Be Organic

女性の美と幸福の源は オーガニックです

オーガニックブームの終焉

2008年09月28日 | オーガニックライフ
毎年秋恒例、東京ビックサイトのビオファジャパン/オーガニックEXPOに行ってきました。「2006年でオーガニックに関する市場や世の中の流れは一巡し、ブームは終息に向かう」というのが私の持論でしたが、それを実感することになりました。

まず、活気がほとんど感じられないのがショックでした。開催スペースも以前の半分。目を引く出展もないし、来場者も少ない。コスメのコーナーだけは少し華やぎがありましたが、それも以前ほどではありません。コスメのテスティングコーナーは、明らかに失敗。ただ試供品とパンフレットを置いておくだけでは意味がありません。それも会場のいちばん隅っこに、です。製品の説明ができるスタッフがいる各社のブースは、それなりに賑わっていました。

もともと業者向けのイベントですが、以前は土曜日を一般向けの公開日にしていました。ここ数年は一般公開日を平日の金曜日に設定しており、それも来場者が少ない理由だと思います。というより、土曜日に開催しても一般の来場が期待できなくなってきたのでしょう。

オーガニック市場は伸びているとは言われますが、実感はわきません。市場そのものが新しく小さいため、1%が2%になっただけで”倍増”と言えてしまう、という数字のからくりもあります。
一般のスーパーに設けられたオーガニックコーナーも減少していますし、自然食品店も元気がない。一般のオーガニックに対する関心は、完全な収縮傾向にあるということの証明です。

これからまたしばらく、オーガニックは再び”わかる人”だけのものへ戻ってゆくでしょう。けれどこのブームで増えたオーガニック人口のうち、何割かはブームが去っても残ってくれます。その人たちと共にオーガニックは「深化」してゆくはずです。
そして次にブームが来るときは、より深みを増し、大きく進んだものになって現れることを願っています。

MYヨガマット

2008年09月22日 | 健康
ヨガを始めてもうじき半年。最近では朝食前の太陽礼拝と、就寝前の座位や仰向けのポーズと壁を使った脚上げのポーズが日課になっています。
夜は「屍のポーズ(シャヴァアーサナ)」から眠りに入り、朝は「屍のポーズ」からの起きかたに従って起きるようにしています。でもくたびれて何のポーズもしないまま寝てしまうこともありますし、起きるときも「やばいっ、寝すぎた!」と慌ててガバッと起きてしまったり、逆に起きる途中で二度寝をしてしまうこともあります。

相変わらず体は硬く、前屈系のポーズは苦手。胸郭も思いのほか開けていませんが、最初の頃に比べると「下向き犬のポーズ(アド・ムカ・シュヴァアーサナ)」が格段に楽になりました。あとは「鋤のポーズ(ハラアーサナ)」が楽しいかな?頭の向こうへつま先を下ろすまでは少し怖かったりするのですが、下ろしてしまうと”違う世界”が開ける感じがします。「戦士のポーズ(ヴィラバドラ・アーサナ)」は、内側からパワーがわいてくるような感覚が味わえます。

ヨガが面白くなってくると欲しくなるのが、自分のヨガマット。でもヨガマットは、案外塩化ビニル製のものが多いのです。ダイオキシンのもとになる塩ビ製品の使用は、できるだけさけたいもの。それ以外には低公害の高分子樹脂と天然ゴムのマットがあります。

今回初めて「ヨガフェスタ」に行ってきました。主にアーユルヴェーダの講座を受けてきたのですが、さまざまなウエアやグッズのメーカーがブースを出していて、そこでいろいろなヨガマットを実際に見てみるのも目的でした。

塩ビやTPEのマットに比べると、天然ゴムのマットはやはり重い。塩ビやTPEのマットは、ネットで見て”きれいな色だな”と思ったものも、実物を見ると色が鮮やかすぎて目に厳しく感じます。天然ゴム製のマットは、総じて落ち着いた色に見えます。さらに手触り、足触りが良いのは、やはり天然ゴムのマットでした。

いくつかある天然ゴムのマットから、私が初めての”MYマット”に選んだのは「ヨガワークス」”トラベラー”。A4サイズまで折りたため、重さも1kgに満たない携帯用ヨガマットです。
通常のマットより丈が短いので、身長がある私は少し心配だったのですが、実際に使わせてもらったら気になりませんでした。厚さも2mmしかありませんが、無垢の木の床の私の部屋で使っても、手足の接地面が痛いと感じたり、めくれたりすることはありません。快適にポーズをとることができます。

色は、新色の「マルタ」。「青の洞窟」の中で見るような青緑色がひと目で気に入りました。

老猫「カーさん」の風景

2008年07月07日 | 
大さん橋の入り口に住んでいたご長寿猫「カーさん」の、今日は一周忌です。

いまでも「カーさん」が住んでいたお店には寄らせていただいて、ベイスターズの話やら「象の鼻」地区の再開発ってどうよ?みたいな話やらしています。そうしていると「カーさん」がどこからか、ひょっこりと顔を出しそうな気が、まだします。
今日は、4年前に私が宣伝会議主催の「編集・ライター養成講座」で書いた作品で、「カーさん」を偲びたいと思います。


横浜市中区海岸通1丁目1番地は、猫の「カーさん」の棲み家だ。この住所で宛名を「猫のカーさん」と書いて手紙を出せば、必ず「カーさん」のもとに届く。「カーさん」は、全国からの手紙やプレゼントが絶えない人気者だ。

クイーンエリザベス2世号を初めとする、外国客船が接岸することで有名な大さん橋。その入り口に、小さな電気屋がある。外国船の船員向けに、主にオーディオ製品を売っている店だ。置いてある製品は全て海外向け仕様のため、日本国内で使うことはできない。

21年前、この店で餌をやっていた野良猫が、4匹の子猫を生んだ。しかしそのうち3匹までもが、交通事故で死んでしまう。たった1匹生き残った茶トラのメスが「カーさん」である。

「カーさん」宛の手紙やプレゼントは、この電気屋に届けられる。店内にはファンが描いた「カーさん」のイラストや、若かりしころの「カーさん」の写真、「カーさん」が生んだ子猫たちの写真もある。子猫たちはみな、横浜や東京の愛猫家にもらわれていったそうだ。

店を経営するご夫婦は別に家を持ち、店には通ってくる。「カーさん」は閉店後の店内でひとり夜を過ごすが、朝になると「カーさん」しか知らない秘密の出口から外に出て、店のわきにある飲料の自販機の上にいるそうだ。そして見知った人間が通ると、「ニャアニャア」と呼び止める。”はしごを出して、降ろしてほしい”といっていることを近所の人は承知しているので、近くに置いてあるはしごをかけて、地面に降ろしてやるのだ。何年か前、飛び降りてケガをして以来、ずっとそうしているという。

近所の変化にも「カーさん」は敏感で、新しい店がオープンしたりすると、なんと店内に上がりこんですみずみまで見回るという。当然びっくりされるので、電気屋の奥さんが急いで後を追いかけ、事情を説明しているそうだ。「今年の春、店の前で道路工事があったんですけど、夕方になって工事の人がいなくなると、必ず行って見回っていましたね。私もびっくりしました」と奥さんはいう。

「カーさん」の居場所は、店の前の白いイス。奥さんが「カーさん」のために置いたものだ。「いつごろから置いてましたかねぇ?ずいぶん汚れていますから、かなり前ですね。観光客の方が座っちゃうんで、”カーさん専用です”って貼り紙をしました」。いつも白いイスの上にいる「カーさん」は、やがて道ゆく人の目に止まるようになった。

観光できて「カーさん」をなでていった人が、10年ほどたって再び観光で訪れ、「やあカーさん、元気だったか」とよろこんだり、いつもリボンやネクタイ型の首輪をしている「カーさん」を見て、「さすが横浜だ。猫までネクタイをしている」と関心している地方からの観光客もいる。近くの横浜スタジアムで横浜ベイスターズの試合がある日には、球団のマスコット「ホッシー」の絵が入ったスカーフをするのだが、阪神ファンに「なんやお前、トラのくせにベイスターズ応援しとるんか」とからまれたりもする。

店に買い物にくる外国船の船員たちにも「カーさん」は可愛がられている。「好きな方はわかりますね。いかつい顔をしていても、カーさんを見るだけで表情がゆるんじゃう。『俺も家で猫を飼っているんだ』と、自分の猫の話をしてくれる方もいます」と奥さんはいう。

おとなしく、さわっても嫌な顔ひとつしない。人間でいえば100歳を超えるであろうおばあさんだが、なかなかの美貌である。「カーさん」の存在は、大さん橋を訪れる人々の口づてで、全国に知られていった。今や観光人力車も立ち寄ってゆくほどだ。土日ともなれば「カーさん」の写真を撮るために、列ができることもあるという。

今年になって雑誌「猫の手帳」に載ったことがきっかけで、「カーさん」にはテレビ東京系の「ポチたま」、フジテレビ系の「めざましテレビ」などから出演依頼が殺到した。しかし奥さんは、「カーさん」が老齢であることを理由に断っている。おおぜいのスタッフが来て、長時間カメラを向けられることが、「カーさん」にとって負担なのではと心配したからだ。

9月になって、海風を涼しく感じる日が増えてきた。今年の猛暑を「カーさん」が乗り切れるか心配した奥さんも、ほっと胸をなで下ろしている。
「カーさん」は今日も、あの白いイスの上にいる。猫お得意の瞑想をしているのか、それとも昔のことを回想しているのか、それはわからない。静かに目を閉じ、おだやかな表情で座っている。大さん橋は改修され、開港広場も整備されたが、「カーさん」のまわりには、21年前と変わらない時間が流れているような気がした。

私のオーラソーマボトル

2008年05月15日 | オーガニックライフ
初めてオーラソーマを知ったのは、大学生のとき。
女性ファッション誌で、心理テストのような感じで紹介されていました。
それきりずいぶん長いこと見ることはありませんでしたが、最近癒しやスピリチュアルの分野で再度登場し、注目されています。

環境女性誌にいた頃に取り上げようかとも思ったのですが、やめていました。
理由はいくつかあります。
まず急に「原料はオーガニック」と言われだしたこと。私が初めてオーラソーマを知ったときは、そんなことは全く言っていませんでした。もっとも、”オーガニック”などという考え方もなかった時代でしたが・・・。
そして、成分の一部にタール色素が含まれるものがあること。合成色素批判の急先鋒みたいな雑誌でしたから、出したらまずいだろうと思いました。
さらに、「創始者が瞑想中にインスピレーションを得て作った」など、スピリチュアル色が強いこと。記事中に「癒し」という言葉を使ったら編集長に「オカルト雑誌じゃない!」と怒られたことがあったのです。
これだけ条件がそろえば、企画は出せないと思いました。

創始者ヴィッキー・ウォール女史は、最初は単なる化粧オイルとしてオーラソーマを作ったそうです。しかしそのうち、同じ色のボトルを選ぶ人は同じ心理状態にあること、さらにそのボトルは、それを選んだ人の心理状態をサポートすると伝えられているハーブで作られていることに気づきました。そしてオーラソーマの理論を確立していったといいます。
また、スピリチュアリティを重視しながらも、その世界にどっぷりとはまって現実世界をおざなりにすることは戒めています。

私は折々に、コンサルテーションを受けることをしてきました。
私が選ぶボトルはほとんどの場合、ピンク、ターコイズ、ヴァイオレット系統でした。ピンクは無償の愛を、ターコイズはハートからのコミュニケーションを、ヴァイオレットは天とのつながりや奉仕を意味するとされています。

ところが1年ほど前から、気になる色が変わってきたのです。その状態が今も続いていることから、久しぶりにコンサルテーションを受けました。

ここのところずっと気になっている色は、オリーブグリーンとディープマジェンダです。
グリーン系統は、嫌いではないけれど関心のない色でした。服や持ち物にもほとんど選んでいません。ディープマジェンダに至っては、「黒」だと思っていました。光が通る色味が多いオーラソーマの中では非常に暗く重たく感じられ、絶対に選ぶ気にはなれませんでした。
オリーブグリーンは女性的リーダーシップを、ディープマジェンダは内なる無限の可能性を示す色と定義されています。
今回選んだのは、以下の4色です。

1本目:B106 大天使ラツィエル
2本目:B101 大天使ヨフィエル
3本目:B103 大天使ハニエル
4本目:B102 大天使サミエル

「今は、自分らしい道を探っている状態ですね。困難があって時間はかかるかも知れないけれど、焦らずじっくり取り組めば大きな変化があります。間違いなく良い方向に進んでいますよ」とは、プラクティショナーの方の弁。人と比べたり競おうとしたりせず、固定観念、既成概念に囚われることなく、自分の心に響くものを選んでゆけば良いとのこと。

今回選んだボトルの色には、”平和”や”女性性”といった、オーガニックに関わりの深い要素が象徴されています。このボトルが示す道のように歩んで行けたら、私の今の願いは実現することになります。
自分の内なる声に耳を澄まし、それを具体的なものにして、実現へのプロセスを考え、実際に行動してゆくという作業を、そろそろ始めないといけないのかも知れません。

経営資金やビジネスのノウハウだけでなく、生活を支える起業支援

2008年04月14日 | 世の中のこと
4月8日付の朝日新聞朝刊に、ドイツのワーキングプア対策が紹介されています。
その中に、”もし日本にこの制度があったら活用したい!”と私が思った事例がありました。
あらましは次のとおりです。

マインツ市の57歳の女性、フルックさんは3年前、なんと社長の夜逃げで失職。
失業保険は加入期間が短くて受けられず、困って行政の支援窓口であるジョブセンターを訪ねたところ、約5・5万円と住宅費、暖房費が出る「失業給付Ⅱ」の支給を受けられることになった。
しかし年齢が高いため、求職活動は難航。そこでジョブセンターは起業を提案し、フルックさんは経験がある市場調査での起業を決める。
「失業給付Ⅱ」は事業が軌道に乗るまで支給され、初期経費として約16万円の貸付制度もあり、起業支援プログラムも無料で参加できる。
専門家の指導を受け、市場調査や社員研修を請け負う会社を設立したフルックさんだが、初めは売り上げが安定せず、毎月の収入に応じて「失業給付Ⅱ」を受け続けた。
昨年11月以降ようやく事業が軌道に乗り、フルックさんは晴れて「失業給付Ⅱ」を”卒業”した。


一般に起業には「創業資金+半年分の生活費が必要」と言われています。
しかし、私のように安い賃金でしか働いたことがない人間は、収入のほとんどが生活費に消え、貯金も少ないのが現状です。
自活するにも、市営住宅や県営住宅は、単身者は65歳にならないと入居できません。旧公団住宅は、公共性を謳いながら家賃がえらく高いうえ、安定収入が必要です。民間のアパートは安くても(それでも横浜なら6万はしますが)、保証人を求められる。
また、スキルアップのために民間の講座に通おうとすると、仕事で使えるレベルのものは受講料が10万円以上します。
生活とお金のためだけの仕事は、起業の意欲を奪い、アイディアは腐敗してゆきます。

私もフルックさん同様、年齢的に就職は難しい。就職活動をして最終的に私を受け入れたのは、使い捨てに近い派遣でのコールセンターの仕事だけでした。
私が”生きてゆくためには自分でやるしかないのか”と考えたのは、そんな事情もあります。

けれど私の知る限り起業して成功している人は、夫に安定収入のある元専業主婦や、家が裕福でなおかつ帰国子女やエリートOLだったなど、生活や食い扶持を心配しなくて良い人たちか、ブルドーザーのように進んで行く強烈なパワーとキャラの持ち主ばかり。
ドイツのように家賃や最低限の生活費が支給されて、ビジネス面でのアドバイスも受けられ、暮らし向きの心配をする必要がなければ、私のようなないないづくしの人間でもどれだけ思い切ったことができるか・・・。

最初にも示したとおり、朝日新聞の記事は「ワーキングプア対策」として紹介されています。これはひきこもりやニート、フリーター、ホームレスの就業対策にもなるのではないでしょうか?
横浜では「起業で『ひきこもり』からの脱却を」というイベントも開催されましたが、まだ”精神論”的な部分が多く、現実の生活への具体的な支援というところまで議論は進んでいないようです。

私は、今の私のような女性が、生活に不自由しない社会保障と収入、そして技能やキャリアを得られる場を、「オーガニック」をキーワードにして創りたいと考えています。それには、どうしたら・・・?

ヨガを体験

2008年04月13日 | 健康
私は上半身や体幹に筋肉が少なく、特に背筋力が非常に弱いのです。だから背中が丸くなりがち。体も硬く、姿勢を良くしたいのと、年を取ってから寝たきりになるのは嫌なので、何かエクササイズをしたいと常々思っていました。

でも、スポーツジムでマシンを使って筋トレというのは違和感がありました。
筋肉をつけることに集中しすぎて体のバランスを崩し、そのために成績不振に陥ったり、かえって怪我をしやすくなってしまい、引退を余儀なくされたプロスポーツ選手もいます。
もとより私は、スポーツ選手ではありません。生活に必要な筋肉と体のバランスがあればそれでいいのです。だからジムでマシンを使ってなんて不自然極まりないこと。ヨガが最も自然なのではないか・・・と思ったのです。

環境女性誌の編集部にいた頃、ダイエットがらみの記事で、「穀菜食と併せてヨガやストレッチなどの無理のない運動を」なんて書いたことはあります。でもその実ヨガのことはほとんど知りませんでした。
ヨガは単なるエクササイズにとどまらない自然療法のひとつとして、オーガニックに関心が高い人々とも結びついています。だから一度特集を組むべきだと思って企画を出したこともあったのですが、”社長と編集長が分からないことはやれない”ところでしたから企画は通りませんでした。それからくわしく調べることも実践もしていなかったのです。

少し気持ちに余裕が出てきたこともあり、この際体験してみようと思い立ちました。そこでニューヨークスタイルでライトな雰囲気のスタジオ・ヨギーの初心者向け「ウェルカム」クラスに参加しました。

横浜スタジオは50人入るそうですが、参加者が多くスタジオが小さく感じます。ほとんど女性ですが、男性も数人おり、ヨガへの関心の高さを感じます。
最初に姿勢のとり方と呼吸法を教わり、瞑想から始まります。「おへそから指3本分下の部分を引き上げるような感じで・・・」というのをいまいち実感できずにいると、インストラクターの方が姿勢を直してくれました。すると腹部の力が抜け、肩甲骨が動き、胸郭が開いてより深い呼吸ができるようになりました。
次にいくつかポーズを教わり、それを流れで組み合わせると、ヨガの基本「太陽礼拝」になります。
背中を真っ直ぐにしたり、手を床にしっかりつけることが優先なので、ひざを曲げても良いのですが、体が硬い私にはかなりキツいポーズも・・・。背中がどうなっているか感覚がないし、足はガクガクしてくるし、脂汗が出て呼吸が浅くなっている。どこかに変な力が入っている証拠なのですが、それがどこなのかも分からない。ただそうしたことが逆に、自分の”体”の存在を強く意識させます。
その他にも2、3ポーズを教わり、最後に「屍のポーズ」でクールダウン。自然に腹式呼吸以上の、深い呼吸ができていることがわかります。

レッスンが終わった後は、内臓、特に腸がよく動いていることを感じました。この「体の中が動く」感じは、普通のフィットネスにはない感覚だと思います。実際この後、お通じが良くなりました。
ヨガが体を鍛えるだけではなく、体調を整えたり、代謝や循環を良くしてデトックスにも効果があると言われるのが、分かる気がします。

それ以外にもヨガには、心が安定する、自分に対しての”気づき”があるなどの心理的、精神的効果があるとも言います。その結果、ヨガをする多くの人々がベジタリアンになったり、オーガニックを志向するようになると言うのです。
自分自身の内面にどのような変化が起きるかは、しばらく続けないと分かりません。そのうちライトなスタイルに飽き足らず、もっとディープなものを求めるようになるのかも知れませんが、ゆっくり続けてみようと思います。

レッスンが終わってからインストラクターの方に「明日、筋肉痛ですよ」と言われましたが、その通り、今腕や足が痛いです!

急行「銀河」 星の彼方へ

2008年03月15日 | 世の中のこと
私が初めて乗ったブルートレインが「銀河」でした。
小学校を卒業した3月、姫路の親戚の家へ遊びに行くために、弟と2人で広いA寝台の下段を分け合ったのでした。
当時の「銀河」は、特急格下げの20系車両を、個性的な旧型機関車EF58が牽引していました。横浜発は23時13分くらいだったと思います。

あこがれのブルートレインがホームに入ってきてまずびっくりしたのは、ドアが手動だったこと!自動ドアが当たり前だった私にとって、特急で使われていた車両が手動ドアというのは、ちょっとショック。”特急車両で手動かぁ?”みたいな感覚でした。当時わずかながら20系の特急も残っていましたし・・・。
まあるい最後尾のヘッドマークは、列車の名前ではなく「急行」の文字。それが少し寂しく感じました。

大船、小田原、熱海、沼津、静岡、浜松、豊橋、名古屋・・・。急行らしくこまめに停まる「銀河」は、深夜の東海道本線を静々と進んでゆくようでした。関が原の朝もやの中を、始発の新幹線が東京へ走って行く車窓の風景は、今でも忘れられません。大阪到着は8時ちょうど。ラッシュの中となりのホームでは、福知山線、山陰本線を経由して博多へ向かうという、今では考えられないスケールの大きなディーゼル特急「まつかぜ」が、出発しようとしていました。

以前は、全国に主要都市間を結ぶ長距離特急と、それを補完する急行が走るという運行パターンがありました。
しかしいつの頃からか特急に格上げされる急行が相次ぎ、特急の数が増えました。
JRの本社の人は「特急が乗りやすくなったでしょ?」と言いましたが、一方で従来急行のみが停車していた駅に特急が停まるようになっていました。地方では、支線を走る急行が、次々に廃止されてゆきました。
残った特急は、急行のようなものばかり。そのくせ特急料金は従来通り取る。これは実質的に「値上げ」なんじゃないの・・・?

そんな疑問が頭をもたげる現代にあって、「銀河」は昔の東海道急行の面影を色濃く残す列車でもありました。

「銀河」のような存在が、再び必要とされる時代が来ることはあるのでしょうか。気づいたとき、取り戻すことはできるのでしょうか。
”古き佳き時代”や”郷愁”といった言葉だけでは割り切れない、何か「大切なもの」乗せたまま、急行「銀河」は歴史の星の彼方へ走り去ってゆこうとしています。

もういちど、”伝える”ことを

2008年02月09日 | Weblog
このブログを始めて3年になりました。
更新が滞りがちなのに見て下さっているみなさま、本当にありがとうございます。

じつはこのブログを始めた年から私は「天中殺」に突入し、とりわけ昨年、一昨年はドツボにはまったというか、完全な迷走状態でした。
世の中が鼻につくほど”環境、環境”と言っているわりに、金銭的にはもちろん、社会的にも報われることなく、仕事として「オーガニック」に関わることを辞めようかと考えたこともありました。

”これならば妥協できる”という仕事を探し、実際何社か受けに行ったりもしましたが、結局面接を受けると違和感でいっぱいになってしまうんですね。ひどいときは事務所のある建物を見ただけで、”これ、絶対違う!”と感じたこともありました。そういう感覚はやっぱり伝わってしまうもののようで、上手くいきませんでした。

年が明けてから、まずはしばらく会っていなかった、オーガニックを書く仕事で出会った人たちに会うことから始めました。そうした中で、御茶ノ水にあるエコショップGAIAの創業者、日野雄策さんの話を聞く機会がありました。
言われたことは、「ただ仕事をさせられて、少ないお金を得て、疲れて倒れてゆく。そんなブロイラーみたいな働き方したくないから、ここにいるんでしょう?」。

私は不器用で、要領も悪い。だから自分の心に嘘がつけない。コスメライターになるのを止めたときもそうでした。
”結局、自分でやるしかないのかな”と思うようになりました。今のところ、世の中に私の希望を満たす仕事はない。それなら自分で創るしかないと・・・。

長かった天中殺も明けました。
天中殺明けは、新しい運命のサイクルの始まりだといいます。
これまで、「人が炒めるエビチリの、エビの背わたを取る人生」を歩んできました。けれどこれからは、「自分の人生のド真ん中を堂々と歩いてゆく」ようにしたいと思います。
それができたら、「オーガニック」がもっと、世の中に伝わっているはずだから・・・。

Whole Foodは「パワーフード」

2008年01月19日 | フード
以前この記事で紹介した、フードディレクターのタカコ ナカムラさんが本を3冊出版され、その記念パーティがあったので行ってきました。
出版されたのは、「玄米ごはんパーフェクトレシピ」「タカコ・ナカムラのWole Foodスイーツ」、そして西日本新聞社から出されるできたてほやほやの「まるごといただきます」の3冊です。

相変わらず年齢を感じさせない、美しいナカムラさん。でも自身でこの2年間を「迷走状態」と言っていました。
会社を新しく立ち上げ、表参道のBROWN RICE CAFEに併設されていたスクールを自由が丘に移転したものの、急にそこを出なければならなくなり移転先を探すことに。そこへアロマ製品やコスメの「ハイパープランツ」が代々木上原にスクールとカフェの場所を見つけてくれて、昨年移転したそうです。

楽しみにしていたのが、久しぶりにいただくナカムラさんのお料理です。
              
                 
やっぱり、ナカムラさんのお料理は違う!!
素材が良いだけでは絶対にないおいしさ。ひとくちごとに、体と心がときめきます。

自然食レストランや、最近増えている自然食ビュッフェは、素材の良さに寄りかかり過ぎ、調理技術がいまいちのところが少なくありません。だから1回行けば”もういいや”という感じになってしまいがちです。
だからこそナカムラさんは、料理人として”プロの味”にこだわっています。

私が同時に感じているのは、「宮廷女官チャングムの誓い」で主人公チャングムの師、ハン尚宮が言った「味を描く能力」です。ハン尚宮はこれを”料理人に必須の能力”とし、チャングムにはそれが備わっていると言います。
ナカムラさんもこの「味を描く能力」を、持っているのではないでしょうか?そうでなければ厚揚げやベジミートを、オレンジジュースがベースのマリネ液に漬けて本物に近い肉の味を再現したり、グリッシーニに納豆を使ったり、みりんと酒粕でカステラを作ったりなんてできないでしょう。

さらに驚いたのは、料理が全て常温で出され、ハーブティとオーガニックコーヒー以外温かいものがないにも関わらず、食べているうちに体が温かくなってきたことです。
この感覚は初めてでした。思わず、「パワーフード」という言葉が頭に浮かびました。
パーティには家族や自身がガンになり、手術や抗ガン剤と並行してナカムラさんのWhole Foodを実践し、病気の進行を止めたり克服した人も来ていました。
そんな人たちの話を聞くと、「パワーフード」と感じるのもあながち間違っていないのではないでしょうか。

ナカムラさんの新しいお料理は、代々木上原の駅前にある「Kanbutu Cafe」で味わうことができます。ぜひ体験してみて下さい。
「Whole Food協会」も立ち上げるという、これからのタカコ ナカムラさんに期待しましょう!

ブログ年賀状2008

2008年01月01日 | 季節
         あけましておめでとうございます
                 
          ここにいらして下さったみなさま、ありがとうございます
                今年がもっと良い年になりますように

”エコバッグ狂想曲”の裏に潜むものとは

2007年10月27日 | オーガニックライフ
環境保護のために、いろいろなアクションが提案されています。
そのひとつが、エコバッグを持つこと。
もちろんやらないよりマシなのですが、こうした対策は所詮小手先のことで、本当は即刻”ハードランディング”をしなければならない。状況はそこまで深刻なのだと、私は考えています。
それに、こうした提案に注目しすぎると、問題の本質を気づかなくなる、考えなくなることが怖いのです。

有名ブランドが発売するエコバッグに多くの人が群がるのを見ると、”完全に履き違えているな”と思いますしね。

買い物のときにエコバッグを持ち、レジ袋を断る。
それはいいのですが、本当の問題はエコバッグの中に入っているものにこそあります。
商品を包むビニール、ラップ、パック、トレイ、ペット容器などなど。私たちがどれだけ”ゴミ”を買っていることか・・・。

その”ゴミ”の分別は、細かく決められた方法によって、私たち自身がしなければなりません。
回収や処理は自治体がしてくれますが、その資金の出所は「税金」つまり私たちのお金です。
税金以外に専用袋を購入しての回収など、直接負担を求められる場合も多くなっています。
家電製品などは、あらかじめ製品の値段にリサイクル料金が上乗せされています。

なにより日本では、企業にゴミの処理やリサイクルの資金を負担する義務がありません。
増え続けるゴミ処理の負担に耐えかねている各自治体は、企業に資金の負担を求め続けています。
しかし企業側は自治体の悲鳴に耳を貸そうとはしていません。「リサイクルしやすい容器、包装にしています」のひとことでお茶を濁し、環境へのコストを負担しないまま、利益の追求に邁進しています。

それはどういうことか。企業の増収増益に貢献した上で、ゴミの処理やリサイクルの費用も手間も、私たち消費者が負担を強いられている・・・。
そろそろこの現実に気づくべきではないでしょうか?

上杉家の「ゴッドマザー」

2007年07月02日 | 歴史
今年の大河ドラマ「風林火山」の目玉、Gacktの上杉謙信が本格的に登場しています。
私の友人など、「あんなヘビメタな戦国武将がいるかぁ?!」なんて言ってますが、私個人としては、あのコスチュームはいいところに目をつけていると思います。

上杉謙信の肖像画というと僧形のものばかりで、川中島での武田信玄との対決シーンも僧兵姿が定番です。
今回の謙信像はGacktのアイディアだそうですが、ストレートのロングヘアに水干姿というのは、「喝食(かっしき)」という半僧半俗の青年の姿に通じます。
喝食はいわゆる”修行中”の身分ですが、化粧をして美しく着飾るのが常で、「観音の化身」「生き仏」として、僧たちの信仰の対象でもありました。
謙信は幼い頃から寺に預けられていましたから、あのような姿だった可能性もありますし、ビジュアル系で鳴らしたGacktにもぴったりではないでしょうか。

あまり上杉謙信のことを知らないので調べてみたら、生涯妻を持たなかった彼の身近に、興味深い女性を見つけました。
謙信の同母姉で、米沢藩初代藩主上杉景勝の生母である仙桃院です。
彼女こそ、結婚しなかった謙信の”妻の代わり”として、また謙信の後継者上杉景勝の母として、長尾、上杉家を支えた「ゴッドマザー」なのではないでしょうか。

戦国武将の一族の女性たちは、単なるお姫さまや奥さまではありません。
家の都合で人生を振り回される、無力な政治の道具でもありません。
家督を継ぐ権利も持っていますし、嫁げば外交官として、実家と夫の家との”win‐win”の関係を築くため、高度な政治判断も求められます。
夫と共に領地の経営や統治にもあたり、夫に何かあれば、最高責任者として一族を率いるのは、その妻。同時に跡取りの後見として、大きな発言力を持ちます。
「風林火山」にも登場している今川義元の母寿桂尼は、その代表的な存在です。

仙桃院は遠縁にあたる長尾政景と結婚し、2男2女をもうけます。政景は一時謙信に逆らって戦争になるのですが、和解した後は謙信を支え、突然謙信が”出家して高野山に行く!”と言い出したときも、説得して思いとどまらせています。
政景が仙桃院の夫でなければ、謙信との和解は困難だったはず。おそらく仙桃院が2人の仲立ちをしたのでしょう。
そして仙桃院と政景の子は、謙信の養子に。政景はわりと早くに亡くなってしまうので、長尾、上杉家当主のパートナーとして、後継者候補の実母として、仙桃院はアドバイザー的な立場で大きな力を持っていたと思われます。

実子のない謙信は、景勝の他に北条氏から養子を迎え、景虎の名を与えています。ところが、謙信は後継者の指名を正式にしないまま死んでしまったため、景勝と景虎の間で内乱に。
このとき、上杉家中は謙信と血を分け、景勝の母である仙桃院の動向を気にしたはずです。
結局景勝は”謙信の遺言”と言い張って本拠の春日山城に乗り込み、景虎を廃し自害に追い込んで、上杉家を継ぎました。

再来年の大河ドラマの主人公、直江兼続を上杉景勝の側近として推挙したのも、仙桃院だと言われています。
今回の「風林火山」で仙桃院は、”謙信の最大の理解者”として、「桃姫」の名で登場します。

”きもちいい”の前に、狂った感覚のリセットを

2007年05月28日 | オーガニックライフ
このことからふと気づいたのは、私たちの感覚に狂いが生じているのは、靴に限った話ではないということです。

一般女性誌がLOHAS系の特集を組むと、「きもちいいがからだにいい」「きもちいいことを追求したら、地球にやさしかった」といった言葉が出てきます。
けれど、これは本当なのでしょうか?
自然からかけ離れ、効率や採算性、うわべだけを求めた人工的な社会や環境によって、私たちの五感はもはや正しい選択ができなくなっているのです。

例えば・・・

発酵の手間を省いた醤油や酢、化学塩や化学調味料、インスタント食品に慣れた舌は、伝統的な方法で作られた調味料や出汁、最上級の食材でプロの料理人が作った料理を「まずい」と判断してしまいます。

合成香料に慣れた鼻は、自然に存在する花の香りより、人工的に作られた「化粧せっけんの匂い」を好むようになります。

デジタルの音に慣れた耳には、風にそよぐ風鈴や秋の虫の音が「騒音」に聞こえてしまいます。

石油系化学物質のコスメに慣れた肌には、オーガニックコスメは必ずしも、使い心地や使い勝手の良いものではありません。

狂った感覚をリセットするには、オーガニックに触れるしかありません。
けれど最初は、かなりショッキング。私も最初は”なんじゃこりゃぁ!”の連続でした。だからこそ、入口で”撤退”してしまう人も多いのです。

オーガニックを実践し始めた頃、初めて食べたルヴァンの「田舎クッキー」の第一印象は”味がない!!”でした。正直、残りをどうやって処理しようか、困り果ててしまいました。
けれど翌日、恐る恐る食べてみると、ものすごい変化が!!
小麦粉の香り、白ごまの甘み、ココナッツの風味、レーズンの甘さ・・・次から次へと感じる味覚とそのおいしさに、手が止まらなくなってしまったのです。

オーガニックコスメもそう。成分や製造法が自然に近いほど最初は使いにくいし、効果があるとは思えないものです。
チューブの口やキャップのスクリューにすぐカビが生えたり、植物オイルやミツロウベースの製品などは、べとつく感じがします。
実はオーガニックコスメのメーカーや販売元には、石油系化学物質のコスメに慣れたお客からの苦情が絶えないのです。

現代社会でオーガニックのよさを理解するには、感覚のリセットが必要です。
だから私は、無条件にオーガニック食品を「おいしい!」という人や、オーガニックコスメを「いい!」という人を信用していません。

あなたの「きもちいい」を信じないで!

2007年04月27日 | オーガニックライフ
以前、「足の健康と美しさ」というテーマで記事を書いたことがあります。
編集者から、新宿御苑の近くでコンフォートシューズの店を営んでいる方を取材して記事を書くよう指示され、お店に取材に行きました。

この方は数万人の足を見、歴代総理から幼児までさまざまな人の靴を選んできました。
そして、私の足を、触れることなく、しかも靴を履いたままの状態で見ただけで、ぴったりの靴を選んでくれたのです。
その靴を履いたときの驚きは、今でもはっきり覚えています。

靴を履いている気がしないのです。
家の中で、靴下だけ履いているような感じ。
それまで履いて来た靴に再び足を入れたときは、足を包帯でギリギリと巻かれているような気がしました。
自分が、そして多くの人が、今までいかに「きもちよくない」靴を「きもちいい」と信じて履いてきたか、思い知らされました。

足の健康のためには、その人に本当に合った靴選びが必要です。
けれど私たちも売る側も、自分に本当に合う靴がどんなものなのか、じつは知らない。
だからこそ、このお店の店主のような”目利き”が必要で、なおかつそのカウンセリングを、多くの人が体験できなければならない・・・。

そんな感じで原稿を仕上げて編集者に渡すと、「編集方針と違う」と言われて書き直しを求められました。
「お店で扱っているメーカーや靴の情報をもっと紹介して」「もっと履く人の気持ちよさとか感性とかを強調して」というのです。

私はこう説明しました。

メーカーや靴のことに重きを置いて紹介すると、読者に対して”そのメーカーの商品や靴さえ買えばいい”という誤解を与えかねない。
足の健康と美しさのためには品物だけでなく、確かな選択眼を持った人の的確なアドバイスによって靴を選び、本当の「きもちよさ」を知ることが重要。
そうでなければ、新宿のお店の店主を取材した意味がないのではないか・・・。

結局不本意ながら書き直しをし、それでも最終的には編集者がだいぶ手を入れました。
曰く、「あなたの感覚を信じて、きもちいいと思える靴を選びましょう」。

狂いが生じている感覚で、本当に「きもちいいもの」を選べるわけがありません。
私の取材実感とは、かけ離れた内容の記事が出来上がってしまいました。

これでいいの?大規模ショッピングセンターと再開発

2007年03月21日 | 
鳴り物入りでオープンした、鴨居の「ららぽーと横浜」に行ってみました。

じつは、5年くらい前でしょうか、関内でコーヒーを飲んでいたら、隣の背広姿の男性3人が「場所は明かせませんが、横浜に大規模なショッピングセンターができます」という話をしているのを聞いていたんです。テーブルの上には「ららぽーと横浜」と書かれた書類も・・・。
”あれえ、えらい話を聞いちゃったし見ちゃったよ。いいのぉ?私は一般人だけど、無用心過ぎじゃない?”と思ったものです。
話しぶりから、場所は中区や西区ではないということははっきりわかりました。相当大きいもの、という感じだったので郊外だろうなとは思いましたが、戸塚、栄、港南でもなさそうでした。すると都築、青葉、緑、港北のどこかだな・・・そう思っていました。

中を歩くと”広い”と思いますが、外から見るとなんだか窮屈そうで、”場違い”な感じがぬぐえません。
ナチュラル系のリアルクローズやクラフト系の店が目立ちますが、明らかに”キャラがかぶる”店が多いのが気になります。
メインダイニングもよく考えると、スタッフが席の案内やメニューの説明をしなくていい・・・つまり”サービスの質が低くてもいい”システムになっています。
元町や中華街は毎日行っても飽きませんが、たとえ鴨居に住んでいたとしても、ここに毎日来ようという気はしないなぁ・・・。地元の活性化に寄与するとも思えないんですよね。

イトーヨーカドーはやっぱり「イトーヨーカドーの品揃え」だし、横浜初出店で気合が入っているはずの大丸も、一般食品はさほどいいものが入っていないなぁ・・・と思っていたら、大丸の中に自然食品店「こだわりや」が。品揃えがバッティングしないよう、オーガニック系は「こだわりや」に譲ったのでしょう。

非常に気になったのは、大丸自身が大変にぎわっているのに、「こだわりや」だけはほとんどお客さんが入っていなかったことでした。横浜そごうの「こだわりや」はそれなりにお客さんが入っているのに、です。
”ああ、ここに来る人は、「本当にいいもの」は知らないんだな”そう思いました。

同じ都築、青葉区でも、田園都市線沿線と、市営地下鉄線沿線、横浜線沿線は、住民の質や傾向が違います。
田園都市線沿線の住民は、典型的な「横浜都民」。横浜の中心街よりも渋谷、青山の方が近く、仕事や買い物も東京でしています。所得も高く、都心で流行を作る仕事に関わっている人がけっこういるために、高級スーパーやオーガニック専門店が成り立つのです。
対して市営地下鉄沿線は、横浜市内の古い町から転居してきたローカルな住民が多いところで、田園都市線の沿線住民より、所得はやや低くなります。横浜線沿線となると、長津田以外はほぼ、古くからの地元ローカルです。

気がかりなのは、「ららぽーと横浜」への無料シャトルバスが出ている市営地下鉄のセンター北駅前に、来月さらに「ノースポートモール」という大規模ショッピングセンターがオープンすることです。
店舗は「ららぽーと」よりカジュアル色が強くなるようですが、シネコンも入るなど、雰囲気、客層、商圏が重なりそうな感じが濃厚です。恐らく、客を奪い合う関係になるでしょう。

そして「ノースポートモール」には、荏田にあった「プランツ」が入店するというのです。
レストランもカフェも復活するので最初はうれしかったのですが、ノースポートモールの概要を見て、さらに「ららぽーと」に行って、とても心配になりました。
まずもって、建物が「プランツ」の本来のコンセプトとかけ離れて遠いし、一緒に入るテナントも、「プランツ」の考え方とは相容れない店が少なくない。
また、「ららぽーと」の「こだわりや」にお客さんがほとんどいなかったことを考えると、「こだわりや」よりさらに”こだわり”の強い「プランツ」が、鴨居と客層が似ていて商圏も近いセンター北で、新しい客をつかむのは大変でしょう。
住民の感度が高い田園都市線沿線だったからこそ、「プランツ」のディープにオーガニックを追求するコンセプトが成り立ったのだと思います。
しかも今度は、テナント料が発生します。決して安いとは思えないテナント料を払い続けるだけの売り上げが上がるのかどうか・・・。

地方に行くと電車もバスもないような、田畑のど真ん中にいきなりドーンと建っている巨大なスーパーマーケットがあります。
あれを都心周辺部に合わせたコンセプトで持ってきたのが「ららぽーと横浜」や「ノースポートモール」千葉の「おおたかの森」「柏の葉」、武蔵村山の「ダイヤモンドシティ」なのでしょう。
そして、丸の内や日本橋、六本木のヒルズやミッドタウンなどの都心の再開発、さらにわが地元の北仲地区の再開発にも同じ匂いを感じてしまうのは、私だけでしょうか?