いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

魔王 最終話

2013年01月25日 | 魔王
ああああああああああ、、思っていたとおりになったことも、
そうでなかったことも、いろいろあって、もう、どうしたらいいのか……。

今、最終話終えた直後ですけれども、みなさんあれですか、
いったいどんな時にこの最終回を観終わったんですか。
なんかあと3日間は何もしたくない心境ですけど、
ぐるぐるぐるぐるオスとスンハの顔が脳裏に浮かんできそうですけど、
この最終回ラストをどんな風に受け止めたんですかーーーーー!

あ、ちょっといつものようにあらすじとか時系列に無理ですが、
いろいろ強烈に思ったことなど順番に。

まず、お父さんでしょ!カン議員!
スンハとの直接対決が、わたしすごく意外だったんですよ。
なんでしょうか、あの終始穏やかな態度は!

もちろん、ヒス兄さんが殺人を犯したなんて知らなかった頃ですけども、
カン議員は12年前の事件当時も、今も、スンハ(テソン)のことを
すごく買っていて、気に入ってるんですね。
そして、過去に自分がしたことを、全然後悔していない。
自己保身のためにしたことではなく、
実は、息子のためを思ってしたことだったから、後悔してないんですね。
親として、子どものためを思ってしたことだから。

もしかしたら、と思ってはいましたが、
すごく利己的に見えて、実は息子たちに愛情を持っていた人だったんだわ。
その愛情の示し方が決定的に間違っていたんだけどさ。

スンハとしては、もっと慌てふためく、というか
自分を守るために醜くあがくカン議員を想像してたかもしれないですね。
わたし自身、彼がスンハに条件を提示するとか、取引きするのかと
思っていたし、お前がテソンだったのか!みたいに怒ったりするのかと
思っていたので、すごくびっくりしました。

そしてスンハのことも、まったくそのとおりな指摘をするんですね。
スンハ自身も、自分の目的のために他人を不幸にしているじゃないか、と。
お前に言われる筋合いはない、みたいにスンハは言いますが、けっこう応えてる。
カン議員が、ほんのちょっと目を細める瞬間、
スンハに対する哀れみみたいなものを感じました。
スンハも、そう感じたかな……。

ヒス兄さんの逮捕を聞いたカン議員は、別居しても離婚してない奥さんのことを思います。
「母さんがこのことをきいたら悲しむだろう」みたいに言うんだよね~。
具体的には書かれていないけど、奥さんが別居させられて、でも離婚してない、というのは
ヒス兄さんと同じようなことがあったからなのかな、と。
前回、それをにおわせるようなことをヒス兄さんが言ってましたもんね。
一瞬、オスとヒスは父親が違うんじゃないか、ぐらい思いましたよ。
全然性格違うし、あの兄弟。

カン議員、最後にやっと過ちに気付いてくれましたねー。
しかもあの事件のことに限ったことじゃないんだ、と。
自分の人生に対する姿勢が、間違ってたというような懺悔でした。
オスにあやまってたし。
よほどヒス兄さんのことがショックだったんだろうね。
かわいそうに、あまりの心労で亡くなってしまいましたが、
その後の展開を知らずに逝けたことはかえって良かったんじゃないか。

だって、だってオスが!

もうスンハには、ヘインとグァンドゥさんが波状攻勢。
ヘインはオスにもらったあの笛をあげて、
「わたしが必要になったらいつでも呼んでください」って。
グァンドゥさんは、もう何歩か進んだら、みんながあなたを待っているんだって。
さすがのスンハも、自分が赦される可能性について
ちょっとだけ希望を持った瞬間があったのですが、
ヒス兄さんが逮捕され泣き崩れるオスを見て、
カン議員が亡くなってしまった状況を見て、それは無理だと悟るわけですね。
もちろん口に出しては言わないけど、悟ったと思う。

あの、お母さんが好きだったハッカキャンディを口にすることすらできない。
自分の犯した罪の深さに、彼は耐えられない。



オスは、拳銃を借り出してスンハを呼び出す。
謹慎中の刑事にそんな簡単に銃を貸してはいけないと思いますが、
貸しちゃったんだから仕方ない。

オスに呼び出され、覚悟を決めてスンハは出かけるのですが、
そこで暴漢に腹を刺されてしまうんですね……。
あの人、ソラオンマの公判にいた男ですよね。
死んだデシクの身内?

とにかく腹を刺されたスンハは、なんかこう、自分と兄さんの姿を
重ね合わせたかのように、ふっと笑って、現場に向かうわけです。
あの、12年前、テフンが殺された場所へ……。



うう、このへんは想像してたとおり。
やっぱりスンハは刺されて死んじゃうんだ……。
もうわかっていても、このへんで涙が……。

そしてそこで待っていたオスは、手に拳銃を持っていて、
とうとう最終的なふたりの対決が始まるわけです。

スンハはハンカチで血だらけの手をぬぐい、背広の前をきちんと止める。
ゆっくりと振り向くオス。

「お前の望むとおりにしてやる」
オスは、銃口をスンハに向けた。

「俺がお前を殺すこと
それがお前の望む結末だ」




な、なんですとーーーー!

わたし、実はそこまで思っていなくて、すごい衝撃を受けました。
バカだな~。
スンハの最終的な復讐とはどういうものなのか、わかってなかった。
カン議員を失墜させて悔い改めるようすればいいのか、とも思ったし、
とにかくオスが苦しめばいい、ということなのかな、とも思ってました。
「もう終わったんだ、僕たちの望み通りになったんだ」と
ヨンチョルに言ってたよね。
彼を納得させるためにそう言ってるのだな、とは感じたけど、
本当の終わりがどこにあるのか、知らなかった。

でも、オスはわかってたんだね。
スンハに追われるものとして、常に彼とともにいたオス。
あの事件の日から、ずっと地獄を生きてきたオス。
(スンハに比べれば、しあわせを感じる瞬間は多かったと思うけど)
彼だからこそ、スンハの目的が理解できたんだな……。

「結末にふさわしい場所ですね。
ここにいるのは、カン刑事と私、ふたりだけですから」
互いに見つめ合うふたり。
オスは空に向けて、銃を撃った。




12年前の事件、目撃者はたくさんいたのよ。
デシク、スンギ、ソクジン、そしてヨンチョル。
テフンは、友人をいじめから守ろうとしただけだった。
言葉で挑発したかもしれないけど、
ナイフを使い出したのはオスの方だった。
誰もが見ていた事実を、誰も語らなかった。

そして、真実はオスとテフンしか知らなかった。
あれは事故だった、そんなつもりじゃなかった。

スンハは、本当のことが明らかにされないまま、
兄を信じるしかなくて、ヨンチョルの証言を聞くしかなくて、
間違っていたかもしれないことを信じて、復讐を誓った。

でも、いまここには、オスとスンハふたりきり。
真実を知っていればいい人間以外、邪魔者はいないのです。

スンハはそう感じていたんじゃないかな……。

「次は狙うんですか」
拳銃を持つオスの手は震える。
「何を迷っているんですか。誰も見ていませんよ」
オスは、銃の狙いを外さないまま、スンハに尋ねる。
「お前も―
苦しんでいるのか?
お前も俺と同じ、地獄にいるのか。
俺と同じ、苦しみの中にいるのか?」

「迷っていないで撃つんです。
それですべて終わるんです。
何を迷っているんです」
苦しい息の下、スンハは目を見開いてオスを促すのだが、
彼は拳銃を手放してしまう。



「俺がお前を、そんなふうにした。
お前を地獄に導いたのは、俺だ。
殺したいほど憎くても―
お前を見ていると
胸が痛むんだ」

オスは、一言一言を絞り出すようにしてスンハに語りかける。

「テフンのことは
事故だろうと故意だろうと
お前の言う通り、そんなことは重要じゃない。
真実を明かすために、俺は何もしなかった。
すまない。本当に、すまない」

オスの言葉を、スンハは受け止めることが出来ず、動揺する。

「何を言ってるんだ」

オスが取り落とした拳銃を拾い、必死に手渡そうとするスンハ。

「終わらせるんだ。それがあんたの役目だ。
僕を撃つんだ。あんたならできる。
僕はあんたの友達を死なせた。
兄さんを殺人者に仕立て父親を死に追いやった。
は、はやく撃て」

冷静さを失い、早口にしゃべり続けるスンハの目を
じっと見つめたまま、オスはこたえる。

「生きろ。

それが地獄の苦しみでも、力のかぎり生きて、
暗いトンネルを抜け出せ。

テソンア」

オスを見つめたテソンの目から涙が一筋こぼれる。



「銃を、渡せ」

「終わらせるんだ」
涙をこぼしながら、テソンはオスの目を見つめ返すことができない。
視線をあちこちにさまよわせながら、取り憑かれたように言葉を
つないでいく。

「銃をくれ」

「終わらせないと

自分が許せない。
あんたじゃなくて、
これからは自分を憎むことになる。

けっして許せない」

とっさに銃口を自らの頭に向けて銃を撃とうとするテソンを
かろうじてオスが止めた。

「何をする!やめろ!」
「終わらせるんだ、終わらせるんだ!」
「落ち着け!」

もみ合ったふたりの間で、銃声が響く。



見つめ合うふたり。
崩れ落ちるオス。
腹を撃たれたオスは、地面に横たわる。

「しっかりしろ、目を開けるんだ!
死ぬな、死んじゃだめだ、カン・オス!」

震える手で、必死に携帯から電話をかけようとするスンハを、
オスの手がとどめた。

「生きるんだ。
力の限り 精一杯、生きてくれ。テソンア。
赦してくれ。
俺のことも、自分自身のことも……」

そういうと、オスは事切れた。

「目を開けてくれ、しっかりしろ、
死ぬな、カン・オス!」

そうしながら、スンハは、かつてオスと対峙した日の
オスの叫びを思い出していた。

「死ぬな……カン・オス……
死ぬな、死なないでくれ……」

オスの遺体をかき抱いて、スンハは振り絞るように泣いていた。


な、長いですか。長いですね。
でも、でもわたしとしてはここはどうしても書いておかないとーー!
ここだけは本当に何度も何度も繰り返して、
ふたりの最後を見届けておかないと……という心境です。

あー、でもつたない文章だと全然伝わんないよね。
これはやっぱり映像を見ないとさ。
すごくよかった。ラストにふさわしい、シーンだったよ。
どうやって撮るの?あのテンションでえんえんと。
「はいカット!」って言われる度に消耗しそうだし、
テイク2なんて絶対行けないよ~。

書いていて、彼のことをテソンと呼びたい瞬間があったので、
そこはそのままテソンと書きました。
でもその後、やはり彼をスンハとしか感じられなくて、
表記をスンハに戻してあります。
このシーンを観ていて、感じたままです。

最後の最後で、自分を許そうとするオスに取り乱し、
すがりつくような目をしてぶつかっていくスンハが哀れで、かなしい。
オスが自分を許すなんて、スンハは想像していなかったんだと思う。

スンハの救いは死しかないかもと思っていたわたしですが、
もしかしたら、スンハは生きてやり直せたかもしれないんだね……。

信じられないよ、よりによって、

オスまで死んじゃうなんてーー!

ヘインが感じていたとおり、ふたりはよく似ていましたね。
彼らは同じ地獄の中を生き、
同じように相手を憎み、同じように相手を赦していた。
ただふたりとも、自分を許せなかったんだな……。

なんと呼べばいいんでしょうか?
この奇妙な魂の結びつきを。
同じ女性を愛したふたりが、互いに感じていたであろう、
複雑な感情を。

ちょっと、腹を刺されたわりにはスンハ動きすぎな感じはしますが、
もう、涙が……。
しかもぎりぎりと奥歯を噛みしめながら流れる涙がわたしも止まりません。

スンハは、廃車の横腹にオスをもたれさせ、
自分もその隣に座っている。
ヘインとのこと、オスの照れくさそうに笑った顔を思い出しながら、
ひとりつぶやく。

「許してくれ……
僕のことも……
それから……あんたのことも……」

握りしめた、笛を見て少し微笑んだスンハは、
オスの肩に頭をもたげるように、そのまま息をひきとった。


スンハから、というプレゼントを開けたヘインは、
オルゴールの中にある指輪を見て、急いで現場に赴くのですが、
そこには、肩を並べて眠ったように死んでいるふたりの姿があったのでした。



泣くしかない。泣くしかないです、彼女は。
ヘインはこれから、どうやって生きていくのだろう。
教会で神に祈りながら、自分と彼らの数奇な運命を
何度も思い返しながら、生きていくのでしょうか。

きっと、農場のお兄さんのところに行ったり、
グァンドゥさんと話したり、親友とごはんを食べたり、
お母さんと一緒に、ゆっくりゆっくり生きていくんだろうな……。
スンハと一緒にしたかったことを、ひとりで、
でも心の中にスンハと、オスの面影も一緒に抱いて、
生きていくんだね、きっと。

自分のお兄さんが殺されたのとよく似た状況で、
オスを殺してしまったスンハ。
事故だった。
そして殺してしまったオスに、許され、生きろと言われた。

もしかしたら、テフンも、あの時オスを赦していたのかもしれない。
同じように、オスに言いたかったのかもしれない。
そんな解釈はうがち過ぎでしょうけれど、
そうでなくても、テフンはオスを憎みながら死んだのでは
ないような気がするんだよね。

最後にオスに届いた赤い封筒。
あれは、スンハの指示ですか。
「運命の輪」のカード。
自分自身の終わりと、オスの地獄の日々の始まりを暗示していたのかな。
結果的には、ふたりとも死にいたり、
地獄の門は閉じられたわけですね。

これしかないんだろうな。
これしかないんだろうか。
生きていてほしかったな。
ふたりとも生きていてほしかったな。
そして、犯してしまった罪と向き合い、
苦しみながらも、地獄なんかじゃない、光の中を
ふたりで支え合いながら生きていってほしかったです。

オスは、スンハが刺されてること知らずに死んでしまったね。
スンハが生きてくれることを祈りながら死んだんだね。

全ては、12年前のオスの過ちから始まった悲劇だったけれど、
オスは自分自身を許してあげてほしい。
そして、傷つきすぎた少年の心から生まれた悲劇だったけれど、
スンハも自分自身を許してほしい。
だって、やっぱり全部が全部、スンハのせいじゃないじゃん!
誰もが、引き返すことができたはずじゃん!
恐ろしい選択をせずに、正しい道を選ぶチャンスがあったはずじゃんか!

スンハは人の心をあやつったかもしれないけど、
みんながスンハを追い詰めたんじゃないか……。

なんかゴゴゴゴゴゴゴッと音をたてて、
地獄の門が閉まっていく映像が見えたような気がする最終回でした。
ズシーンって砂埃とか立って。
オスとスンハが、その門の向こうに永遠に閉じ込められる感じ。

ああ、もっと書きたいこと、感じたことがいっぱいあるような
気がするんだけど、とりあえず今はこれが精一杯だー!

また落ち着いたら……なんか……書くかも……。
ヘインのこと、もうちょっと考えたい気がする。
オスのことも……。





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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
見終わりました。 (しーま)
2016-10-11 10:39:00
あれで終わり!?
そんな…


というのが、私の見終わってすぐの感想です…。

私がカット版を見てるせいなのですか?
ヘインが2人をみつけて
立ちすくむところで終わったんですけど…


なんか、バッサリ断ち切られたような感じで、
気持ちが宙ぶらりんなんですけど…
オスとスンハの物語は、
自分たち2人で完結したのだから、
これ以上何も言うな、感じるな、
と拒絶された感じ…(;_;)

ノーカット版では、エピローグ的なものがあったのでしょうか…?



スンハの復讐の終わりについては、
うっすら思い出したので、
納得はしていました。
あの時点で、オスの怒りが頂点に達しているはずで、
今度は本当にオスを殺人者にしようとしていたのですよね。



人生って、いい事があったり、悪いことがあったり、いろいろですよね。
テソンの人生には、たまたま悪いことが重なって、どんどん転がるように落ちて行ってしまった…

スンハが、タロットを送った人達のように、
そこで違う選択をすることもできたのに、
テソンは、どん底に落ちた時、自分の意志で掘り進んでしまった…


暗いトンネルに入ってしまったら、
前か後ろに進めばいつかは出られますよね。
でもスンハは下に掘り進んでしまった…
(;_;)



でもずっと辛そうだったスンハ。
どの時点かで、誰かが立ち止まってくれたら、
この計画は破綻するはずだった。
心のどこかでは、破綻するのを待っていたのかもしれない…



本当に、辛い物語でした。
最期の2人が、穏やかな顔してたのが
唯一の救いです…




あと、!
カン議員ズルイ!
って思いました!
なんか、最後になって、いい人になったりして、そのまま逝っちゃって、
そんな、今頃反省するなら、
なんであの時、もっとなんとかしてくれなかったのー!
あなたがなんとかしてくれてたら、
オスもスンハもこんなことにはならなかったのに…(;_;)

ヒス兄さんのことだって、
その優しさを甘いとかなんとか言ってたんでしょう?
今さら捨て犬云々!?
その時々できちんと評価してあげてよ!
挙句に、病気で逃げ切るなんて…
まぁ、自殺じゃないだけマシですけどね。
自殺だったらもっと許せなかったよ!



2人の安らか眠りを祈って…(;_;)
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悲劇ですわ (ビスコ)
2016-10-11 23:24:08
はい……とうとう視聴完了ですね。
ノーカット版もばっさり終わりましたよ。
エピローグ的なものはありませんでした。
だからこそ、地獄の門がダダーンと閉じた感じがしたのかも。

>心のどこかでは、破綻するのを待っていたのかもしれない…

本当にそうですよね、誰かどこかで正しい選択をしてくれていたら、
スンハの復讐はそこで終わっていたのに……。
オスに殺されることで、スンハは救われたかったんでしょうね。
やはり自分の復讐は意味があったのだ、だって人間はこんなにも醜悪な存在なのだから、と思いたかったのでは。
でも別の形でスンハは救われて死んでいったんだなー。

復讐は悲劇でしか終われない。
わかっちゃいるけどつらいラストでしたね。
しかし名ラストシーン。
バッドエンドドラマの方が、なぜか心に残ってしまうなぁ。
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