みたいな話を書いて、そうじゃないだろう
っていうようなことで結んだんだけど、
ばあちゃんの話を思い出して
これは相当ブラックだなって思ったことを
書こうかと思っているsachiakiです。
私は母が東京出身で、父が奄美大島の出身で
父方は奄美地方に親戚が固まっているんだけど、
母方は東京と神奈川、
そして新潟方面に親戚が固まっています。
新潟は祖母が生まれたところなんですけれど、
祖母が10歳を過ぎた頃に奉公に出されたのだそうです。
いわゆる丁稚奉公というものですが
これがね、うちのばあちゃんって
父方母方どちらもパワフルなんですけれど、
母方のばあちゃんは魚河岸で働き
女手一つで私の母とその姉を育てあげた人なので
まぁなんていうか根性が達観しているっていうか
「竹を割った性格」という
実にサッパリとした人なんですけれど、
そんな闊達明朗な祖母が時々話す古ごとの中に
「奉公がとても辛かった」という話があったんです。
そりゃ子供の頃に大人に怒られたりするのは
普通に考えて辛かろうと思うんですけれど、
新潟の人は我慢強いという特徴があるにも関わらず
思い返す奉公時代が「辛い」のみの言葉に集約されるのは
相当な重みがあるなって思ったんです。
なんなら東京大空襲も身を持って体験しているのに
それを差し押さえて「奉公の方が辛かった」と
いうのだから、その辛さはトップクラスだった
ということなのでしょう。
祖母は歳の近い弟を連れて
東京に出てきて奉公に勤しんだそうですが
どういう事情があったのかわからないけれど、
弟さんとは大人になってから疎遠になってしまったそうです。
ばあちゃんが都営団地に住んで粛々と魚河岸に働き
74歳で二度目のドクターストップがかかるまで
一度も弟さんがお見舞いにくることなどもなく
そんな人がいることも知らなかったんですよね。
でもたしかに弟と出てきたという話は聞いているので
祖母が亡くなった時、お葬式の時に初めて
その弟さんが家族を連れてきたものの
うちとすごく揉めて帰ってもらった
みたいな話があって驚いたんです。
ちなみに弟さんは都内でも有数の良い土地に住み
どうやら小金持ちになったようですが
曽祖母のお墓の立て直しなど
ミリも助けてくれなかったそうなので
「辛い奉公」というものの中に
なにかそういったニュアンスも含まれていたのではないか?
と今になって思い返したりするのです。
そういや曽祖母はうちのばあちゃんを大変可愛がっていて
しょっちゅう団地に来てはばあちゃんとお酒を飲んで
チンチロリンをしてはしゃいでおりました。
なんでそんなに賭け事ゲームが楽しかったのかはわからないけれど、
曽祖母もばあちゃんもソーダアイスが好きで
遊びに来た時にはソーダアイスを買いに
私がお使いに行っていたものです。
と、話はそれてしまったけれど、
東京に出てきて丁稚奉公をしたという話と、
丁稚がどんなものかと検索してみれば
勤め先に住み込みで働き、
店の掃除や使いっ走りなどの雑用、
主人のお供などを含み、
盆と正月に小遣いと仕事着が与えられるだけで
無休で働いていたとあるので
丁稚奉公に関しては奴隷とほぼ同義であるなぁと
思ったりしたのでした。
ばあちゃんはよく「私は小学校しか出てないから」と
本を読み学校に通う私に「勉強は大事だよ」って
耳にタコができるくらい言ってきたもので
それもきっと丁稚奉公で学校に通う時間もなく
ただただ働かされていたこと
そして(邪推だけど)一緒に艱難辛苦を共にして
支え合う血の繋がりのある弟とは
協力しあえなかったのだろうという
子供にはダメージのあり過ぎる話が
そこには潜んでいたんじゃないかと思います。
というわけで、家族の中で家事をしていた子供は
奴隷とは言い難いものがあると思うけれど、
子供を労働力として放り出し、
さらに放られた先で酷な仕事をさせられていたなら
それは奴隷と同義だったんじゃないか?ってことです。
とはいえ、限りなくブラックに近いグレーだと思うけれど。
少なくとも成人したら
自分の生活を自分の責任で動かせるようになり
そして結婚し居を構えることなどもできたわけで
期間限定の奴隷といえば、
そうだったのかもしれないって感じでしょうか。
今も昔も労働力に対して賃金を出したくない
っていうのは経営者の本音でしょうし、
賃金を出さないための労働力を
奴隷という制度で賄っていたに過ぎないですからね。
そう考えると「働いたら負け」という論は
奴隷に落ちたくないという
なにかと近いものがあるのかもしれません。
だいぶ話が紆余曲折してしまったけれど、
子供に労働をさせず勉学や経験をさせて
社会全体の底上げをすることこそが
豊かな社会を形成すると思うので、
そういった意味でも子供を労働から解放させるのは
大人の責務だと思います。
そんな感じ。それではまた!モイ
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