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オペラとクラシック音楽に関する肩の凝らない芸術的な鑑賞の記録

9/7(金)東京二期会/プッチーニ《三部作》/『外套』『修道女アンジェリカ』『ジャンニ・スキッキ』

2018年09月07日 23時00分00秒 | 劇場でオペラ鑑賞
東京二期会オペラ劇場 《デンマーク王立歌劇場&アン・デア・ウィーン劇場との共同制作》
プッチーニ《三部作》『外套』『修道女アンジェリカ』『ジャンニ・スキッキ』
(日本語字幕付き原語(イタリア語)上演)

2018年9月7日(金)14:00〜 新国立劇場オペラパレス D席 4階 R1列3番 5,000円
指 揮: ベルトラン・ド・ビリー
管弦楽: 東京フィルハーモニー交響楽団
合 唱:二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部
合唱指揮: 冨平恭平
演 出: ダミアーノ・ミキエレット
演出補: エレオノーラ・グラヴァニョーラ
装 置: パオロ・ファンティン
衣 裳: カルラ・テーティ
照 明: アレッサンドロ・カルレッティ
合唱指揮: 冨平恭平
演出助手: 菊池裕美子
舞台監督: 村田健輔
公演監督: 牧川修一
公演監督補: 大野徹也

【出演】
『外套』
ミケーレ:今井俊輔(バリトン)
ジョルジェッタ:文屋小百合(ソプラノ)
ルイージ:芹澤佳通(テノール)
フルーゴラ:小林紗季子(メゾ・ソプラノ)
タルパ:北川辰彦(バス・バリトン)
ティンカ:新津耕平(テノール)
恋人たち:舟橋千尋(ソプラノ)
     前川健生(テノール)
流しの唄うたい:西岡慎介(テノール)

『修道女アンジェリカ』
アンジェリカ:文屋小百合(ソプラノ)
公爵夫人:与田朝子(メゾ・ソプラノ)
修道院長:小林紗季子(メゾ・ソプラノ)
修道女長:石井 藍(アルト)
修練女長:郷家暁子(メゾ・ソプラノ)
ジェノヴィエッファ:舟橋千尋(ソプラノ)
看護係修道女:福間章子(メゾ・ソプラノ)
修練女 オスミーナ:髙品綾野(ソプラノ)
労働修道女Ⅰ、ドルチーナ:高橋希絵(ソプラノ)
托鉢係修道女Ⅰ:鈴木麻里子(ソプラノ)
托鉢係修道女Ⅱ:小出理恵(ソプラノ)
労働修道女Ⅱ:中川香里(メゾ・ソプラノ)

『ジャンニ・スキッキ』
ジャンニ・スキッキ:今井俊輔(バリトン)
ラウレッタ:舟橋千尋
ツィータ:与田朝子
リヌッチョ:前川健生(テノール)
ゲラルド:新津耕平(テノール)
ネッラ:鈴木麻里子
ベット:原田 圭(バリトン)
シモーネ:北川辰彦(バス・バリトン)
マルコ:小林啓倫(バリトン)
チェスカ:小林紗季子
スピネロッチョ:後藤春馬(バス・バリトン)
公証人アマンティオ:岩田健志(バリトン)
ピネッリーノ:髙田智士(バリトン)
グッチョ:岸本 大(バス・バリトン)

 東京二期会のオペラ公演で、今回はプッチーニの最後のオペラ作品《三部作》の舞台上演である。《三部作》は、完成されたものとしてはプッチーニの最後の作品で、ちょうど100年前の1918年、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で初演されている(その次の作品『トゥーランドット』は未完)。《三部作》とは、『外套』、『修道女アンジェリカ』、そして『ジャンニ・スキッキ』の3作品のことで、これらはすべて1時間くらいの1幕ものである。基本的には、3作を同時に上演することになっている。
 『外套』と『修道女アンジェリカ』は当時流行していたヴェリズモ・オペラに属するシリアスな作品で、『外套』では人が殺され、『修道女アンジェリカ』は女性だけのオペラ。『ジャンニ・スキッキ』はドタバタ喜劇で、ラウレッタのアリア「私のお父さん」はあまりにも有名で、ソプラノ歌手のリサイタルの定番曲(アンコールで歌われることも多い)だ。《三部作》の一挙上演はかなり大作業になるのであまり上演機会は多くないのが実状だ。というのも、上記の出演者の一覧を見れば分かるように、わずか1時間の1幕オペラなのに、各作品ともやたらと沢山の登場人物がある。これらを1人1役にするとかなりの人数の歌手が必要となるので、同じ歌手が3作品に掛け持ちで出演する、そういう仕組みになっているのである。今回も東京二期会ならではの豪華な歌手が揃い踏みとなった。

 プロダクションは、デンマーク王立歌劇場およびアン・デア・ウィーン劇場との共同制作ということで、ダミアーノ・ミキエレット さんという人の演出。現代的で無駄がなく、また適度に読み替えなとも交えて、センスの良い演出になっていたと思う。それぞれが丁寧に作り込まれているだけでなく、全く異なる性質の3作品に演出上の連続性を持たせて、《三部作》としてのまとまりも創り上げている。何しろ3作品もあり、細かく書いていくとキリがないので、詳細は割愛させていただく。

 今回は会場が新国立劇場のオペラパレスであった。予算の都合で最安のD席にしたのだが、それでも少しでも音の良いところをと思い、4階の右側バルコニーのR1列を取った。4階とは言っても3階のセンター席と同レベルの高さにある。ここはステージには最も近く1列だけある席で、オーケストラピットを真上横側から見下ろすような位置になるが、座席が真横を向いているため、背もたれに背中を付けてキチンと座ると、ステージはほぼ、見えない。だから身体を乗り出して見ざるを得ないのであった。オーケストラの真上なので、音の響きはとても良い。一方、歌手の歌唱には指向性があるため、あまりよく聞こえなかったのも確かだ。まあ、最安席にしては上出来の席だと思う。

 プッチーニの《三部作》は上演機会もあまりないので、この機会に観ておかないと、という思いで鑑賞することにしたのだが、ダブルキャストが組まれていたのでどちらの組を選ぶかという際に決め手となったのは、この日が平日の昼公演で値段が少々安かったからではない(もっともD席は同じであったが)。実は、今年2018年1月25日にHakuju Hallで開催された「二期会モーニング・ ディーヴァ」を聴いたのだが、それは二期会のオペラ研修所を優秀な成績で修了したソプラノの高品綾野さんとメゾ・ソプラノの中川香里さんのデュオ・リサイタルであった。そのお二人が、今回の『修道女アンジェリカ』で二期会のオペラにデビューを飾ったのである。とくに知り合いというわけではないが、リサイタルの際に少しお話しする機会があったので、何となく「縁」のようなものを感じて、せっかく《三部作》を観るのだから、お二人のデビューをこの目で確認しようと思った次第。それでこの組の公演を観ることにしたのである。実際には歌う場面の少ない役柄ではあったが、むしろステージ上で演技している時間の方が長かったくらい。コチラとしては残念な限りだった。何しろ二期会は会員が多いから、スターダムにのし上がっていくのは大変な事だとは思うが、お二人とも才能はあるし容姿も素敵なので、応援していきたいと思う。次回作はいつになるのだろうか。

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