タイノエをゲットした!!!
スーパーで購入したタイの口内からである。
以前から魚を購入する時、口を半開きにしたものには特に気をつけていたが、
その変人行為も結実したようで大変嬉しい。
「これは居る!」というのを発見したので、迷わずレジに持っていった。
はい、こんにちわ~。
なかなか可愛い顔をなさってるでしょ。
タイノエを含むウオノエの仲間は、いずれも魚の口内や鰓に寄生する甲殻類の仲間。
分類学的には、
節足動物門 Arthropoda
大顎亜門 Mandibulata
甲殻綱 Crustacea
エビ亜綱 Malacostraca
エビ下綱 Eumalacostraca
フクロエビ上目 Peracarida
等脚目 (ワラジムシ目) Isopoda
コツブムシ亜目(有扇類) Flabellifera
ウオノエ科 Cymothoidae に属すものの総称。
タイノエの学名はRhexanella verrucosa 。
ウオノエ科には他に、
Nerocila
Irona
Ceratothoa
Colombia
Cymothoa
Elthusa
Emetha
Glossobius
Idusa
Mothocya
Olencira
Ourozeuktes
Lironeca
Livonectus
…などの属があるようですが、日本での研究は殆ど進んでおらず、その生態は謎だらけです。
近いものなら、他にオオグソクムシ科とかありますが…
一般的には、海生のダンゴムシのような動物と言えば分かりやすいでしょうか。
(え~ダンゴムシぃ。と言われる方もあろうが、ダンゴムシは昆虫やムカデなどより
遥かにエビ・カニに近い生物だ(同じ甲殻綱 エビ亜綱 エビ下綱に属す)。
陸生でありながら鰓で呼吸を行なう(このため乾燥には極度に弱い)という点からも、
奴らがむしろ水棲に近い奴らだと言う事が分かりますね。
ウオノエは加熱すれば赤くなり、食べるとエビのようで意外に美味いそうです。
ひょっとしてダンゴムシも美味いかも知れませんぜ。)
タイの釣りが趣味だ、また生業としておられる方には結構お馴染みの対象らしいですね。
日本では広島大学大学院生物圏科学研究科附属瀬戸内圏フィールド科学教育研究センターで
専門的に研究なさっている方がおられるそうです。
さてさて、上の写真でこんにちわしてる奴をピンセットで引きずり出して色々観察していたんですが、
一応と再度タイの口の中を覗いて見た時、私はコイツが成熟した♂である、
つまり、“小さい方”であることを知ったわけです。
♀!!でけぇ!!手前が頭。眼は辛うじて2つあるようにも見えますが、殆ど失われています。
ウオノエは魚の口に入ってから性転換を行い、先に入ったほうが♀、後から入った方が♂になります。
♂や、後で見られた子虫には比較的ハッキリした眼がありましたから、この欠失は後天的なものですね。
♀♂の付く位置は決まっていて、♀が上顎・♂が下顎、両方頭を口の外側に向けて付きます。
外に出すとデカさが分かりますね。
♀は大分成熟しきってるようで、お腹の育嚢は大きく膨らんでいます。
育嚢の中には子虫が数千と入っています。彼らは卵胎生なんですよね。
さて、「こんなの付いてる魚売ってるなんてどんなスーパーやねん、訴えたれ!」と言われるだろうか。
まさか!そんなことしていたら新鮮な魚を売る店なんてなくなります!
自然に生きるものに“寄生虫”が付いていないことの方がよっぽど不気味です。
これは偶々大きいから目立つけれども、アニサキスだろうが鈎頭虫だろうが、
誰でも必ずどこかで無意識に料理し、時に口にしているはずだ。
もっと小さなバクテリアやら虫やらなんて毎日口に入っている。
現にスーパーの生鮮食料を片っ端から調べてみりゃ、まぁ“望まれない”連中の多いこと。
以前見つけたホヤノシラミってのも、ホヤならば当たり前に付いてる虫だ。
どうか魚の口からこんな虫が見つかったところで文句なんか言わんで下さい。
私ならむしろ喜ぶ。
生物学的興味を除いても、ウオノエは縁起物だからだ。
こいつらは一生を魚の口の中で、一夫一婦制の夫婦で過ごす。
つまり、その上の日本では夫婦円満の徴として、結婚式などには大変喜ばれたものなのだ。
子沢山だしね。
一番の功労者(?)、宿主のタイ。
マダイかチダイか、迷いましたが、尾鰭の先が黒くないのと尻鰭が3棘9軟条なので、チダイとしました。
さて、色々書きましたが…
μ姉さん、どうかなぁ?ダンゴムシの件とか、俺そんなに間違ったこと書いてないよね?ね?
間違いあったら教えて~。
P.S.→その他の収蔵標本
<ονλη ονε>
最新の画像[もっと見る]
- Midnight in Tokyo 8年前
- Midnight in Tokyo 8年前
- Midnight in Tokyo 8年前
- Midnight in Tokyo 8年前
- Midnight in Tokyo 8年前
- Midnight in Tokyo 8年前
- Midnight in Tokyo 8年前
- Midnight in Tokyo 8年前
- Midnight in Tokyo 8年前
- Midnight in Tokyo 8年前
よっくわかりました。まだ実物にお目にかかったことはありませんが。タイなんて買うことないし…
でも、このタイノエとかいうやつ、エビの尻尾だと思えばなんとか食べられるかしら。
一応カリッと焼いて食べる文化もあるとかないとかですね…。
加熱すると赤くなって、やはりエビの味がするらしいですが、
でも敢えて食すほどのものでもないとか。
先日、買ってきたアジの中で見つけて「ひゃー、なんだコレ!」と思ったんですけど、
母に聞いたら縁起物だとのこと。
てっきり嘘だと思ってたんですが本当なんですね~。
私は一匹しか見つけられなかったのですが、
もしかして中にもう1匹いたのでしょうか。
勉強になりました。
しかしやはりすさまじい風貌ですね…。
アジにもよくアジノエが付いていますね。
私も今一匹エタノールに浸けています(笑)。
小さいやつだと、よく見れば可愛い顔をしているんですけど…
縁起物だし、全く害になることはしない子なので、
次回発見なさってもあまり驚かないで上げてくださいね☆
お魚を焼くとき一緒に軽く焼いて
水分をアバウトにとばしてから油で揚げたら美味しかったです。
特に赤くはなりませんでしたー。
はじめまして。
挑戦してみたのですね(笑)。
最近はオオグソクムシを食す会のようなものもあり、一部で流行っているきらいもありますもんね。
赤くなったら、見た目にもおいしそうなのになぁー。