今日は宮古島でリーフチェックや海岸清掃に取り組んでいらっしゃる春川夫妻にお話を伺いました。お二人は観光業の「セブンシーズ」を経営される傍ら、「NPO法人 宮古島 海の環境ネットワーク」の代表理事・事務局長として活躍されています。
・宮古島 海の環境ネットワークについて教えてください。
元々、セブンシーズで保全活動を行っていたのですが、活動が拡大してきたので、一緒に活動していた仲間とNPOを立ち上げました。その後は「セブンシーズは観光業・団体向け環境教育」「NPOは地元向けの保全活動・環境教育」と切り分けています。
NPOを立ち上げようとしていた時に、ちょうど県から漂着ゴミの事業について相談があり、それを受けるために法人化しました。その事業は沖縄全域が対象であり、宮古島は自分達が、沖縄本島や石垣島などはそれぞれ別の方が事業を受託し、一緒に取り組んでいます。
NPOの活動の柱は、(1)海岸清掃、(2)海洋調査、(3)環境教育、の3つです。
・海岸清掃について教えてください。
宮古島の漂着ゴミの多い海岸を月に1回のペースで清掃しています。子供から大人まで、多いときには40人以上の方にご参加いただいています。無理のない範囲で楽しみながら取り組めるように気を配っています。
・海洋調査はどのようなことをされていますか?
現在はサンゴ礁の健康診断「リーフチェック」のみに取り組んでいます。以前は委託事業で別の調査も行っていました。
リーフチェックはNPOが立ち上がる前から関わっていますが、当初協力いただいていたダイビング事業者や科学者は本業が多忙で近年は参加できない状態が続いています。現在はNPOの理事を務めていいただいている「くま丸」(シュノーケリング事業者)の隈本さん中心に行っています。この2年間、企画をした日の海況が悪く、実施できていません。参加者はプロ中心ですが、少しずつ一般の方も増えています。
・環境教育の具体例は?
つい先日、多良間島の小学校に出前授業に行ってきました。他にも宮古島の小学生の環境学習のお手伝いをしています。ボランティアのため、対応できる学校の数に限界があるのが現状です。
・2016年にはサンゴ白化情報を宮古島でとりまとめられていましたね?
先に取り組みを始めていた石垣島の知人から声がかかり、宮古島の関係各団体に情報提供を依頼しました。その後、個人的にも打診し、6事業者から情報を集めることができました。
・取り組みを進める上での課題は何ですか?
参加者の増加に向け、島の方に興味・関心を持っていただくことです。様々な機会を通じて普及啓発を行っていますが、苦労しています。遠方から専門家を呼んでセミナー等を行いたいと思いながら、なかなか予算が確保できず、実現していません。しかし、理解してくださる方は少しずつ増えていると思うので、引き続き粘り強く取り組んでいきたいと思います。