竹林の愚人  WAREHOUSE

Doblogで綴っていたものを納めています。

「アジアン」の世紀

2004-12-31 10:38:59 | BOOKS
亜洲奈みづほ  「アジアン」の世紀 中央公論社 2004.11.10. 

今日のアジアブームが他者の手により民族性が弱められた東洋趣味の受容であるとする。この女性向けアジア、日本風アジア、日本向けに改変したソフトなエスニックを著者は「アジアン」と名付ける。 
そしてこの都市「民俗」リミックス文化が世界的な問題解決のキーになるという。欧米現代文化=快楽・欲望、奇抜な自己主張、明快さ、人間第一主義。対する純情、湿度と陰影、抑制・奥ゆかしさ・あいまいさ、自然との一体感といったアジアらしさ。 
ここに欧亜のはざまに位置する「中間的他者」としての日本が果たす役割があり、岡倉天心の「東洋文化の本能的な折衷主義」が思い出される。

西国街道

2004-12-30 06:57:31 | BOOKS
宇津木秀甫、原口正三、笹川隆平、島田福雄 「西国街道」 向陽書房 1981.09.01.

西国街道とは京都から九州太宰府までの山陽道のこと。狭義には京都より西宮まで。それより西を山陽道と呼ぶ。ここでは山崎から西宮を3章に分けて紹介されている。今も国道171号線(呼称:イナイチ)となって活躍している。

私のネタ本になりそうです。

「神戸ー震災をこえてきた街ガイド」

2004-12-29 21:18:55 | BOOKS
島田 誠・森栗茂一 「神戸 震災をこえてきた街ガイド」 岩波書店 2004.11.19.

船に関する専門書店「海文堂」の社長だった島田さんと、大阪外大の森栗さん。神戸っ子が書いた神戸のガイドブックです。ただし、ただの旅行ガイドではない。目にする全てに震災を乗り越えた物語があります。
「震災で失ったものは少なくないけど、人に出会えたことが財産です」と語る人々。家を失い、家族や友人を失い、金に苦しみ、制度や都市計画事業に振りまわされてもそこに頑張っている。そうした地元の人々に是非触れあって欲しいという著者の熱い思いが伝わってきます。ジュニア新書として出ていますが、是非とも多くの人に買って欲しい。印税が神戸のNGO/NPOの活動資金として全額寄付されるとのこと。

田中辰巳 それなら許す!あなたと会社を救う謝罪術

2004-12-17 21:24:27 | BOOKS
田中辰巳 「それなら許す!あなたと会社を救う謝罪術」 文藝春秋 2004.10.30.

人は無意識のうちに、謝罪の言葉のなかに「言い訳」や「反論」をつけ加えてしまう。2004年7月にプロヂューサーの不正支出が発覚したNHKは当人の懲戒免職は当然のこと、上司、監督者の解職、減給等の処分を行っている。それでも甘いと受信料の不払・海老沢会長辞任をの声も上がっている。
2003年11月、整備士の国家試験問題を漏洩したトヨタでは、漏洩した張本人に7日間の出勤停止、直属の上司に諭旨退職。系列販売会社の整備士には合格の辞退を求めた。ところが、奥田会長、張社長には処分はなし。広告費9年連続ナンバーワンの会社にマスコミは弱腰で、国家試験の価値と信用を失墜させ、消費者と合格者に対する罪の取り方がこれで良いのか?謝罪や辞任をするか否かは品性によってきめられる。そしてその品性を重んじるか否かは結局その人の「生きざま」で決まる。
契約者情報の漏洩でソフトバンクBBは500円の金券を送りつけて済まそうとし、かたやジャパネットたかだは即日高田社長が謝罪の上営業自粛、会社の解散まで覚悟する。経営者のケジメの付け方には色々ある。

大前 研一 「サラリーマン・リカバリー」

2004-12-16 23:32:08 | BOOKS
大前 研一 「サラリーマン・リカバリー」 小学館 2000.07.20.

コンピュータ・外国語・ファイナンスが21世紀の“リカバリー三種の神器“50代は定年後の人生を考えろ。「サンデー毎日」はつらいよと言い切られては私のような会社人間は返す言葉がない。「会社が共有すべき大切な知見、解決方法、論理的思考を・・中間管理職が独占することさえまかり通っている」とのご指摘ごもっとも。でもこの日本では苦労して築き上げたノウハウをタダでくれてやるお人好しは無能と同意義。アシストは評価が低いどころかマイナスでしかない。もはや尖ったビジネスマンになるには遅すぎ、せめて帰りにNOVAにでも寄って会社から人生を取り戻す一歩を踏み出そうか。

神戸ルミナリエ

2004-12-16 20:38:45 | SIGHT
0
昨日、あれから10年にしてやっと見に行きました。JR元町駅から誘導に従って大丸前を東に迂回。ここにダイエーがあった、朝日会館が建て変わったのだなと思ながら大丸に戻りそこから海岸通りへ向かう。 角を廻ると光輝くアーケード。思わず歓喜の声。警備のアナウンスが少々興を削ぎますが、厳かな一時を味わえました。

光の教会を伺う

2004-12-12 15:32:35 | SIGHT
平松 剛著「光の教会ー安藤忠雄の現場」(2000.12)を読み、見に行きました。
当初、設計家は西洋の修道院に倣ってクロスの窓にガラスを入れず、木の葉や風雨が吹き込むのも信仰の場としてふさわしいのではと考えたそうです。幸いガラスは嵌って信者の方は安堵したようですが、芸術家の考えは尋常ではありません。
鉄筋コンクリート中に入ると正しく光の教会です。
DATE:光の教会 1989 竜巳建設 茨木市北春日丘4-3-50 日本キリスト教団茨木春日丘教会 

謎解き アクセサリーが消えた日本史

2004-12-12 00:45:56 | BOOKS
浜本 隆志 「謎解き アクセサリーが消えた日本史」 光文社 2004.11.13.

世の女性を魅了する宝石。ダイヤモンドを最高の宝石と日本人の心に植え付けたのはユダヤ人シンジケートというのは有名な話。知人の陶芸家は日本にダイヤやルビー・エメラルドといった石が出なかったからこそ陶芸という宝が発展したと言っていた。しかし、古来よりヒスイ、真珠、メノウ、琥珀、水晶、金、銀とアクセサリーの材料には事欠かない。古墳時代の遺跡から出土するこれらのアクセサリー群。それが維新後西洋からもたらされるまで1100年もの間、櫛以外の指輪・耳飾り・首輪等が見当たらないのは何故だろう?
着物姿にネックレスやイヤリングは変だと感じていたが、これには歴史的な感性があったのだ。平安の一二単、室町以降の小袖姿に首輪や耳飾りはしていない。著者は縄文時代のアクセサリー文化を天皇制が封印。アクセサリーは遊牧民族が携行できる財産として発展。定住性の農耕民族には必要とせず、地理的要因として遊牧民族との接触がなかったことの3点が日本のアクササリー空白1100年の原因だとしている。男のピアスが最新モードと思われたが、あれは縄文人に戻ったということか。

ちょっとルミナリエ

2004-12-12 00:19:25 | SIGHT


今年も神戸ルミナリエが点灯されるようですね。あれから10年。鎮魂の火が今年も点ります。毎年見に行こうと思っては果たず。今年こそはと思っています。今日、梅田に出たら阪急百貨店が気分を出していました。ここは映画「ブラックレイン」で、松田勇作がバイクに跨って登場した所。続くモータープールですれ違いざまにアンディ・ガルシアを斬り付けるシーンで地につけた刃先からスパークするのが印象的でした。