いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

おいしいマン

2016年03月21日 | 韓国映画
こんにちは、久しぶりに自分の書いたものを読み返したら、
実に上から目線でひどいレビューだったので困惑しています。
お前なんか嫌いだよ!と当時のわたしに言いたい。
それともこれってそんなにがっかりな映画だったの?
でももう忘れたよ!こんなに怒ってもそんなもんなんだから意味ないよ!
ほんと、つまんなかったな、という感想なんて書く意味ないですね。反省。


こんなことは滅多にないのですが、
偶然観た映画があまりにもあまりにもだったのです。
残念。
辛口です。好きな人はごめん。

〈あらすじ〉

聴覚に問題が生じた失意のミュージシャンが、
北海道に流氷を見にいった先のひなびた旅館で
とある訳あり女性と数日を過ごす。


出演は、イ・ミンギと池脇千鶴。

ふたりがただ息をして動いているところが観たい、という役者ファン、

そして北海道の自然を愛する方、

以外は観ないでいいです!

ってか、逆に上記2点ともピンポイントな人は観たらいいんじゃないかな。

いや~、趣味で始めた自分のブログで、
こんな微妙な映画の感想を書くとは思わなかった。

新作映画ってわけでなし、
いまさらこんなこと書いてどうなるんだ?と自問自答しましたが、

dTVが薦めてくるんでね。

わたしと同じようにdTVで韓国ドラマを観ていて
うっかり薦められちゃう人も多いと思いましたので、
なんらかの参考になれば、と思って書くことにしました。

イ・ミンギ、好きなんですよわたし~。
「がんばれ!クムスン」に出演しててねー。
「めっちゃ大好き!」は未見ですが、そのうち気楽に観たい。

池脇千鶴も好きなんですよわたし~。
演技うまいと思うんですけどねー。
「そこのみにて光輝く」は未見ですが、必ず観たい。

そして北海道も好きだ!

こんなわたしですら、わりと「ぐぬぬ」と思った作品ですのでね、
うっかり観そうになった人は覚悟決めて下さい。
90分ですので、まあいっか、とあきらめもつきます。

なお、今回の表題画像はDVDのパッケージ画像を使用していますが、
絶対こんな色味の映画じゃないんでご注意下さい。
なんで韓国版みたいに青系にしないんだよ?!


では、以下、ネタバレしつつ簡単に。





イ・ミンギ演じるミュージシャンの青年は耳を悪くして、
音楽界から身を引くことになるんですね。
自分の声もうまく聞こえなくて、音痴みたいになっちゃって。

もうわたし、この冒頭からすでによくわかんなくて。
ええっ?ちょっと聞こえづらいだけでこんなに?
じゃ、ベートーベンはどうなるんだ、と。
やっぱ聞こえなくても曲作ってたベートーベンは天才なのか、と。

後からの描写で、歌い出しから途中まではオッケーなのに、
曲の途中からいきなり音が取れなくなるというものがあり、
そういう風になるものなのかなぁ、と懐疑的になってしまいました。

もちろんこのあたりはわたしの認識不足で、
実際そうなんだよ!という現場の方のご意見もあるかと思うのですが、
それならそうで、もうちょっと丁寧に描いてもらいたかったな、と。

で、彼は街のカラオケ教室の先生になって
おばさん相手のテキトー授業もできなくて経営者に叱られるんですが、
ファンです、といって来ていた女性(離婚歴アリ。若い)と
酔った勢いで寝ちゃって自己嫌悪に陥るんですよ。


これもねぇ。
焼いたサンマの頭をボリボリ食っちゃう女性で、
一夜の関係にしても、
どっちかというと彼の方が食われちゃった感があって。

爆弾酒のつまみが白飯、というちょっとげんなりするシチュエーションは
やさぐれ感とか、どーしよーもない感が漂ってて
逆にうまいな、と思うんですがね。
こみあげてくる胃液をこらえながら観ました。
げんなり感も大事だけど、そこまでリアルにおえってなりたくなかった……。

その後、彼は北海道に来て、池脇千鶴演じる孤独な女性に連れられ、
ひなびた旅館で数日を過ごします。
砕氷船に乗って流氷を見たりね。


もう、美しいんですよ、この北海道の自然の風景が!
ここは映画として撮るべきだろう!という画が満載!
ブラボー!北海道!

明日帰るとなった青年は、バケツをかぶって雪玉をぶつけてもらい、
そのまま号泣して翌日は帰途につきます。
国へ帰ると、アフロだった髪をなおして、
女性らしく装ったファンの女性が、彼に花を差し出して笑顔になるのでした。
おしまい


なんのこっちゃ、とお思いでしょうが、
こうなる必然はちゃんとあるので心配しないで下さい。
わけわからん、ということはないです。
映画としての破綻はない。
ただ、書き込み不足だというだけです。

心に傷を負った青年と、北の大地にあえて閉じこもっている訳ありの女性。
彼女もどうやら心に傷がある様子なんですね。

じゃあ、必然的にふたりが心を通わせたり、
数日間の短い恋をしたり、
そんなロマンスがあると思うでしょう?

思いますよ、だって解説のところに
「池脇千鶴とイ・ミンギ共演によるラブロマンス」って書いてあるんだもん。

ところが、ふたりの関係が描写され始めるのは
映画開始から1時間後ですよ?
90分の映画なんだから、あと30分しかないじゃないか!

案の定、ロマンスといえるものなど何もない。
心の交流は微かにあるかなぁ。

寂しい人と寂しい人が出会って、
世の中には自分みたいな寂しい人がいるんだな、
自分はひとりぼっちじゃないな、とわかる映画なんだね、これは。

とはいえ、印象的なシーンもいくつかあって。

まず、ふたりがすげぇタバコを吸うところ。

池脇千鶴は相変わらず少女のような風貌と声なんだけど、
登場シーンからスパスパ吸っちゃうわけですよ。
あー、やさぐれてんなぁって感じもあるし、
あー、僻地の少数民族は天然タバコ作って吸ってるよな、みたいな
蝦夷地感もあるし。

なんですか?この差別的な表現は?
これ私が書いたんですかね?自分でも信じられませんが、自分が書いたものなので残しておきます。


映画における喫煙シーンが問題になる昨今ですが、
この映画においては、登場人物の独立独歩的な雰囲気が
伝わってくる良い小道具としてきいていると思いますね。

タバコからタバコに火をうつしてもらうって、
ちょっと儀式的というか、一気に距離が縮まる感があるんですよ。
映画の初めの方にこれがあって、そのシーンは好きでした。

そして、飲み屋で池脇千鶴がギターを弾くところ。

スティール・ギターですね。
琴のように弾くんですけど、音が独特ですごく好き。

いいんですけどねー、聴覚障害の青年が、どこまで聴けているのか?
ただ、青年がその音に誘われて、つぶやくように歌うんで、
聴けてるのかな、と。

あとは、イ・ミンギ歌うまいなぁってところですね。

こんなに尺がいるのかよ?しかも顔アップのまま?
という歌唱シーンが2カ所もあるんですが、
これがやたらとうまいです。



ふたりとも訳ありだけど、お互いそのわけを詳しく語り合うことはない。
簡単な英語でしか会話できないからね。
そんなわけで、それぞれがそれぞれになにか納得して終わるという、
わりと自慰的な映画でした。

なんでもかんでも説明すりゃあいいってもんじゃないんで、
そのへんはぜんぜんいいんですけど、
ふたりが絡む時間が短すぎるのが問題。
もうちょっとなんとかならんかったんか。

映画の構成にしても、
北海道でふたりが出会ったあと、すぐに場面は韓国での回想に飛ぶので、
池脇千鶴の印象が置いてけぼり。
もったいねぇなぁ。
前述したけど、回想シーン長い割に青年の苦悩が伝わりにくいし。

「おいしい。これなんですか?」
「クマ」
ここはいい感じなんだけど、後からのルイベ?卵かけごはん?
食事シーン押しのわりには、うまくない。
宿の中はいつもすんげぇ暗いしな。
そこは映画の雰囲気として通しているのだと思うんだが、
食べ物が暗い中にあると、まったくうまそうでないし、
泥のようでね。
観客を笑顔にしたいのか鬱にしたいのか、ようわからんですよ。

流氷、音楽、食事、と3つも柱があるのでブレちゃってんですね。
それぞれも細い柱だし。
どれかに絞ってもらうと良かったんですが。

じゃ、なんで最後まで観たのか?

・乗りかかった船。

・イ・ミンギと池脇千鶴が好きだから。

・いつロマンスがはじまるのか期待してたら最後まで観てしまった。

・映画の中の宿の風景が、いつも見る夢の風景と酷似していたから。

そういう個人的な理由で視聴完了しましたので、
これから観ようかな、と思ったり、
dTVに薦められちゃった方には、
謹んで以上ご報告させていただきます。

とはいうものの、外国人同士の出会いとそこはかとない交流、って好きだし、
美しい風景は印象的だし、
誰もがふと感じるわびしさみたいなものは好きだったし。

ただ、90分なのに一気に観られずに分けて観た。
途中2回ほど、もう辞めよかな……と思ったってことですね。
そのへんご理解頂いて、観るかどうか決めて下さい。

そしてすでに観てしまった人には、微妙な笑顔のハグを送ります。
こんな日だってあるさ。

おわり



【追記】

クリオネは流氷の天使と呼ばれる海の生き物ですが、
体長1~3センチ。
めぐみよぅ、そんな小さなもんが、砕氷船の甲板から見えるのかよ?!
バッカルコーン!



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2 コメント

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わはは! (しーま)
2016-03-21 21:39:46
笑ってしまいました!(笑)

逆にちょっと見てみたくなったりして…w


池脇千鶴好きですよ。

北海道の自然も見てみたい。

こんな私なら、見てもいいでしょうか?


テレビで放映されたら見てみることにしますね( ^ω^ )



そんな日はいつか来るでしょうか…?www
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どうぞどうぞ (ビスコ)
2016-03-22 10:32:24
オススメしない作品の記事を読んでいただいて
笑っていただくなんてどーもすみません。

しかし北海道好き・池脇千鶴津好きのしーまさんになら、
ダチョウ倶楽部ばりにどーぞどーぞと言ってしまいますよ。
観た直後に盛大に文句を言いながら書いてしまいましたが、
なんだかんだ最後まで観ちゃったんだから
そこまでひどくはないのかも。

時間がたった今は、怒ったことすら良い思い出です。

テレビ放映は……ないでしょう。

この調子で日韓合作ドラマ観るか。
「フレンズ」は深キョン出てるし。
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