Bravo! オペラ & クラシック音楽

オペラとクラシック音楽に関する肩の凝らない芸術的な鑑賞の記録

1/3(水)NHKニューイヤーオペラコンサート/日本を代表するオペラ歌手の祭典を最前列で初めて鑑賞

2018年01月03日 23時30分00秒 | 劇場でオペラ鑑賞
第61回 NHKニューイヤーオペラコンサート

2018年1月3日(水)19:00〜 NHKホール S席 1階 C1列 19番 8,500円
指 揮:沼尻竜典
ピアノ:山田武彦
ソプラノ:市原 愛、大村博美、幸田浩子、小林沙羅、砂川涼子、
     中村恵理、嘉目真木子、盛田麻央、守谷由香
メゾ・ソプラノ:小泉詠子、清水華澄、林 美智子
カウンターテナー:藤木大地
テノール:櫻田 亮、笛田博昭、福井 敬、藤田卓也、村上敏明
バリトン:上江隼人、黒田 博
バス:妻屋秀和
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合 唱:新国立劇場合唱団、二期会合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル、藤原歌劇団合唱部
司 会:井上芳雄(俳優)、高橋美鈴(アナウンサー)

【曲目】
<オープニング>
ワーグナー:歌劇「タンホイザー」から 大行進曲「歌の殿堂をたたえよう」(合唱)
<第1部 モーツァルト7大オペラの音楽による「モーツァルト・ファンタジー」>
モーツァルト:歌劇「魔笛」から「私は鳥刺し」(黒田)
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」から「愛の神よ、照覧あれ」(砂川)
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」から「自分で自分が分からない」(林)
モーツァルト:歌劇「後宮からの誘拐」から「お前とここで会わねばならぬ」(櫻田)
モーツァルト:歌劇「皇帝ティートの慈悲」から「ああ、最初の愛に免じて」(嘉目/林美)
モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」から 酒の歌「みんなで楽しくお酒を飲んで」(黒田)
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」から「若い娘たちよ、花をまけ」(合唱)
モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」から「お手をどうぞ」(嘉目/黒田)
モーツァルト:歌劇「イドメネオ」から 嵐の合唱「なんという恐ろしさ」(合唱)
モーツァルト:歌劇「魔笛」から「恋を知るほどの殿方には」(砂川/黒田)
モーツァルト:歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」から「恋のいぶきは」(櫻田)
モーツァルト:歌劇「魔笛」から「やがて朝を告げる太陽が」(砂川/盛田/守谷/小泉詠)
モーツァルト:歌劇「魔笛」から「パ・パ・パ」(嘉目/黒田博)
モーツァルト:歌劇「イドメネオ」から 婚礼の合唱「愛の神よ、婚姻の神よ」(合唱)
<第2部 ロッシーニ没後150年>
猫の二重唱(伝ロッシーニ作曲)
小林沙羅(ソプラノ)/市原愛(ソプラノ)/山田武彦(ピアノ)
「フィレンツェの花売り娘」(ロッシーニ作曲)
幸田浩子(ソプラノ)/山田武彦(ピアノ)
「踊り」(ロッシーニ作曲)
村上敏明(テノール)/山田武彦(ピアノ)
歌劇「タンクレーディ」から「君がこの心を燃え立たせ」(ロッシーニ作曲)
藤木大地(カウンターテナー)
<第3部>
歌劇「椿姫」から 乾杯の歌「友よ、さあ飲みあかそう」(ヴェルディ作曲)
幸田浩子(ソプラノ)/藤田卓也(テノール)
合唱:新国立劇場合唱団、二期会合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル、藤原歌劇団合唱部
歌劇「椿姫」から「さようなら、過ぎ去った日よ」(ヴェルディ作曲)
中村恵理(ソプラノ)
歌劇「ドン・カルロ」から ヴェールの歌(ヴェルディ作曲)
清水華澄(メゾ・ソプラノ)/市原愛(ソプラノ)
女声合唱:新国立劇場合唱団、二期会合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル、藤原歌劇団合唱部
歌劇「トロヴァトーレ」から 「ああ、あなたこそわたしの恋人」「見よ、恐ろしい火よ」(ヴェルディ作曲)
笛田博昭(テノール)
男声合唱:新国立劇場合唱団、二期会合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル、藤原歌劇団合唱部
歌劇「ボエーム」から「もう帰らないミミ」(プッチーニ作曲)
村上敏明(テノール)/上江隼人(バリトン)
歌劇「トスカ」から「歌に生き、愛に生き」(プッチーニ作曲)
大村博美(ソプラノ)
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から「朝はばら色に輝き」「親方たちをさげすんではならぬ」(ワーグナー作曲)
福井敬(テノール)/妻屋秀和(バス)/小林沙羅(ソプラノ)
合唱:新国立劇場合唱団、二期会合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル、藤原歌劇団合唱部
<エンディング>
喜歌劇「こうもり」から「ぶどう酒の燃える流れに」(ヨハン・シュトラウス作曲)
ソリスト全員/
合唱:新国立劇場合唱団、二期会合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル、藤原歌劇団合唱部

 毎年1月3日の夜、恒例の「NHKニューイヤーオペラコンサート」。テレビで生中継の放送があるのだから、わざわざ聴きに行かなくても良いのでは? 、という考え方もあるし、やっぱり音楽はナマ演奏でないと、という考えもある。とくにこのコンサートの場合は、巨大なNHKホールが会場のため、オペラ=演技と歌唱にとって、会場の聴衆の方がむしろ不利かもしれない。テレビの放送なら歌手はアップで映るし、声はうまくマイクで拾っているので良く聞こえるし・・・・。何よりダダだし。
 といいつつもナマの演奏に触れたがるのが、私たちのようなマニアというもの。例年は、後で録画しておいたテレビを観ればいいや、ということで3階席あたりでお茶を濁していたが、今年は上手い具合に1階の最前列が取れてしまった。実は「NHKニューイヤーオペラコンサート」では最前列は初めてなのだ。しかも会場に行ってみたら、最前列の数席は中継用のカメラスペースになっていて、私の席はそのすぐ左側だった。つまりカメラで撮るような位置ということ。こうなると、やはり音楽はナマじゃないと、という気分になってくる。

 ステージ前にオーケストラ・ピットが設けられ、東京フィルハーモニー交響楽団が収まっている。指揮は沼尻竜典さん。オペラ界では第一人者といってよい指揮者だ。
 演奏が始まって見ると、ピットから湧き出てくる音が意外に良い。音響には難のあるNHKホールだが、この位置だと楽器の自然な直接音がピット内でミックスされ、適度に澄んでいて非常にキレイに聞こえるのだ。歌手陣はステージでコチラ向きに歌うのだから、近いだけ合ってこれもとても良いバランスで明瞭に聞こえる。これは新発見であった。NHKホールでオペラの舞台がかかるのは外来の引っ越し公演がほとんどで、この位置の席はチケットがかなり高額になることが多いが、その分だけ最良の「音」を楽しめることが分かった。
 コンサートは正味120分、休憩なし。これはすべてテレビ放送用なので、来場客にはアンコールもなく、いささか冷たい印象になる。すべてが放送用の発想で作られ、演奏され、歌われるというのは、何か管理されているようで窮屈に感じるものだ。
 演奏と歌唱は、テレビで放送されているのだから、現場にいた私がレビューをくどくど書いてもあまり説得力はなかろう。録画を見る方が誰にでも詳細が分かる。ただし、会場で実際に聴いていると、歌手の方々は、けっこう声量に差があって、最前列でもよく聞こえない人がいたりする(誰とは言わないが)。後で録画を観たら、その辺はしっかり調整されていた(さすがテレビ局。ナマ放送でもやることはやる)。一般論として言えば、歌った後にBravo!!が富んでいるのは声量がとくにあった人だと思えば間違いない。
 さらにスゴイことに気が付いた。ステージ上では演出上スモークを炊いたりして光の筋を見えるようにしたりするのだが、逆にそれを抜くためにかなり強く空調が動いていた。常時、はっきりとゴーッという音が聞こえていたのである。ところが、テレビの放送ではそれらがまったく聞こえない。マイクが拾わないはずはないくらいのハッキリした音だったので、ナマ放送でもデジタル編集でノイズ・キャンセラーを働かせていたのだろう。その辺の技術力は世界でもトップクラスのHNKなのである。

 この「NHKニューイヤーオペラコンサート」を聴くといつも思うのだが、これだけのステージを創る力があり、2時間のコンサートが出来るのだから、NHKもオペラ公演を主催してはどうか。劇場としてオペラを主催公演しているのは、東京では新国立劇場と日生劇場があり、神奈川県民ホールやびわ湖ホールでも行っている。全国放送網を持っているNHKが、他団体や外来オペラの公演を録画中継するだけでなく、劇場として広く国内外かに人材を求め、定期的なオペラ公演を行えば、オペラ文化をもっともっと普及させることができるのではないだろうか。そうなれば、遠くてキライなNHKホールにも通うことになると思うのだが・・・・。

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