竹林の愚人  WAREHOUSE

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カレーの雑学

2007-12-09 00:25:31 | BOOKS
井上岳久 「カレーの雑学」 日東書院 2007.02.01. 

意外なことに中国にはカレー、もしくはカレーに近い料理というものが存在しない。そしてインドには、中国を起源とする麺が存在しないのである。 日本と同じ米食文化を持ち、漢方の生みの親として日本人よりはるかにスパイスになれ親しんでいたはずの中国人がカレーを受けいれなかったというのは、非常に不思議な気がする。 中国の都市部では、近年、アメリカのファーストフード店、日本の牛井屋などの進出が相ついでいる。北京や上海などの街を歩けば、いたるところでなじみのある看板とお店が目にとまり、日本式カレーを食べさせてくれる日本のカレーチェーン店もくつか存在する。 たとえば、ハウス食品。中国市場向けに家庭用のカレー粉を売り出した。その名も「百夢多(バーモント)カレー」これは中国人向けに八角を入れて黄色を強くし、香りもアレンジしたという。また、エスビー食品も工場を建設、大塚食品もレトルトカレーを売り出している。 インド発のカレーは日本を経由して日本式のものとなって中国へ伝わった。最近では中国発の麺が、日本式のカップラーメンとなってインドに伝わっている。 こうした状況は、お隣の韓国や台湾などでもほぼ同じ。これまでカレーを食べることのなかった彼らの食文化の中に、いま少しずつ、日本式カレーが浸透し、そしてどこの国でも、子供や若い世代の人々を中心に日本式カレーは秘かな人気メニューとなりつつある。