日々是サンゴ礁

普段の生活の中でサンゴ礁保全ができるような話題を綴ってみたいと思います

石垣島周辺のサンゴ礁において重要保全海域を決めるために必要なこと

2010-11-15 06:29:10 | コーラル・ネットワーク
11/13(土)にコーラル・ネットワーク主催の勉強会「サンゴ礁の今 ~石垣島などを中心に~」を開催しました。

石垣島在住で、海洋調査会社を営まれている吉田さんに、環境省の委託調査などを通じて得られた石垣島周辺のサンゴ礁の状態をご紹介いただきました。

石垣島のサンゴ礁への大きな脅威は、白化とオニヒトデの大量発生で、現在、北部がオニヒトデの危機にさらされているとのことです。昨年度までに復活しつつあった場所が、今年はかなりやられているとのことで、リーフチェックを春に実施している米原も、来年はサンゴの被度が大幅に減るのではないかとのことでした。また、オニヒトデはサンゴ礁生態系の一部であり、単なる悪者ではないことも、繰り返し説明されました。

オニヒトデがサンゴを食べつくして死滅した後で、サンゴが復活するためには、卵/精子を供給する元となるサンゴが残ってることが大切です。そのためには、重要保全地域を定め、徹底的にオニヒトデを駆除して守ることにより、それがなし得ます。ところが、実際には予算の使い方の問題などで、オニヒトデ被害を受ける場所がどんどん動いていっても、それに合わせて迅速に場所を決めて対策を打つことができないとのことです。

その原因については、明確にお話いただけなかったのですが、私は「重要保全地域を決めるための方法論」が明確に決まっていないようのが原因の一つであると感じました。それは、どのような場所がサンゴの復活に効果的な場所であるか、という科学的データが十分に蓄積されていないことに由来しているようにも思いました。

サンゴ礁は、まだまだ分からないことがたくさんあり、基礎的と思われるデータも十分ではありません。だからこそ、多くの方にお手伝いいただいて、より広範なサンゴ礁のデータを集めると同時に、保全に対して必要な専門的調査を進めてもらうように市民が行政に向けて声を上げることも重要だと思います。


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