬の進歩によるところが大きいと私は感じています。生活改善だけで正常値にまで持って行ければいいのですが・・・なかなか困難です。
しかし、最近の薬は優秀なので、1日に1回か2回薬を飲むだけで生活習慣病のほとんどは是正し、健康寿命を延ばすことが可能です。(多くの医師はそう信じています。)

生活習慣病の服薬治療、暫く途切れていた方が来院されると、すみませんでした今度からきちんと飲みます と、謝られます。

私はキョトンとした顔で「私は痛くもかゆくもないです。貴方自身の事なので、この先も好きにされればいいですよ。」と言います。何故謝られるのか、理解できないです。

健康寿命の長かった人は、逝く時もコロリと楽そうに逝かれる方が多いと感じています。私は、自分がかかわった方に、元気な生活を出来る限り継続してほしいと思いますので、生活改善、服薬治療をお勧めします。ですが、どうされるかはあなた次第です。だれも強要しませんし、罰も与えません。

さて、あなたはどうされますか?


松山千春 つま恋 南こうせつ③

熱中症か新型コロナか

2024-07-20 22:27:12 | 外来診療
熱中症だと思います 熱っぽいし、だるいし、頭が痛いです 点滴してください

と、院内に入ってこようとされた患者さんに、新型コロナが否定できないと院内に入ってもらうことが出来ません。新型コロナの検査をして陰性であれば入っていただきます。と、言いました。

コロナなんて、周りにもいないし、何処にも行っていないし・・・
暑いところにいたし、こんなん熱中症やん。点滴してくれたらすぐ直るのに・・・
と、検査を受けることに不満を抱いておられました。
でも、院内には感染弱者も多くおられますので・・・と言って、半ば強引に新型コロナ抗原検査を受けていただきました。すると、直ぐにTの文字の下に赤い線が出てきました。
陽性反応:すなわち新型コロナ感染症です。
症状からは全く判断出来ないです。熱中症+COVID-19という可能性も大いにありますしね。


最近の新型コロナ(その多くはKP.3株)の特徴として、咽頭痛が挙げられています。確かに咽頭痛を訴える方は多いのですが、中には咽頭不快感すらない方もおられます。

症状だけで新型コロナと熱中症、唯の風邪を見分けるのは無理です。
それどころか、どう考えても感染性胃腸炎だろうと思われる、下痢、腹痛、吐き気を訴える患者さんの中にも新型コロナ患者が混じっています。腹部症状が新型コロナの症状なのか、ノロウィルスなどの感染性胃腸炎ウィルスとの混合感染なのか、これも分からないです。

熱中症のような症状で、危険なところに出かけたつもりはなくても、新型コロナに感染している可能性はあります。TVなどでは、危ういと思ったら、何らかの症状があったら、早く検査を受けてくださいと言っています。

でも、今、検査だけでも3千円以上かかりますし、新型コロナに直接効く薬、抗コロナ薬、高いのですよ。

ゾコーバ(例えば5日分の薬が処方される場合)
薬の価格 およそ5万2000円
医療費の自己負担割合
▼1割の場合 およそ5200円
▼2割の場合 およそ1万300円
▼3割の場合 およそ1万5500円
ラゲブリオ(例えば5日分の薬が処方される場合)
薬の価格 およそ9万4000円
医療費の自己負担割合
▼1割の場合 およそ9400円
▼2割の場合 およそ1万8800円
▼3割の場合 およそ2万8200円
パキロビッド(例えば5日分の薬が処方される場合)
薬の価格 およそ9万9000円
医療費の自己負担割合
▼1割の場合 およそ9900円
▼2割の場合 およそ1万9800円
▼3割の場合 およそ2万9700円

この代価を支払う気がある方は検査を早く受けるべきだとは思うのですが・・・
こんな高い薬要らないと言われるのであれば、検査を受けて陽性だと分かっても、解熱剤での対症療法だけとなります。

それなら、医療機関を受診せず、アセトアミノフェンなどの市販の解熱剤を使って自宅療養して周囲に感染を広げない様にすることも賢明な選択肢なのかなとも思うのです。

いずれにせよ、2024年夏の新型コロナ感染の波(第11波)は拡大しています。不織布マスクは上手く使えば感染予防に有効です。これからの感染拡大期、人の多いところに出かけたら、コロナはどこかに潜んでいると考えてください。要領よく感染から身を守って、社会生活を維持していきましょう。



失神について

2024-06-26 13:56:54 | 外来診療
20代前半の女性、母親に付き添われ、硬い表情で診察室に。
相当に深刻な事態なのか、私は思わず椅子を引いてしまう。私、シビアな話は苦手なのだ。職業上とてつもなく逃げがたい話題に対峙せざるを得ない事もしばしばなのだけれども。それでも、出来たら避けたいと思っているのです。

「どうしました。」
親子で目を合わせた後で、「倒れたんです。電車の中で」と、娘さんが か細く呟いた。
「意識がなくなったんです。」
「どれくらいの時間ですか」
「一分間くらいだと思いますけど」
「電車、混んでましたか。」
「はい、まぁまぁ」

「長時間立っていたのですよね」
「はい」

「倒れる前に目の前が暗くなったりしませんでしたか」
「目の前が暗くなってチカチカ星が飛びました」

「以前にもそんなことありませんでしたか」
「以前にはなかったのですが、最近になって、何回か同じようなことが起こっています」

会話の間、脈をとっていましたが、脈に乱れはありませんでした。てんかんの既往もありません。アトピー性皮膚炎は持病として持たれているようですが、他に疾患は無いとのこと。

「反射性失神の様ですね」
「は?」
再び親子で見つめあっています。

私は、ネット検索して、このページを二人に見せました。
「端的に言うと、自律神経の調節がうまく行かなくなって、一時的に脳に血液が行かなくなって気を失ったのです。倒れて頭の位置が低くなって、脳に血が通うようになると、何もなかった様に復活する。どこも壊れてないので。」

私の話を聞きながら、PC画面を目で追っていた二人の顔に少し安堵の色が滲んだ。
「大丈夫なのですか?」
「少なくとも、重大な病気ではないです。」

「どうすれば、なおりますか?」
「歳とって、おばさんになって図太くなれば治るかな。」
「そんなぁ」
こわばっていた娘さんの顔に微笑みがこぼれました。

「これまで、混んだ電車の中で長時間立っていなければなっていないのだから、それを避ければいいのでは」
「そうか、じゃ、急行ではなく各停に乗って、座るようにします。」
「それで、問題解決やね。」

長時間座っていても失神する方おられるようですが、この方の場合、混んだ車内での長時間の立位がトリガー。多分ですが、座っていたら大丈夫だと思われます。「私は大丈夫」と思う気持ちの余裕が、トリガーを引かせないと思います。

衆人の中で、気を失って倒れてしまったという初めての経験で、自分の中で何事が起ったのか、相当びくびくして来院されたようでした。ですが、可逆的な変化であって、事態が起こることを避ける様にすれば、問題は無いとの説明を受け、納得していただいて、親子にこやかに帰路に付かれました。私も、安堵で胸をなでおろしたのでした。