ぼんさい塾

ぼんさいノートと補遺に関する素材や注釈です.ミスが多いので初稿から1週間を経た重要な修正のみ最終更新日を残しています.

巡回符号 (2)

2011-12-03 16:31:16 | 暮らし
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         [4-17] 4を法とする積

#41: 有限体

符号理論の参考書をみると,多項式環,ガロア拡大体等,多くの用語が使われています.伝統的な説明では「群」→「環」→「体」の順に代数的構造を発展させますが,ここでは [4-17] と同様に群には言及しないで剰余類から始めます.

整数 x を 3 で割った剰余 x mod 3 を f(x) で表わすと,f(x)∈{0, 1, 2} です.また f(x),f(y)の和,積を

   f(x) f(y) = f(x + y),   f(x)f(y) = f(x y)

で定義すると加法,乗法の結合法則,交換法則および分配法則が成立し,f(0)=0,f(1)=1 が加法,乗法の単位元になっています.さらに,任意の x について

   f(x) Y = 0,   f(x)Z = 1

となる {0, 1, 2} の元 Y,Z が存在します.例えば  f(5)1=21=0, f(5)2=22=1 です. したがって整数 x を 3 で割った剰余の集合に対する四則演算が可能,つまり ({0, 1, 2}, , ) は体になっています.

しかし,整数 x を 4 で割った剰余の場合は,上図のように x y ≠ 0 でも f(x)f(y) = 0 となることがあります体になっていない.多項式の因数分解

   X2 3X 2 = (X 1)(X 2)

も「 X2 3・X 2 = 0 」が 「 X 1 = 0 または X 2 = 0 」と同値でなければ体になっていなければほとんど使い物になりません.単純に和,積を

   f(x) f(y) = f(x + y),   f(x)f(y) = f(x y)

で定義しても体になるのは素数で割った剰余の場合だけですが,幸いなことに集合の要素の数が一つの素数のべき乗に等しければ,和,積を適当に定義することにより体にできます.


[4-8] 有限体 - Wikipedia
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E9%99%90%E4%BD%93
[4-9] 体 (数学) - Wikipedia
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%93_(%E6%95%B0%E5%AD%A6)
[4-10] 代数的構造 - Wikipedia
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%A3%E6%95%B0%E7%9A%84%E6%A7%8B%E9%80%A0
[4-11] 標数 - Wikipedia
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%99%E6%95%B0
  有限体 F の位数が素数 p の冪 p^f ならば、F の標数は p である。
  逆に、標数 p の有限体の位数は必ず p の冪になる。
[4-12] 剰余類環 - Wikipedia
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%B0%E4%BD%99%E9%A1%9E%E7%92%B0
[4-13] 合同式 - Wikipedia
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%88%E5%90%8C%E5%BC%8F
[4-14] 準同型 - Wikipedia
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%96%E5%90%8C%E5%9E%8B
[4-15] 核 (数学) - Wikipedia
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B8_(%E6%95%B0%E5%AD%A6)
  余像 Coim(h) は h の像 Im(h) = h(S) と同型であるという命題を準同型定理という。
[4-16] 環・体(群、環、体)
  http://ufcpp.net/study/group/field.html#finite
[4-17] 有限体 - 手抜きLab@DTPの現場
  http://chuwa.iobb.net/tech/archive/2009/05/post-1.html
  ウィキを見てみたのだけど、余計に分からなくなる罠だったわけだね。
  で、ここからが本番となるんだ。ガロア拡大体というものの説明がひつようになるんだ。
[4-18] 代数学 - [物理のかぎしっぽ]
  http://hooktail.org/misc/index.php?%C2%E5%BF%F4%B3%D8
  ※ 時間に余裕のある人はこちらの各資料をご覧下さい.



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