藤崎の今昔

特段関心を失ったわけでもないが、久しく途絶えていた楽天の話題。球団創設9年目でのリーグ優勝を達成した要因については、各メディアが田中の連勝はもちろんのこと、ジョーンズ・マギーの活躍、藤田・松井の二遊間、銀次・岡嶋ら若手の起用などなど分析しているが、この優勝がフロックではなく、常勝チームへの足掛かりとしていく取り組みに目を向けるべきだろう。とりわけ田中のメジャー移籍が噂される状況にあって、抜けた場合の「穴」をどう埋めるのかが最大の課題となることは明らかだろう。

さて優勝達成の翌日27日付け朝刊各紙は、読売「顔」・毎日「ひと」・産経「きょうの人」といった話題の人物を取り上げる欄で星野仙一監督を選んだのは至極当然だといえるが、その中にあって朝日「ひと」欄が取り上げたのは、星野監督でもなく、そしてエースの田中将弘や嶋基宏でもなく、現在打撃投手を務めている藤崎紘範であった。創設初年度、0-26の歴史的大敗を喫した開幕2戦目の先発マウンドに立っていたのが藤崎であり、また名前が同じという縁で仙台に本社を置く百貨店・藤崎がスポンサー（？）になったと記憶している。あえて「無名」の人物に光を当てた点で朝日の記事は他紙よりもインパクトが強く、印象に残るものである。