日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

”おが岳” 或いは”おじか岳” 山名読み方問題         男鹿岳

2014-05-10 14:59:26 | 山行

入山日 2014年5月6日 GW  曇り→晴   単独    (行きの林道から見えた男鹿岳ピークあたりらしき頂、望遠で撮った。かなり遠く感じた。)
今年のGWはこの6日でおしまい。最後に一発大きめの歩きをして締めくくろうと、未踏の男鹿岳に行ってみた。この山は、日帰りはできるものの結構負荷のかかる印象がなな”にはあった。大佐飛に比べれば、短時間勝負になるとは判っているものの、ガイド本には10時間30分の記述もあり、やはり行く前はちょっと軽いストレスとドキドキ感。まあ、たまにはそういう山もいいでしょ。

林道を歩きだすと、崩落地もあり自動車は完全に通れない林道になっていた。時々咲いている桜が周囲にあり、きれいだった。


course: 栗生沢側林道ゲート6:38 ・・・ 大川峠 8:56 ・・・ 栗生山山頂 10:31  ・・・ 男鹿岳山頂 11:08-11:30  ・・・ 栗生山山頂 ? ・・・ 大川峠 12:58  ・・・ スタート地点へ 15:19

まず、この日歩きだすだすまでに2度、計画キャンセルを考えた。朝3時に家で目覚めて頭が少し痛かった時が一度め。二度目は栗生の里を過ぎてすぐ、最終ゲートより数キロも手前に通行止めの柵があった時。その通行止めの柵の前でUターンしてバナナを食べて、少し撤退を考えた。予想より、車移動に時間がかかったのと、考えていたより先のここから歩くと、プラス2時間以上余分に時間をみなくてはいけないから。川治あたりの軽い山に変更しようかなと思った。それでもその場から歩くつもりで、靴とスパッツをつけていたら、柵なので動かせることに気づいた。もしかしてと思い、柵を動かして、車を走行して、柵を戻した。案の定、その先、最終ゲートまで、苦も無く進めて登山開始。でも5時30分歩きだしを考えていたのに、6時30分を過ぎてしまった。
ゲート前には、横浜と岐阜ナンバーの2台が既に入山していた。ゲートからは長い長い林道歩きが始まる。
(これは白糸沢橋だったかな。このあたりから、ほぼ8割がたに積雪状態になる。)



大きく蛇行して進むこの林道、目的の大川峠は距離的には近いはずなのに、歩いても歩いても遠いイメージ。栃100ガイドでは林道歩き2Hだったけれど、積雪で慎重歩きが必要な場所が多少あったせいなのか、2時間たっても全然着かないで嫌気がさしてくる。大川峠からその本によると、山中登り3時間30分なので、ちょっと問題・・・。安全と翌日出勤を考えると、正午12時で山頂に着かないければ撤退をきめていたから。とりあえず、大川峠まで行こうと、続行。栗生山までで撤退でもいいか、と少し思い出す。男鹿岳は夏に日留賀岳経由で行くからいいや・・・なんて考え、結構な時間のオシに、ちょっとイジケ気味に歩く。
(なかなか、峠らしいところが見えてこない林道。)


2時間18分かけて、大川峠らしき広場に到着。右手に目印が複数ある踏跡があったので、ここからが標準のコースなのだろうと、尾根入り。



斜面に取りつくと、何とかヤブの下に踏跡があり、尾根型が感じられる所を登っていく。踏跡は不明瞭ながらあるものの、ヤブも結構濃いイメージ。それでも、激ヤブと言うほどではないので、かえってこういう歩きのほうが、先ほどまでの林道だらだら登りよりいいと、感じる。



ヤブ尾根登りも、踏跡がうっすらとあるし目印もたまに出てくるのでなな”的には安心歩き。少しすると尾根に積雪部分が混じりだし、その上に足跡があったりして、そちらに逃げるパターンが増える。しばらくヤブと雪面歩きを繰り返して登っていく。




峠から登って30分ほどのあたりからはほぼ全面積雪斜面となる。尾根型結構広い尾根ではあるけれど、雪面の斜度が急な場所がたまに出てきて、アイゼン装着しての用心歩きになる。この辺での滑落骨折の昨年の記事を読んだことがある。
昨年この時期よりもう少し後の季節のみー猫さんのこの同じコース(登り)の記事を見たことがある。雪がないと笹ヤブが立ちあがっていて、この雪面部分もだいぶヤブで難渋するのだろう。みー猫さんはここを、ゴーグルを付けて、ピッケルをしまって登ったとレポされている。夏に来ても面白そうだとは思った。



雪の斜面をずいぶんと登った気がする頃、一つのピークの森に到着。ここが栗生山だろうと思った。ピーク最南端の木に名板の残骸や目印がくくりつけてあった。雪面歩きの為、予想より早く到着した。峠から1時間30分ちょっと。





栗生山を過ぎると、尾根の先に目指す男鹿岳らしいピークが間近に見えた。



栗生山からは、たいして下らずに男鹿岳との鞍部へ。鞍部は巨木の立ち並ぶ林だけれど、雪面なので、歩きやすい。この辺、雪が無いとどんな感じなのか・・・




男鹿岳山頂直下でまた尾根が広がってきて、下り時に要注意だなと思いながら、急な斜面を少し登って、(P ↓) 山頂の一角のなだらかな地点に到達できた。



歩き初めて4時間30分で山頂到達。左手方面に視界が開けていて、那須連山が大佐飛から見たよりでっかく見えた。



山頂到着直前に山頂にいたらしい高年齢グループ男女6人組とすれ違いごあいさつ。他県のかたがたで、ゲート前の車のかたがただろう。300名山めあてと言われていて、皆さんベテランのようで、いい表情をされていた。



山名板のところは実は、那須方面以外眺望は悪い。少し登って来た尾根なりに南下して多少開けた位置からあこがれの山々を覗いてみた。
(鹿又岳から日留賀岳への稜線か・・・)



山頂付近は鬱蒼とした巨木を混ぜた森の様相だった。少しだけ散策する。




3月の終わりに楽しく登れた大佐飛山がなんとか見られた。左のほうのピークがそれカナ。




以降、まだ行程は長いので、しゃりバテしないように、多少の食事をして山頂にお別れ。今度また元気にここに登ってくる日があるのだろうか、とふと思った。山頂からも周囲の眺望を見ながら、下山する。
(西方面、黒いぎざぎざは七ケ岳かな、白いのは会津駒方面? )



変な方向に降りて行かないように、最初用心して雪面を下る。急な斜面の下りではピッケル刺しさしだった。
(直下、男鹿岳方面を振り返る。 )





栗生山への登り途中振り返ると、横川あたりから突き上げてくる、鹿又岳や日留賀岳への尾根が見えた。



下山は、方向を失わないこと、アイゼンを効かせて慎重に降りること、それだけを気をつけた。
(降りて行く尾根方面、結構急で先がなかなか映らない。)



下りはやはり早い、登り始めにあった、ヤブ歩き地点に入り込んだ。(P ↓) 一時は途中戻りでもいいかと考えもした今日のコースだけれど、登り終わったあと、落ち着いて考えれば、山中の山歩きの距離はかなりショート。そのショート部分にヤブが立ちあがってからはショートでも時間がかかる歩きになるのだろう。あと、林道はひたすら長い、・・・




峠の広場に降り立ち、あとは長い長い林道あるき。これは辛抱するしかない、しかし、下りは水平歩き主体なので、気持ちは楽、林道の半分くらいまでは、アイゼンを付けて歩いた。なぜなら、時に、下の沢まで滑りそうな斜面横切りがあったから・・・’ふざけて歩いていると、危ない。。(P ↓) それと朝なかった、雪面の崩落の固まりのようなものが、一箇所林道にぶちまけられてあった。



曲折して歩く林道、振り返ると、先ほど自分が降りてきたと思われる尾根が見えた。




前方、谷を挟んでこれから自分が降りて行く林道が対面に見える。(P ↓) この歩きが嫌だったらみー猫さんの下った、超激ヤブ尾根を歩くしかない。雪の時期ならすんなり下れる尾根である可能性はある。




林道歩きも半分以上来た地点、振り返ると雪の残るしろい稜線が見えた。方向からして男鹿岳かその周辺の稜線のはず。男鹿は最初、難関山だとの認識が自分には濃かったでの、これを観て感慨深い感情がおこってきた。




最後に、この山にお別れできるようなよく見えるロケーションを見つけ、少しアップで撮影。おっさんのくせにロマンチストのなな”は何度も振り返り観るのであった。



林道歩きしていると、どんどん天気が良くなってくる。空は青空、登りの時の、どんより空が恨めしい。こんな天気の下、勝負したかったな。




案の定、前に降りたグループの皆さんの車は無くなっていた。のどかなゲート前、ゆっくり帰り仕度をした。 とにかく、今日は何度か登頂を諦める状態になってからの、山頂到達で得した気分。男鹿山塊の深部のピークにまた一つ立てたことに嬉しさを感じる。
ここの林道は崩落の可能性のある地点もあり歩きづらい。2時間超の予定を組んだほうがいいと思った。 おじか岳、? おが岳 ? どちらが正しいんだろうか、まあそんなことはどうでもよくなる満足歩きでGWを締めくくれた。 ■■

(ガイド本には”おがだけ”、山頂の山名板には”OJIKADAKE" 、 下の橋は”おがさわ橋”、沢名は”オーガ沢”とあった。)




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6 コメント

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男鹿岳 (みー猫)
2014-05-10 18:41:34
こんばんわ。
ななさんは、上手に山の全景を撮られてますね。自分の場合、記事を書く時になってあわてて最初に持ってくる画像を探します(笑)・・・・ピッケルを携行したのは、その前の週の荒海山で、あったほうが良かったので、長い林道歩きの後で、ないと困るかなぁと思って持って行ったのですが、使うことなくずっと背中に付いたままでした。山名はどちらも使われていると聞いてますね。この分だと早々に栃100達成しそうです。お疲れ様でした。
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男鹿岳の名称 (ハイトス)
2014-05-10 19:29:34
こんばんは。
GWの締めくくりがここでしたか。
我が隊は男鹿岳がメインでした。
それにしても今回は精力的に栃百+αを歩かれましたね。
そろそろ実績で抜かれそう?です。
ちなみにちゃんと自分のHPの栃百は更新しておりますよ。(笑)
新湯富士の山頂と、男鹿岳の呼称は諸説あると云うことでおしまいですかね。
男鹿岳の方は福島側と栃木側で異なるという話と、そうではなく、双方で「おがだけ」で単に日本三百名山での名称が「おじかだけ」になっているという話とが有るようです。
弥太郎山と前黒山は後追いさせてもらいますね。
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 (野球親爺)
2014-05-10 21:46:38
こんばんは。
GW中は毎日精力的に歩かれたようですね。
今の自分にはできそうもないので羨ましいです。
ゲートよりかなり手前の柵、私が何年か前に行った時にもありました。
馬鹿正直にその柵の手前に車を置いて大分余計に歩きました。その当時は今のゲートのさらに上部まで車で入っている人たちが結構いました。林道は荒れる一方ですね。
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みー猫さん (ななころび)
2014-05-11 15:52:25
こんにちは。
みー猫さんが男鹿岳でゴーグルをつけてザックにしまったのはストックでしたね。書き間違ってしまいました。
今回、特に雪面の急斜面はピッケルを手放しませんでした。
山名は自分としては”おじか”のほうがしっくりくるのですが、”おがさわ”とかの名称を見てしまうと、古くから地元民には"おが岳”と呼ばれていたのでしょうかね。
栃100ってまだ重めが2つくらい残っていて、どうやって登るか思案中です。
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ハイトスさん (ななころび)
2014-05-11 19:06:33
こんばんは。
もうちょっとで、同一日の決行でしたね。偶然山の中でお会いしたら面白かったでしょう。
GWはまだあまり高いお山は雪で難しそうなので、栃木100を少しでもやってしまおうと思いました。栃100の数はハイトス隊を抜いたかもしれませんが、ハイトス隊は群馬も完登してますし、積み重ねた諸々の実績が私と全然違います。
名前の件は、正解はないのでしょうね、たぶん。ちなみに駅の名は”おじかこうげん”ですね、男鹿川はなんて読むのですかね。
今日も男鹿川の清流を見てきました。
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野球親爺さん (ななころび)
2014-05-11 19:21:27
こんばんは。
私は、独り者なので長期連休は何も考えずやりたいことができるのです。今回は、雲取山石尾根と男鹿岳ができてよかったです。
野球親爺さんはあの手前の柵からでしたか。むちゃくちゃ遠そうですね。でもああいう状態で柵があって看板があれば普通はそこで、停めますよね。自分も最初はそうしたのですが入って行けてよかったかもしれません。
あの林道は何箇所か、巨岩の落石箇所があり、通行時ヒヤヒヤでした。もうクルマは二度と走れませんね。 でも山にとっては、そのほうが良いのかも・・・
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