ある日突然、今現在自分が関わっている人や、かって関わった人が全く違った姿で、目の前に現れるという体験をされたことがありますか?
昨日はこんな姿だったのに、今日は全く違って別人に見えるというような急激な変化を体験されたことはありますか?
このような体験を人生の中で何度かしたことがありました。
セッションの際にその体験の内容についてお話をさせていただいたこともあります。
私たちが、自分を、また、他者を認識するときに、何を基準にしているでしょうか?
それは、ただ一つです。
「これまでの記憶」です。
記憶によって、私たちは、「私は〜である。」「あの人はこんな性格で、こんな人である」
このように、記憶によって全てを認識して、自分自身を、そしてあの人を結晶化させています。
もし、記憶がなければ、どうなるでしょうか?
目の前のその人を、「今、感じたまま」見ることができるのではないかと思います。
しかし、記憶によって、私たちはたくさんの制限や思い込みを創り、また、それによって未来を予測していきます。今現在の感覚よりも、過去の記憶から未来もそうなると予測するため、今現在の直感や感覚を感じることがなくなっていってしまうのです。
人生の多くの苦しみは、対人関係にあると思います。自分の思い通りにならないことに苦しむことも多いでしょう。
人生の中で、他者との関係において、劇的な変化を体験した時は、もうこれ以上、感じきり、やり尽くして無理だとサレンダー、降伏した時に全て訪れました。
その時には、思考が静まり、過去の記憶もなくなり、ただ、目の前にあるがままのその人がいて、その存在が、とてもとてもナチュラルで不思議な感覚でした。
そこに至るまでには、長い期間の葛藤があったのですが、その極限に達した時に、自分を苦しめていたものの正体がわかりました。
過去の記憶によって未来を予測していたこと。自分や他者は簡単には変化しないと諦めていたことなど、たくさんの気づきが後になり起こりました。
もし、私たちが、過去の記憶に縛られることがなく、今この瞬間に、意識を向けていくことができたなら、そこに集中していけたなら、たくさんのミラクルをこれからは体験できるのではないかと思います。