Bravo! オペラ & クラシック音楽

オペラとクラシック音楽に関する肩の凝らない芸術的な鑑賞の記録

9/22(土)シャルパンティエのオペラ『ルイーズ』/珍しい作品の上演は素晴らしい試みだが、作品自体があまり面白くなく・・・

2018年09月22日 23時00分00秒 | 劇場でオペラ鑑賞
東京オペラ・プロデュース 第102回定期公演
オペラ『ルイーズ』全4幕(フランス語上演/日本語字幕付き)


2018年9月22日(土)15:00〜 新国立劇場・中劇場 SS席 1階 10列 55番(最前列)15,000円
指 揮:飯坂 純
管弦楽:東京オペラ・フィルハーモニック管弦楽団
演 出:馬場紀雄
【出演】
ルイーズ:菊地美奈 (ソプラノ)
ジュリアン:高田正人 (テノール)
父:米谷毅彦(バリトン)
母:河野めぐみ(メゾ・ソプラノ)
イルマ:工藤志州(ソプラノ)
カミーユ:辰巳真理恵(ソプラノ)
見習い:八木下 薫(ソプラノ)
エリーズ:坂野由美子(ソプラノ)
スザンヌ:山村晴子(ソプラノ)(ソプラノ)
マドレーヌ:渡邉絵美子(ソプラノ)
ブランシュ/石炭拾い:櫻庭照子(ソプラノ)
マルグリード/掃除屋:丸山奈津美(コントラルト)
ジェルトリュード/監督:勝倉小百合(メゾ・ソプラノ)
朝帰りの男/法王:青地英幸(テノール)
屑 屋:森田 学(バス)
若い屑屋:金井理香(ソプラノ)
新聞売り:森下奈美(ソプラノ)
牛乳屋:川名綾子(ソプラノ)
古着屋:島田道生(テノール)
警 官 1:白井和之(バリトン)
警 官 2:鷲尾裕樹(バス)
歌 手:石塚幹信(テノール)
哲学者 1:望月一平(バリトン)
哲学者 2:笹倉直也 (バリトン)
画 家:奥山晋也 (テノール)
彫刻家:勝俣祐哉 (バリトン)
学 生:斉藤一平 (バリトン)

 東京オペラ・プロデュースの定期公演で、シャルパンティエのオペラ『ルイーズ』の舞台上演。同団体では2007年に原語での日本初演を行っていて、今回は再演となる。
 シャルパンティエ(1860〜1956)はフランスの作曲家で、『ルイーズ』は1896年に完成し、1900年に初演されて以来、フランスでは大成功を収めて人気作品となった。どういう訳か、日本ではほとんど知られてない存在である。音楽的にはロマン派の作品であり、聴きやすい旋律で構成されているが、作品の分野としては、いわゆるヴェリズモ・オペラであり、作曲された当時のパリを舞台に、庶民層のリアルな生活感覚が描かれている。物語は、ヒロインのお針子ルイーズが青年詩人との恋愛を通じて自立し、旧弊な両親の過干渉から逃げ出すというもので、すべてが丸く収まるハッピーエンドにはならない。たくさん出てくる登場人物の多くは労働者階級の働く人々や芸術家を志す若者たちなどで、そこに描かれる人間模様はリアリズムを基調としているものだ。
 フランスでは人気作品だというが、日本においてはそこに描かれているパリの生活感が、どうみても憧れの街パリに映らなかったのだろうか。実際のところ、ストーリーも面白いわけではないし、ダラダラと長い(3時間半〜上演は15時に始まり、2階の休憩〈20分、15分〉を挟んで18時30分くらいに終演となった)。珍しい作品という観点からは楽しめたが、オペラ作品として完成度が高い訳ではなく、面白くない作品だと言えそうだ。
 そもそも、フランスのオペラはグランド・オペラ形式の伝統があって、上演時間が長い。人気があるイタリアのヴェリズモ・オペラの傑作は、マスカーニの『カヴァレリア・スルティカーナ』やレオンカヴァッロの『道化師』、プッチーニの三部作『外套』『修道女アンジェリカ』『ジャンニ・スキッキ』など、いずれも1時間くらいの1幕もので、ヒット曲を伴うものが人気作として歴史を超えて残ることになった。その意味でも『ルイーズ』は、少なくとも、日本ではあまり見るべき点はなさそうな作品だと思われる。一方で、東京オペラ・プロデュースの上演自体は、なかなか高品質であったと思う。

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