いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

魔王 第19話

2013年01月23日 | 魔王
もう、どうしたってしあわせになんかなれないスンハを見るのがつらくて仕方がない。
ラスト2話で、彼の魂は救われるの?
復讐は成功するのかしら?

オスは、ソクジンが義姉と関係を持っていることに気付いてしまった。
獄中のソクジンは、彼女を守るために、殺人の罪をかぶろうとするのだが、
オスはなんとしてでも友の無実を晴らそうと懸命に捜査を続ける。
そして、義姉に彼のアリバイを証言してほしいと頼むのだった。


うんうん、これですよ。
これがオイディプスの役割ね。
自分が誰を追い詰めているのか知らず、
オスはただ真実を求めて、親友の無実を信じて、行動するの。
スンギ殺害の犯人はお兄さんなのに……。

お兄さんも、まさか真犯人は俺なんだから見逃せ、とも言えず、
犯行が発覚するのを恐れて戦々恐々。
まさか奥さんがソクジンのために証言するとは思ってなかったのね。

奥さんも、ソクジンを愛しているから、というよりも、
彼を殺人犯にしてしまってはあまりに寝覚めが悪いから、証言したんじゃないかしら。
もちろん、自分のために罪をかぶろうとしたソクジンに
愛情を感じ、申し訳ない、と思ったのも当然だとは思うけど……。
人間として、あんなふうに愛人を見捨てられないよね。

兄さんは、俺よりソクジンを選んだ!と思ってるみたいですけど、
そんな軽いモンじゃないと思いますよ。
人としての生き方の問題ですよ。
お義姉さんはただ、弱い心を持った普通の人だったんだと思います。

ああ!そしてヘイン!

強い心を持った、美しい人ヘインは、スンハをあきらめられません。
彼を、暗いトンネルから助け出してあげたい。
あの暗闇に、彼を置き去りになんかできない、とスンハに会いに来るのです。

「何かご用ですか」
「散歩しませんか?」
「忙しいんです。申し訳ありませんが……」
「眠れないんです。先生のことが心配で、眠れません。
あなたに何か起こりそうで、わたしの前から消えてしまいそうで、
怖くて眠れないんです」

「あなたが世間を恨むのを、責めはしません。
でも暗闇に閉じこもったら、暗い夢しか見られない。
暗闇の中ではしあわせになんかなれない。
つらいんです。
あなたがしあわせじゃないのが、とても悲しいんです」


ここまで言って、彼のために泣いてくれるヘインを、
スンハはあくまで拒むの~。
帰ってくださいっていうんだよ?

ヘインはね、ノム カスミ アッパヨ と言ってます。二回も。
つらい、悲しい、という訳になっていますが、
彼女の胸がね、とっても痛いんだって。
すごくせつない言い回しだと思うんだわ。

思いとどまってほしい、今ならまだ引き返せる、遅くない、というヘイン。
泣きながら……。
自分は信じた道を行くだけだ、あなたが何を考えようと関係ない、と
言いかけるスンハを、

ヘインがパーで殴った……。

なんていうか、平手打ち、とか、びんた、とかじゃなくて、
パーで殴ったと言いたくなるような、心のこもった一打でしたよ。

でも、でもさ、ここで叩いちゃうんだ?!

「なぜ嘘をつくの?
つらいくせに!
苦しんでいるくせに!
あなたが一番つらいのに!
間違っていると思うなら、引き返さなきゃ。
このままだと、復讐心と自己嫌悪に埋もれてしまう。
それは復讐より暗い闇だわ」
「暗闇になれているものは、恐怖など感じません」


ぐらぐら揺れながらも、心の中で血の涙を流しながらも、
スンハは復讐をやめないの……。

ヘイン、抱きしめてあげればよかったのに!
教会の時みたいに、ぎゅって、今度は正面からぶつかればいいのにー!
叩いちゃったら逆効果な気がするよ……。
スンハ、悩んでいるけどね。

「地獄の門の前に立つのは……誰だ……」
思わずつぶやくスンハの隣に立ったのは、ヨンチョルその人であった。
「ヒョン……」




うーん、実行犯はヨンチョル。
やはりスンハと彼はつながっていたんだね。
そして計画のほとんどを、ヨンチョルにも明かしていたのかな。
本当にいろいろな手助けをしてくれたヨンチョルに、
国外へ出るよう、言うスンハ。
オーストラリアで小説書いて暮らせるなんて夢みたいだけど、
ヨンチョルはこの復讐を最後まで見届けるという。
悪党のオスを見ていてやるんだって。

いびつにゆがむヨンチョルの顔を見て、
スンハは驚き、後悔しているように見えるの。
自分の計画が、彼を怪物にしてしまった。
憎しみと、恨みに凝り固まった、醜いばけものに。
そんな風に、感じているんじゃないかな、と思うんだよね。

以前の自分なら、ヨンチョルと一緒に喜んでいたかもしれない。
お前もうれしいだろう、と言われて、素直に同意していたかもしれない。
でも、ヘインと出会ってしまった。
自分を理解し、受け入れようとする人々と出会ってしまった。
兄の仇、オスの苦悩を知ってしまった。
彼もまた、あの事件から、安らぐことなく人生を生きていることを
知ってしまった今では、ヨンチョルの言葉にうなずくことができない……。



ヨンチョルの姿は、少し前の自分の姿でもあるんだよね。
彼の憎しみにゆがむ顔は、
愛する人に泣いてとめられてもなお、復讐を止められない醜い自分の姿そのもの。

ただね、スンハが、引き返せないのはね、もう復讐心から、だけじゃないと思う。
自分の復讐のために利用した人々を思うと、
ここで降りることは許されない。
自分には計画を最後まで実行する義務がある、と
考えているんじゃないかな。
そんなのばかげてると思うけど。
今からだって遅くない、とわたしも思うけど。

ヘインはハンカチから、サイコメトリーを行い、
殺人の実行犯であるオスの兄を見てしまいますが、
それが誰か、思い出せません。
オスも、まさか兄さんだと思わないから、
思い出したら知らせてね、とか言ってる。
ここでふたりは、チョン・テソンが誰なのか、
お互いが確信を持っていることを知るわけです。



自分が想いを寄せる女性の口から、
真犯人への愛情と憐憫とを聞かねばならないオスの苦痛。
まさに皮膚に焼きごてをあてられたごとくの痛みだと思うわ~。
いや、実体験ないけどさ。

でもね、いつもヘインに元気づけてもらっていたオスが、
初めてヘインを力づけてあげるの。
「自分を責めないでください」って。

しかし、スンハの苦しみを我がことのように思い悩み、
涙するヘインの姿を見て、つらくないわけがない、オスや!
そして友人を殺した?かもしれないスンハを心底憎めない自分がわからない。
案の定、お酒を飲んでしまうオスは、スンハを呼び出します。

「用件は?」
「少しは満足ですか?全てあなたの思い通りだ。満足しましたか?」
「だいぶ酔ってますね」
「不思議ですね。
あなたに赦しを請おうと思うと、被害者の顔がうかぶんです。
あなたを心底憎もうとすると、テフンとあなたのおかあさんの顔が浮かぶ。
どうしてなのかな。あなたを通して、俺が見える。
これ以上後へも引けず、戻る場所もない俺が、見えるんですよ。
あなたはどうですか?爽快な気分ですか?」
スンハは、オスの言葉に動揺する。
ひるんだ自分を鼓舞するかのように、オスに言葉を投げつけるスンハ。
「怖くなったようですね。正当な方法で犯人を捕まえるなんていっておいて、
真実を知るのが怖くなったんですか?」
オスは、もはや彼の挑発に乗ることはない。
静かに、スンハの目を見つめて言うだけだ。
「俺はあなたを捕まえますよ。
ただ、それがうれしくないだけです。
あなたのいう真実の果てに何が待っているのか、この目で確かめます」
「安心しましたよ。期待外れでなくて」
オスは去り、後ろ姿を見送るスンハ。


ががががーん!
あなたの中に俺が見える、と言われて、スンハは激しく動揺します。
スンハだって一緒なんだもん、今!
もうやめたい、オスを赦したい、と思うと、
兄さんや、お母さん、そして傷ついた少年の自分が浮かび、
オスが憎い、世間が憎い、と復讐を誓うと、
ヘインや、ヘインオンマ、グァンドゥさん、姉さんの顔が目に浮かぶ。
スンハだって、進むも地獄、引くも地獄なんだもん。

だからこそ、グァンドゥさんの優しさが、心にしみるの。
スンハが必要とするときに、いつでも力になれるように、
ずっと側にいるって。
出て行けって言われても、出て行かないからって言ってくれた……。

いつもは、若いスンハを尊敬していて、なんとなく自分を卑下した感もあるグァンドゥさんが、
この時はすごく優しくて、スンハを包み込むような雰囲気なの。
スンハも、16歳の少年に戻ったかのような素直な表情で、
グァンドゥさんの話を聞くんだよね……。

ソラオンマの公判の際、スンハをにらみつけていた男、
ドラマ観てる誰もが気付いたよね?

なんかこのままだと、スンハがあの男に刺されちゃうんじゃないかって
心配で心配で仕方がないの。
オスが、正当な方法でスンハを逮捕して、
さあこれからという時に、スンハは刺されて死んじゃうんじゃ……。
どうしよう、どうしたらいいの?

オスは、スンギ殺害犯が実の兄だという可能性に気付き、苦悩する。
電話ボックスから指紋が検出され、
ヨンチョルの自宅が家宅捜索される。
タロットカードに、黒革の手袋。
赤い糸の巻かれたはさみ……。
帰宅したヨンチョルは、刑事たちの姿を見て慌てて逃げ出すが、
足を踏み外し、階段を転げ落ち、意識を失ってしまう。


ああ!ヨンチョル!スンハの言うとおり、あのとき素直に
海外に脱出していれば、こんなことにはならなかったのに!
このままヨンチョルが死んじゃったら、状況証拠から
彼が真犯人だったということになり、真相は闇の中へ。
オスはスンハを捕まえられないままになってしまうわ!

スンハは本当に捕まりたいと思っているのかしら?
そして止めてほしいと?
復讐劇は最終段階に入り、後はオスの選択を見守るだけじゃないの!
テフンの事件では、真実を隠したオスが、
身内を逮捕することになっても、真実を貫くのか、
それとも再び、同じ轍を踏むのか。



きっとオスは、真実を明らかにしてくれると思うけど、
信じてるけど、それでスンハの復讐は完結するの?
息子たちがめちゃくちゃにされて、さすがのカン議員もショックを受けるのかしら?
スンハは、オスの選択がどのようなものか、予想しているかしら?

海外へ高飛びするおでこの店長は、置き土産だと言って、
スンハの正体をカン議員に密告します。
お父さん、手が震えてます。
さすがにそこまでは思いもよらないわよね。

ああ!いったいどうなるの?

最終回……最終回観たいけど、観たくないよ~(泣)




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