鬼神の秘密

'05~'06オセロ世界チャンピオン 為則英司のブログです。

WOC2005予選編(第5ラウンド序盤編)

2006-06-06 22:11:35 | WOC2005
予選第4ラウンドまで4戦全勝だった私は、予選第5ラウンドで同じ日本代表の宮岡環七段(前名人)と対戦することになりました。宮岡七段も第4ラウンドまで全勝していましたので、全勝同士の対戦でした。宮岡君との公式戦での対戦成績は、私の2勝1敗だったと思います。レイキャビックに入ってから、宮岡君と練習試合を9局程度打ったのですが、練習試合の結果は私の6勝3引き分けだったので、世界選手権直前の自分の調子がかなり上がっていることを実感したことを覚えています。

試合は宮岡君が白番で私が黒番でしたので、当然、宮岡君は2手目で斜め取りを選択しました。私が黒番で宮岡君と対戦するときは、5手目でC3に打つ「バッファロー」ではなく、G5の「飛び出し」を打って7手目で「裏こうもり定石」を使うことに決めていました。理由は宮岡君との練習試合で黒番で最も楽に勝ったのが「裏こうもり」を使った試合だったからです。宮岡君は私がバッファローを使うものと予想していたようで、5手目を見た瞬間「エ~」と声を上げ、7手目を見た後「この展開になるとは予想していなかったな~」と呟いていました。相手の意表を突いた点で、私が裏こうもりを使ったのは成功だったと思います。

F5F6E6F4G5E7E3
/ A B C D E F G H
1++++++++
2++++++++
3++++◆+++
4+++○○●++
5+++●○●●+
6++++○○++
7++++○+++
8++++++++
裏こうもり定石(次、白番)

13手目までは練習試合と同じ進行となりましたが、14手目で宮岡君は変化しました。練習試合では宮岡君は14手目をC4と打っていましたが、黒に15手目でD3と打たれて白が打ちにくい進行となったため、さすがに宮岡君は同じ間違いを犯しませんでした。19は実戦のC7か、G3か迷いましたが、白にC8と打たれるまえにC7に打っておきたかったので、C7を選びました。20手目まで互角の形勢だと思います。私は、宮岡君に導かれるまま未知の領域に入っていったような心境でした。

F5F6E6F4G5E7E3F3C5H5G4D2D7D6E8C4F7G6C7H4
/ A B C D E F G H
1++++++++
2+++○++++
3++++○○++
4++○○○○○◇
5++●●●○○○
6+++●○○○+
7++●●●●++
8++++●+++
次、黒番(21手目)


最新の画像もっと見る