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[4-17] 4を法とする積 |
#41: 有限体
符号理論の参考書をみると,多項式環,ガロア拡大体等,多くの用語が使われています.伝統的な説明では「群」→「環」→「体」の順に代数的構造を発展させますが,ここでは [4-17] と同様に(群には言及しないで)剰余類から始めます.
整数 x を 3 で割った剰余 x mod 3 を f(x) で表わすと,f(x)∈{0, 1, 2} です.また f(x),f(y)の和,積を
f(x) + f(y) = f(x + y), f(x)・f(y) = f(x y)
で定義すると加法,乗法の結合法則,交換法則および分配法則が成立し,f(0)=0,f(1)=1 が加法,乗法の単位元になっています.さらに,任意の x について
f(x) + Y = 0, f(x)・Z = 1
となる {0, 1, 2} の元 Y,Z が存在します.例えば f(5)+1=2+1=0, f(5)・2=2・2=1 です. したがって整数 x を 3 で割った剰余の集合に対する四則演算が可能,つまり ({0, 1, 2}, +, ・) は体になっています.
しかし,整数 x を 4 で割った剰余の場合は,上図のように x y ≠ 0 でも f(x)・f(y) = 0 となることがあります(体になっていない).多項式の因数分解
X2 + 3・X + 2 = (X + 1)・(X + 2)
も「 X2 + 3・X + 2 = 0 」が 「 X + 1 = 0 または X + 2 = 0 」と同値でなければ(体になっていなければ)ほとんど使い物になりません.単純に和,積を
f(x) + f(y) = f(x + y), f(x)・f(y) = f(x y)
で定義しても体になるのは素数で割った剰余の場合だけですが,幸いなことに集合の要素の数が一つの素数のべき乗に等しければ,和,積を適当に定義することにより体にできます.
[4-8] 有限体 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E9%99%90%E4%BD%93
[4-9] 体 (数学) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%93_(%E6%95%B0%E5%AD%A6)
[4-10] 代数的構造 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%A3%E6%95%B0%E7%9A%84%E6%A7%8B%E9%80%A0
[4-11] 標数 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%99%E6%95%B0
有限体 F の位数が素数 p の冪 p^f ならば、F の標数は p である。
逆に、標数 p の有限体の位数は必ず p の冪になる。
[4-12] 剰余類環 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%B0%E4%BD%99%E9%A1%9E%E7%92%B0
[4-13] 合同式 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%88%E5%90%8C%E5%BC%8F
[4-14] 準同型 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%96%E5%90%8C%E5%9E%8B
[4-15] 核 (数学) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B8_(%E6%95%B0%E5%AD%A6)
余像 Coim(h) は h の像 Im(h) = h(S) と同型であるという命題を準同型定理という。
[4-16] 環・体(群、環、体)
http://ufcpp.net/study/group/field.html#finite
[4-17] 有限体 - 手抜きLab@DTPの現場
http://chuwa.iobb.net/tech/archive/2009/05/post-1.html
ウィキを見てみたのだけど、余計に分からなくなる罠だったわけだね。
で、ここからが本番となるんだ。ガロア拡大体というものの説明がひつようになるんだ。
[4-18] 代数学 - [物理のかぎしっぽ]
http://hooktail.org/misc/index.php?%C2%E5%BF%F4%B3%D8
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