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《響の森》vol.41「ニューイヤーコンサート2018」
2018年1月3日(水)15:00〜 東京文化会館・大ホール S席 1階 1列 19番 4,900円(文化会館友の会割引)
指 揮:藤岡幸夫
ヴァイオリン:神尾真由子 *
管弦楽:東京都交響楽団
コンサートマスター:山本友重
【曲目】
ヨハン・シュトラウスII世:ワルツ「南国のバラ」作品388
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35 *
ムソルグスキー/ラヴェル編曲:組曲「展覧会の絵」
明けましておめでとうございます。昨年2017年は、聴きに行ったコンサートの数がどうやら150回を超えたようです。週に3回くらいのペースで、オーケストラょはじめとして、器楽、室内楽、声楽などのコンサートやオペラに行った計算になります。減らそうと思っていたのに終わってみれば増えていました。気力も体力も(もっといえば資金が)いっぱいいっぱいに近いので、今年こそはコンサートを絞り込んで、数を減らしていこうと考えてはいるのですが、2018年のカレンダーにも、すでにスケジュールがいっぱい書き込まれている状態なのでどうなることやら。そんなわけですから、ブログの方も少しは簡略化させていただこうかと、密かに考えております。本年もよろしくお願いいたします。
チラシやプログラムに「耳」のイラストが定番になっている《響の森》「ニューイヤーコンサート」を、2018年の第一弾として聴く。1月3日のマチネーのコンサートを聴くのは初めてだ。今年は神尾真由子さんが久々にチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を弾くというので、発売日に最前列のセンターを取った。
東京都交響楽団を聴くのも久し振り。都響とは昔から縁が薄く、このオーケストラのことはほとんど知らないのが実情だ。かつてはNHK交響楽団に次ぐ優れたオーケストラだという評価を聞いたことがあるが、消息筋によると最近はどうも調子を落としているらしい。まあ、他人の評判に左右されるようなことは慎まなければならないが、とくにニューイヤーコンサートから目の覚めるような快演をするのもナンなんで、とりあえずは普通に演奏していただければ問題はなかろう。
1曲目はニューイヤーらしく、ヨハン・シュトラウスⅡ世のワルツ「南国のバラ」。東京文化会館の大ホールは響きが悪く残響が短いし、最前列で聴いていると低音打楽器がやたらにドロドロと響いて来て閉口していまう。都響の弦楽は極めてアンサンブル能力が高く、性格でピタリと合っている、というのが昔からの印象だ。それそそれで良いのだが、ウィンナ・ワルツなどのような気軽な音楽の時は、ちょっとカタブツすぎるようなところがある。藤岡幸夫さんの指揮も、思わずウキウキと踊り出したくなる・・・・というほどはリズミカルでなく、真面目に、律儀に「クラシック音楽」を演奏しているようであった。
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2曲目はチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」。神尾真由子さんは前に深いスリットが入った、妙にセクシーなドレスで登場。最前列の目の前では、いささか目のやり場が・・・・釘付けになってしまった(失礼)。
神尾さんの演奏は、チャイコフスキー国際コンクールで優勝した2007年(もう10年以上経つ)前後のアグレッシブなところはまったく影をひそめ、久し振りに聴くこの曲としては、かなり大人びた印象になった。テンポもどちらかといえば遅めの方で、じっくり丁寧に弾いている。速いパッセージでもひとつひとつの音が明瞭に聞こえてくる。その分だけ躍動感や推進力などが失われてしまったようだ。協奏曲故に大きな音を出そうとしているのも、意外にダイナミックレンジを狭くしてしまっている。最近のリサイタルや室内楽などで聴かせてくれていた美音もいささか乱れ気味。まあ、協奏曲だから仕方のないところではあるが、かつての輝かしい演奏を何度も聴いている者としては、ちょっと惜しい気がする。とはいえ、並みのヴァイオリニストよりは遥かにエキセントリックな演奏をしていることは確かなので、贅沢を言ってはキリがないのだが・・・・。
後半はムソルグスキー/ラヴェル編の組曲「展覧会の絵」。久し振りに聴く都響ということもあるし、藤岡さんの指揮もあまり聴いたことがないので、あまり突っ込んだコメントは避けたいところ。従って全体の印象を述べるに留めるが、非常にまったりとした印象だったといいたい。音の立ち上がりが鈍く、音楽全体のキレがあまり良くないというか、テンポ感も一本調子に近く、全体になだらかな印象なのだ。もちろん、それではダメだと言うことでもないし、そういう解釈なのか、演奏スタイルなのかは分からないが、メリハリが薄く感じられたということなのだ。
個人的には、この曲は思いっきり標題音楽なのであるから、各曲により色彩感の変化や、物語性の違いを音で造型して欲しいと感じた次第である。まあ、3が日内であるから、お正月気分でもあるだろうし、聴く側の私たちと違って音楽家の皆さんには年末年始もなく大変だとは思うが・・・・。
そんなわけで、2018年、の「明けましておめでとうございます」はいささか低めのトーンになってしまった。今年もこれから山のようにコンサートの予定がギッシリ入っているので、こちらとしても肩の力を抜いて、心を広くもって、音楽の世界に浸っていきたいと思う。
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2018年1月3日(水)15:00〜 東京文化会館・大ホール S席 1階 1列 19番 4,900円(文化会館友の会割引)
指 揮:藤岡幸夫
ヴァイオリン:神尾真由子 *
管弦楽:東京都交響楽団
コンサートマスター:山本友重
【曲目】
ヨハン・シュトラウスII世:ワルツ「南国のバラ」作品388
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35 *
ムソルグスキー/ラヴェル編曲:組曲「展覧会の絵」
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明けましておめでとうございます。昨年2017年は、聴きに行ったコンサートの数がどうやら150回を超えたようです。週に3回くらいのペースで、オーケストラょはじめとして、器楽、室内楽、声楽などのコンサートやオペラに行った計算になります。減らそうと思っていたのに終わってみれば増えていました。気力も体力も(もっといえば資金が)いっぱいいっぱいに近いので、今年こそはコンサートを絞り込んで、数を減らしていこうと考えてはいるのですが、2018年のカレンダーにも、すでにスケジュールがいっぱい書き込まれている状態なのでどうなることやら。そんなわけですから、ブログの方も少しは簡略化させていただこうかと、密かに考えております。本年もよろしくお願いいたします。
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チラシやプログラムに「耳」のイラストが定番になっている《響の森》「ニューイヤーコンサート」を、2018年の第一弾として聴く。1月3日のマチネーのコンサートを聴くのは初めてだ。今年は神尾真由子さんが久々にチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を弾くというので、発売日に最前列のセンターを取った。
東京都交響楽団を聴くのも久し振り。都響とは昔から縁が薄く、このオーケストラのことはほとんど知らないのが実情だ。かつてはNHK交響楽団に次ぐ優れたオーケストラだという評価を聞いたことがあるが、消息筋によると最近はどうも調子を落としているらしい。まあ、他人の評判に左右されるようなことは慎まなければならないが、とくにニューイヤーコンサートから目の覚めるような快演をするのもナンなんで、とりあえずは普通に演奏していただければ問題はなかろう。
1曲目はニューイヤーらしく、ヨハン・シュトラウスⅡ世のワルツ「南国のバラ」。東京文化会館の大ホールは響きが悪く残響が短いし、最前列で聴いていると低音打楽器がやたらにドロドロと響いて来て閉口していまう。都響の弦楽は極めてアンサンブル能力が高く、性格でピタリと合っている、というのが昔からの印象だ。それそそれで良いのだが、ウィンナ・ワルツなどのような気軽な音楽の時は、ちょっとカタブツすぎるようなところがある。藤岡幸夫さんの指揮も、思わずウキウキと踊り出したくなる・・・・というほどはリズミカルでなく、真面目に、律儀に「クラシック音楽」を演奏しているようであった。
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2曲目はチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」。神尾真由子さんは前に深いスリットが入った、妙にセクシーなドレスで登場。最前列の目の前では、いささか目のやり場が・・・・釘付けになってしまった(失礼)。
神尾さんの演奏は、チャイコフスキー国際コンクールで優勝した2007年(もう10年以上経つ)前後のアグレッシブなところはまったく影をひそめ、久し振りに聴くこの曲としては、かなり大人びた印象になった。テンポもどちらかといえば遅めの方で、じっくり丁寧に弾いている。速いパッセージでもひとつひとつの音が明瞭に聞こえてくる。その分だけ躍動感や推進力などが失われてしまったようだ。協奏曲故に大きな音を出そうとしているのも、意外にダイナミックレンジを狭くしてしまっている。最近のリサイタルや室内楽などで聴かせてくれていた美音もいささか乱れ気味。まあ、協奏曲だから仕方のないところではあるが、かつての輝かしい演奏を何度も聴いている者としては、ちょっと惜しい気がする。とはいえ、並みのヴァイオリニストよりは遥かにエキセントリックな演奏をしていることは確かなので、贅沢を言ってはキリがないのだが・・・・。
後半はムソルグスキー/ラヴェル編の組曲「展覧会の絵」。久し振りに聴く都響ということもあるし、藤岡さんの指揮もあまり聴いたことがないので、あまり突っ込んだコメントは避けたいところ。従って全体の印象を述べるに留めるが、非常にまったりとした印象だったといいたい。音の立ち上がりが鈍く、音楽全体のキレがあまり良くないというか、テンポ感も一本調子に近く、全体になだらかな印象なのだ。もちろん、それではダメだと言うことでもないし、そういう解釈なのか、演奏スタイルなのかは分からないが、メリハリが薄く感じられたということなのだ。
個人的には、この曲は思いっきり標題音楽なのであるから、各曲により色彩感の変化や、物語性の違いを音で造型して欲しいと感じた次第である。まあ、3が日内であるから、お正月気分でもあるだろうし、聴く側の私たちと違って音楽家の皆さんには年末年始もなく大変だとは思うが・・・・。
そんなわけで、2018年、の「明けましておめでとうございます」はいささか低めのトーンになってしまった。今年もこれから山のようにコンサートの予定がギッシリ入っているので、こちらとしても肩の力を抜いて、心を広くもって、音楽の世界に浸っていきたいと思う。
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