先日、とあるところで特集を組んでいたというのもあるのですが、時間があったので、文房具を新調しようと近くの文房具屋さんに行きました。気分をかえるため定期的に筆箱の中を入れ替えるのです。いつからこんな事をはじめたかというと、きっかけは学生時代にあります。大学生になったとき親戚の叔父よりパーカーのボールペンをお祝いにいただきました。いまから20年位前のボールペンはインキがネチャネチャになったり、書いてすぐだと汚れたりしてあまり好きではなかったのですが、このパーカーのボールペンは衝撃でした。滑らかで書く事が快感なのであります。「ここここの快感はいったい何だっ!」それから坂野の文房具遍歴が始まりました。ボールペンやシャーペン、万年筆は書く事が快感につながらなければならないのですが、そういったものにはなかなか出会えません。いまだにあのパーカーを超えるボールペンには出会えないのですが、最近の低価格国産ボールペンはかなり高いレベルになってきました。有名なのは三菱鉛筆のジェットストリームです。おそらく国産低価格ボールペンの常識が覆ったぐらいの大ヒット商品です。ファンも多い。が、これは坂野的にはあまり好きになれませんでした。確かに書き味は気持ち悪いくらい滑らかなのですが、なんだか面白みがない。ノートに書く時、メモに書く時、わら半紙に書く時、新聞紙のふちに走り書きをするとき、それぞれ紙質にあった快感がえられねばならないのですが、どれも滑らか過ぎるというか、あまりに書いた通りに字が出てくる。つまり、書くときの癖であるペンの移動のちょっとした動きまでその紙に文字として書かれてしまうのです。洗面所の蛍光灯の下でみる自分の顔のようなもの。なんでもバッチり見えて身も蓋もない感じ。字を書く事も表現の一つなのだから、そんなところにドキュメンタリーはいらないぜ、といったところでしょうか。確かにインクの速乾性は目を見張るものがありますが、僕が思う書く快感とはちょっと違うのです。その点、昨日であったペンテルのエナージェルは凄い。滑らかだけど、紙によってその微妙な滑り具合が気持ちいいのです。ペンの移動でおこる文字の揺れもほとんどでない。つまり舞台で完璧な照明プランの中で見る女優さんのように自分の文字が出てくるわけです。筆記とは脳内思考と現実が初めて邂逅するドラマなのであります。劇的な物なのであります。筆記はこうでなくちゃと一発で惚れ込みました。しかもカラーデザインがカッコイイ。昨日はブルーを貴重とした新作をチョイスしました。さらに、先日買ったにもかかわらず無くしてしまっていた消えるボールペン、フリクションも新たに購入しました。やはり記録道具としていまいち信用がおけないフリクションですが、非常に良くできたボールペン、いやインクといわねばならないでしょう。これはエナージェルとの比較ですが、手帳など薄い紙に筆記したときのウラ移りがまったくないのです。もちろんエナージェルが悪いのではなくフリクションが出来すぎているのです。消える事よりも、むしろこちらを高く評価したいと思います。もう書きまくっていますが、さらにシャープペンシルも一本新調しました。シャーペンはいろいろ試していたのですがなかなか思ったものに出会っていませんでしたが、これもついに出会ってしまいました。運命の出会いです。ゼブラのエアフィットシリーズ。ボールペン等も出ているようですが、坂野にとってのベストはシャーペンタイプでした。ああ、もう書き込みも字数がない!続きは今度!