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坂野嘉彦 只今仕事中!

Banno Yoshihiko , Work in progress!

「はやぶさ HAYABUSA」観ちゃったよん

2011年10月11日 | 映画
息子が運動会の代休(代休ってなんだよっ)で学校がやすみ。連休中なかなか休みがとれなかったので「よし、映画に行こう」と提案。前から彼が見たがっていた「はやぶさ」を観にいった。なんだろ~。ものすごく手の込んだ学習ビデオだけど、最後はとってつけたようなエンディングがついてるなぁ。という印象。帰宅して調べたらズバリその通りだったのでちょっとのけぞってしまったぜ。おそらくあの「アポロ13号」をベースに日本的な叙情と家族の視点を入れてこの「はやぶさ HAYABUSA」の映画化を実行に移したのかもしれませんが、あまりにも、あまりにも説明的なセリフが多い。もちろん作っている人たちも演じている役者さんたちも極力イヤミにならないよう、それなりに工夫をしている感じですが。それに、はやぶさ計画そのものとヒロイン水沢恵のサブストーリーの組み合わせがあまりにも無理がある。で、無理やりこれをリンクさせるために妙なところに妙なシーンやセリフが入ってしまい、ちょっとシラけてるのだ。やはりこの「はやぶさHAYABUSA」を純粋な映画作品というにはちょっと無理があるのかなぁ。そもそもクライマックスの設定を無理やり帰還に合わせねばならず、ほんとうの意味でのはやぶさのクライマックス(おそらくはやぶさのイトカワ着地と行方不明からの連絡回復のくだり)をあっさり流してしまっているように思う。
あ~、もっと書きたい事(CGがチャチ過ぎとか、音楽の使い方などなど)があるけど、ヒロインであり、登場人物中ただ一人創作された人間、水沢恵役を演じる竹内結子さんはいいな。あと、はやぶさの打ち上げを見て地元のおじいちゃん、おばあちゃんが手を振る姿にはちょっと泣けてしまいました。あれはよかった。ギュッ。

カーズ2を観た

2011年09月04日 | 映画
カーズ2をようやくみた。あまり見る前に情報を入れないようにしてみたが、どうしても風のウワサは耳に入る。「ハデだった」「前作よりにぎやか」等。で気になるのは「あれ?ピクサーにしては」というウワサ。でやっとこさ観たのであります。

そして感想。正直に言えば「ピクサーもつめが甘い事があるんだ」という感じでありました。もともと作画技術はほとんど神業の領域に入っているピクサーでありますが、なによりも凄いのが実は脚本というのが坂野の見解。練りに練って究極にブラッシュアップした脚本は素晴らしいカットを加えられた宝石のような物で、ちらほら聞こえる「あんなに多人数でよってたかって作って」とか「完璧すぎて面白くない」等という非難というよりやっかみの声も輝きで跳ね返すほどでありましたが、今回に限って言えば、もう少し考える余地があったのではないかなぁ、というのが感想です。ネット上でもよく書かれているし、坂野も見終わった瞬間思った事は「悪役の描写がいまいち」「スパイ側とメータの関係も中途半端」などなど。障害を持ったものを切り捨てる、あるいはそう観られても仕方が無いエンディングは子供向けの映画としてはアウトだろ~に。「切り捨てる」という表現も、事の是非はともかく表現の一つだという意見には賛成ですが、あきらかにカーズ2がそれを狙って作られた作品ではないはず。
でも、最初の10分は凄いよ。あれはピクサーというよりCGアニメーション最高の10分じゃないのかなぁ。文句無く引き込まれて圧倒されます。あとイギリスパートの風景の美しさ。これはもはや驚愕の域に達していました。映画料金1800円の1000円分かも。

追憶(THE WAY WE WERE)

2010年03月04日 | 映画
午前十時の映画祭で「追憶/THE WAY WE WERE」を観た。ラブストーリーというジャンルは、もっとも坂野が観ない領域ではありますが、意を決しての鑑賞である(って、それほどでもないか)。で、意外と言うと怒られそうであるが、面白かったのだ。とくに2010年のこの時代にも通じる「アメリカの矛盾」がロマンスというオブラートにつつまれて告発されているように感じた。映画では正反対の性格の男女に置き換えられているが、二人とも典型的なアメリカーノスだろう。2010年のこの時代に、「追憶」を観ると相反する二つの性質を持ったアメリカをアメリカ人自らが客観的に論じ、告発した作品に思えて仕方がない。
ただ、バーブラ・ストライサンドが京唄子に見えてしかたなかった。相手役がロバートレッドフォードなので、なんだかシュールな配役である。鳳啓介では映画が成り立たないか。



北北西に進路をとれ

2010年02月16日 | 映画
「朝10時の映画祭」がおこなわれています。映画ファンの投票によって選ばれた50本を毎週一本づつ、朝10時から上映するというもの。朝方の僕にとっては願ったり叶ったりというわけで、先週の「裏窓Rear Window」、そして今週の「北北西に進路をとれ North by Northwest」の二本、すなわちヒッチコック作品を大型スクリーンで見てきました。「裏窓」はさておき、「北北西に進路をとれ」でなんだか違和感を感じました。面白いのは当然なのですが、いまいち「なんだろ、この乗れないかんじ」というモヤモヤが沸き起こってきました。テンポは問題ない。テレビサイズの画面でみるとちょっとモッサリしていると感じるかもしれませんが、大型スクリーンではちょうど良い。ストーリーか。いや、度重なるドンデン返しは実に細かいところまで計算されていてこれも問題ない。俳優?演技?セット?いろいろ考えて、はっと気がつきました。テレビや他の映画で何度も見たシーンの連続だったのです。設定こそ、チャンバラ劇だったり、SFだったり、史劇だったりと変わっていても、構成や演出が同じだったわけです。おそらく「北北西に進路をとれ」から影響を受けた作品を先に見ていたからなのでしょう。過去の傑作の宿命なのかもしれません。「春の祭典」を聴いてそれほどの衝撃を受けない現代の耳と同じです。やはり同時代にしか体験し得ないものがあると、今更ながらに思いました。
しかし、乗り切れないとはいえ、「北北西」傑作。セスナの銃撃から逃げるシーンのスリル、そしてエンディングのセンスは抜群。あれを超えるアイディアはまだ出てきていない事を確認しました。



ビクトル・エリセ、靴音と階段の軋み

2009年12月22日 | 映画
現存するアーティストのなかで坂野が強烈にリスペクトしている一人である、映画監督(というよりも映像作家)のビクトル・エリセ。寡作で知られ長編は僅かに3作しかない。しかしその全てが圧倒的なパワーを持ち見るものを圧倒する。パワーといっても力ずくではないのだ。すべてが染み入るように圧倒されるのだ。エリセを語る人は多い。ネットではエリセの新作はまだか、という問いがほぼ毎日のように繰り返されてるぐらいだ。映画としての美しさを語るのはその人たちにまかせ、坂野は音楽家として、エリセの何に感銘をうけているのかというと、やはり音である。映画音楽の話ではない。「人が発する音の美しさ」に心を打たれたのだ。人物の会話のヴォリュームと、家の中の階段を下りる靴音のバランス、また、書斎のシーンで、煙草の煙を吐き出す息の音と、紙の上を走るペンのかすれた音のバランス、そしてつぶやきの声が重なりあい、尋常ではないほど美しいサウンドスケープを作り出すのだ。もちろんこのバランスを作り出したのはエリセではなく音声技師、録音技師の力であるし、優秀な映画監督と音響監督が組んだ場合、こういった自然音は大切に扱われているのだが、エリセの作品ほど自然音を音楽として理解し、「この映像にはこの息と紙の音のバランスが絶対必要なのだ」と思わせる映画、しかも商業的に成功している作品は無いだろう。タルコフスキーは時間と音楽の関係を提示したが、エリセは無意識に発する生活音と、意識の音楽との関係を音楽家に提示したように思う。

プロジェクター、映画など

2009年12月16日 | 映画
いままで押し入れにしまっていたプロジェクターを復活させた。実は7、8年程まえに購入していたのだが、子供が小さいという事もあり、とてもプロジェクターで映画を見るような状況になく、涙をのんでしまっていたのだ。古いプロジェクターなのでそれほど画像が奇麗なわけでもないのだろうが、気軽に映画にいけない現在、ほんとうにありがたい。で、ここ最近洋画、邦画を問わず立て続けに8本ぐらいみたのだが、やっぱりハリウッドの映画はゴージャスだ。映画自体がメチャクチャな出来映えでもやはりそこには「映画である」という一種のムードが漂う。その点、邦画はどこかしらに「予算」を感じさせるシーンが満載だ。実に良くできた内容でも、かならずどこかに「経費を削減しながらもそれを感じさせないように作ったシーンですよ」箇所がある。お国柄の違いを感じるのだ。
ちなみに最近見た映画でなんとなく気になったのが「怪人二十面相伝ーK-20」。あまり期待せずに見たのだが、これが意外にも良かった。ただ、今はやりのトリビュートだかなんだか知らないが、アニメをパクったパロディがあまりにも多すぎるのが鼻につく。10年程前までは、アニメーションが実写映画へいかに肉迫するか、そしてそれを超えるかという内容だったのに、この「k-20」は実写映画がいかにアニメーションのアクションに近づくかという内容にかわってきている。
ただ、金城武、いいぞ、いいぞ。「レッドクリフ」の諸葛亮なんかよりずっとよかった!

映画二題

2008年12月09日 | 映画
最近みた映画「クローバーフィールド」と「モンテーニュ通りのカフェ」についてかなり長く書いたのだが、アップ直前で消えてしまった。バッキャーロー、前から気に喰わないと思っていたが、これほど安定の無いソフトだったとは。インターネットエクスプローラーめ!車で言えば走っていたらタイヤ外れたとか、屋根が吹っ飛んだって事だろーに。あまりに腹がたったので明日からOperaに切り替えます。