私たちは人生の途上においてさまざまな体験をするのですが、その中でもっとも心を揺さぶられるのが、恋愛ではないでしょうか？
ある日突然その人の事が気になり、頭から離れない、何をしていてもその人が浮かんできてしまう、ひょっとしたら好きなのかな？と感じた時は既に深いところに落ちているのかも知れません。
このような形で始まる恋愛を後で振り返ってみると、何故そうなってしまっていたかわからないと思われる方も多いと思います。
もちろん一目惚れということもあるのでしょうが、全く好みでもなんでもないし、これまで好きになったタイプとも違う、環境も条件も年齢も違う、でもその人の事しか考えられなくなってしまい、日常生活もままならないという事になるかもしれません。
この時に働く力は一体何なのか、その時点ではわからないでしょう。恋に落ちるという言葉がぴったりです。
「落ちる」その先にあるものは、喜怒哀楽の激しいバージョンである場合が多いです。これはいわゆる、エゴと呼ばれているものですが、このエゴの感覚に落ち、体験すること私たちの無意識が選択し、その落ちた感覚をバネにして、そこから浮上し、新たな次元に移行することを目的としているように感じます。
エゴという言葉は一見ネガティブに感じるのですが、エゴがなければ私たちはこの次元で存在する事が不可能になります。エゴを超えた先の世界では段々と個の意識がなくなり、「あなたはわたし」の世界、ワンネスの世界に入っていきます。その世界に入る前の通過儀礼として、エゴの体験をしっかりする為に私たちはこの世界に生まれてきているのではないかと感じます。
恋に落ち、エゴの思いで苦しみ、少しずつ脱却する事はその世界に移行するための単位のようなものです。恋に落ちる前に流れてくる強烈なエネルギーは、その学びをしたいという、サインなのかもしれません。もし、そのエネルギーが弱いものであれば、私たちは、その学びのきっかけを見過ごしてしまうでしょう。
どんな喜怒哀楽も、苦悩も、その先にいくための通過儀礼だったと気づくのは、先の世界に移行できた後です。
その渦中にある時は全くわからないはずです。落ちてしまったら、それを味わい尽くすしかありません、特に大きなシフトが来る前はどん底に落ちる体験をします。エゴに振り回されて体験をしている時は本当に苦しいです。
私自身も過去二回ぐらいそんな体験をしました。
お客様とお話させていただき、「脈絡なく、感情が全く整理されてない状態で、すいません、それでも良いでしょうか？」とおっしゃる時がよくあるのですが、それは当たり前です。お話させていただく事が前に進む何かのきっかけになれば幸いです。
