竹林の愚人  WAREHOUSE

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博物館学を学ぶ

2007-12-28 10:22:15 | BOOKS
水藤 真 「博物館学を学ぶ-入門からプロフェショナルへ」 山川出版社 2007.11.15.
 
博物館は今日では約5000館もある。フランスやイギリスはおそらく2000館ほどであろう。アメリカ合衆国はこれよりも多いかもしれないが、日本はすでに博物館天国である。問題は中身である。 大英博物館・ルーブル美術館・メトロポリタン美術館などは,幾多の収蔵品もさることながら,スタッフも数千人いる。一方、日本では平均8、7人に過ぎない。なかには学芸員のいない博物館もある。これではもう博物館とは名ばかりだ。 足立美術館(島根県安来市) 足立全康が一代で財をなして建てた個人美術館。若い頃に横山大観の作品「蓬莱山」を見て感動し、そして事業に精を出して財をなし、大観の絵を収集して建てた。 博物館明治村(愛知県犬山市) 初代館長谷口吉郎と元名古屋鉄道会社会長土川元夫の2人が、失われゆく明治時代の建築物を犬山市郊外に移築・復元した。 トヨタテクノミュージアム産業技術記念館(名古屋市西区) 豊田佐吉が自動織機の研究開発した実験工場の場所と建物を利用して、1994年にトヨタグループが、織機と自動車の発展歴史を展示。 大塚国際美術館(徳島県鳴門市) 大塚製薬が創立75周年を記念して、縁の地に美術陶板による複製品の美術館を1998年に開館した。 名和昆虫博物館(岐阜県岐阜市) ギフチョウの発見者として知られる名和靖によって1896年に名和昆虫研究所が作られ、1919年にできた昆虫標本がぎっしりと並んだ個人の博物館である。 日本玩具博物館(兵庫県姫路市) 井上重義が1963年に1冊の郷土玩具の本と出会い、一念発起して収集して自宅を展示室にして開館した。 函館市立博物館(北海道函館市) 開拓使顧問のポーレス・ケプロンが大学・博物館・図書館の必要性を建言したことを受けて、1879年函館公園内に開拓使函館仮博物場を開場した。 博物館は面積ではない。内容と熱意,これが基本だ。これを作ろう、これを見てもらおう。この意気込み・情熱が大切なことだと思う。